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高知新聞社
2021年10月6日 18:05
【第一部第1話 無料公開中】「闇ルートで県外に流せば、1キロ400万円の時も」…。近年、採捕量の激減から取引価格が高騰するニホンウナギの稚魚、シラス。「白いダイヤ」と呼ばれ、人々の欲望を引き付ける。全国的に密漁や闇取引が横行する中、仁淀川や四万十川という全国屈指の好漁場を抱え、「日本で1番採れる」という高知から、謎の多いシラス漁と流通の実態に迫る。(高知新聞取材班)高知新聞紙上で今年1月から全
2021年10月6日 17:10
高知県内某所。指定された倉庫の前で記者が待っていると、目の前に軽トラックが止まった。降りてきたのは50代ぐらいの男。たばこを挟んだ手のひらで、「こっちへ」と無言の合図をする。
2021年10月6日 17:09
「まいど」
高知県のシラスウナギの漁期は例年、12月上旬から3月中旬までだが、シラスは4月以降も県沿岸に接近し、遡上を続ける。
2021年10月6日 17:08
西日本の某県。仮に「X県」としよう。取材班はここで、シラスウナギを「裏から表へ変換している」という男に接触した。 数年前まで、X県で採れるシラスの量は年間100キロほどだった。ところが、この男が現地でシラス問屋を始めた途端、採捕量が約7倍まで急増。関係者の間で「今までにない豊漁」と大きな話題になった。 「実はな、実際は採れてないんや」。閑静な住宅街にある自宅で取材に応じた男は、ペロッ
シラスウナギが豊漁だった2019年度、国内で約17トンのシラスが採れたとされる。そのうち約2トンの取引を一手に引き受けた男がいる。
2021年10月6日 17:07
ひんやりとした10畳ほどの部屋には、水槽に酸素を送り込む「ヴー」というポンプの音だけが響いていた。
2021年10月6日 17:06
「シラス王」の朝は早い。全国各地から宅配便で届くシラスウナギを受け取るため、徳島市内の運送会社の事務所に向かうことから始まる。
高知県で採れたシラスウナギは飛行機に載せられ、九州のとある空港に着いた。取材班も現地に向かった。
2021年10月6日 17:05
2019年の日本国内のウナギ生産量は1万7千トン。そのうち鹿児島県は7千トンを占め、ぶっちぎりの全国トップだ。
南北に長い宮崎県。そのほぼ真ん中に位置する新富町は、なだらかな平野に田んぼとビニールハウスが点在し、のどかな風景が広がる。
2021年10月6日 17:04
宮崎県で養鰻(ようまん)業を営む中村宗生さん(84)は5年ほど前、高知県を訪れた。10人近くの高知の同業者が集まった夜の宴席。こんな抗議を受けたという。
「最近のシラスウナギの値段は異常。相場がぶっ壊れてしまった」