見出し画像

【レビュー】明確な指針と変幻自在の立ち位置【川崎×浦和】

こんにちは。こーちゃんです。根っからの大分サポです。

富士ゼロックススーパーカップ改めFUJI FILM SUPER CUPがありましたね。今年から名称が変更になったそうです。

この大会、前年のJリーグチャンピオンと天皇杯王者、一体強いのは

画像2

という大会でもあり、新シーズンの幕開けを告げる大会でございます。いよいよ新シーズンが始まるって感じでワクワクしますね。

今年は、圧倒的な強さで2021年のJリーグを制し、最近は絶対的王者感も漂い始めている川崎フロンターレと我らが大分トリニータを下し天皇杯王者に輝いた浦和レッズの一戦でした。

自分的には川崎が強いのは言わずもがな、今年のJ1は浦和が面白いんじゃないかと思っていたので、今日の試合はめちゃくちゃ楽しみでした。

(天皇杯勝ってたら・・・なんて思ってないんだからね・・・!)

結果は0-2で浦和の勝利。リカルド監督のゲームプランが完璧に遂行されたんじゃないかってくらいの素晴らしい試合だったと思います。今年はマジで浦和が強い・・・。徳島のサッカーを分厚い選手層でやるとこうなりますよ?ってのを見せつけられた感じ。マネーis正義ぴえん

てなわけで、自分が感じたこと、もしかしたらこういう狙いだったのかも?というのをクラブワールドカップ観ながらザーッと書いていきます。

拙い文章&たぶん甘い考察なんでそこんところは許してください( ;∀;)

マッチレビュー


浦和のスタメンの配置はこんな感じ。


GKはキャプテンの周作。DFラインは右から酒井宏樹、岩波、ショルツ、新加入の馬渡。柴戸とリカルド監督の秘蔵っ子(伊藤アナから引用)岩尾のダブルボランチ。中盤の右に関根、左に伊藤。2トップは江坂と明本。

大エースユンカー様、若き司令塔小泉、新加入の松尾・・・このあたりがベンチ外なのは驚いた。

画像3

対する川崎。コロナやコンディション不良等でベストメンバーは組めない状況とはいえ流石の布陣。何人かくれ()

GKはチョンソンリョン。DFは右から山根、谷口、車屋、登里。アンカーにシミッチ。インサイドハーフに大島と脇坂。ウイング右が家長、左が経済を動かす男チャナティップ。最前線に宇宙人・レアンドロダミアン。

主な主力組だとジェジエウと橘田、宮城らがベンチ外。そして俺の小塚もベンチ外。

天皇杯準決勝の再現、川崎封じ

お互いの出方を探る立ち上がりになるかなぁ~という浅はかな予想を裏切るように、立ち上がりから浦和が攻勢を強める。

それを可能にしたのはやはり守備だろう。後ろから繋ごうとする川崎に対し、浦和はダブルボランチを1枚前に出しアンカーを潰しに来たのだ。

画像4
図:守備のパターン①ダイヤモンド型

岩尾・柴戸が縦の関係を作り、アンカーのシミッチを潰しに行く。この時は対角のボランチがシャドーのコースを消すように出て行く。そして前線の江坂、明本がセンターバック→シャドーのパスコースを消す。中盤の構成をダイヤモンド型にすることで川崎の行動を制限する事に成功した。

まるで昨年の天皇杯準決勝で片野坂トリニータが見せた奇策の様だ。あの時は基本的にリトリートの中での一手。しかし、今日は前からこの配置で嵌めに来たのは流石浦和といったところか。あのサッカーをリカルド監督の中で昇華し、表現していたように見えて正直震えた。

浮き足立つ川崎に一瞬の隙が生まれる。前半7分、スローインのこぼれ球。一瞬足が止まった川崎の左サイドを酒井が切り裂き、最後は江坂。立ち上がり、左サイドを崩されて、江坂・・・うっ・・・頭が・・・。

このゴール、特に江坂のポジショニングが絶妙だった。クロスをケアする川崎の3選手の間でちょうど浮くようにスピードを落とす動き。流れの中で一瞬の淀みを創り出した江坂のポジショニングからの冷静なフィニッシュ。浦和が最高のスタートを切る。

画像5
図:守備のパターン② 4-4-2

ダイヤモンド型の中盤を形成するだけでなく、浦和は綺麗な3ラインの4-4-2を併用して川崎を封じ込める。ここの切り替えが明確に整備されていた。おそらく前半はセンターサークルが切り替えのラインになっていたんじゃないかと思う。

サイドハーフ兼インサイドハーフ

前半の浦和の攻撃を見る中で効いているなと思った配置がこれ。

画像6
図:アンカーの脇を上手く使うポジション取りで川崎を惑わせた

左右のサイドハーフである伊藤と関根が中に絞り、そのスペースをサイドバックが突く動き。相手のサイドバックが喰い付けばその裏のスペースを使う。前半は特に山根の裏を酒井が突くというシーンが何度も見られた。

場合によっては岩尾がCBの脇(図の青いところらへん)に落ちて3-5-2、3-6-1のような陣形を形成。ここの切り替え、落ちるのか?間でピン留めするのか?この辺りの見極めの巧さが絶妙だった。

両サイドはもちろん中に絞るだけではない。サイドにぐっと張ってサイドバックと共にサイドを崩しに行く動きも見れた。川崎の守備陣に対し常に問題提起をし続ける前半の浦和であった。

しかしながら、さすがの川崎。時間が経つにつれて惚れ惚れするくらい絶妙なポジショニングで狭いスペースをかいくぐりながら浦和を押し込んでいく。サイドで詰まったらやり直す、とにかく焦れずに繰り返す。更には大島が斜めに落ちて間のスペースにサイドバックが入っていく。じわじわと主導権は川崎に移っているような・・・そんな中で前半終了。前半終了間際、浦和は江坂のポジショニングを若干下げて4-5-1のような形に変形していたように見えた。

ハーフスペースの使い方とか流石王者という感じ。サイドに張って相手サイドバックをピン留めをし、センターバックの間の空間にインサイドハーフやサイドバックが走り込んでくる。今シーズンはトリニータでもあんな攻めが見たい。

流れを手繰り寄せたい川崎の一手

ハーフタイム、川崎が動く。シミッチ→マルシーニョ。チャナティップをインサイドハーフに下げ、大島をアンカーに。サイドで勝負が出来るマルシーニョで質的優位を取りに行く狙いか。

画像7
図:後半開始時川崎の布陣

個人的にチャナティップはインサイドハーフで使った方が良いんだなって感じた。ミシャ仕込みのポジショニングと狭い局面で周りを活かして打開が出来る力は素晴らしかった。

対して浦和。ダイヤモンド型で狩りに行くのか?引いて3ラインを形成するのか?

恐らく、ここの使い分けを試合を通して岩尾が担っていたのだろう。前半はその判断の軸をセンターサークルに置いていたように感じたが、後半はターゲットの大島の立ち位置と体の向きによって変えていたように見えた。

大島と岩尾の睨み合いのような展開が続く。大島がアンカーの位置に立つのか?それともポジションをずらすのか?それに対して岩尾はどう出るのか?付き合うのか?捨てるのか?ここは特に見応えがあった。

川崎は立て続けに選手交代。ダミアンに代わってタコライスが得意料理の知念。脇坂→瀬古。チャナティップ→小林悠。小林悠と知念の2トップのような形を形成し、数で浦和を制圧しにかかる。

中はやらせない守備からの追加点

その中でも浦和の守備は衰えない。プレーの強度で川崎の上を取り続けることで流れは渡さない。特に柴戸。球際は負けない、そして細かく間を埋めるポジショニングが効きに効いていた。個人的には岩尾と並んでMVP。

中は絶対にやらせないという気迫を感じる守備を見せる浦和。追加点もそんな浦和の守備から始まる。中盤の横パスをプレスバックした明本がカット。江坂→柴戸→伊藤と小刻みに繋いで前線へ。ボールを収めたのはさっきまでプレスバックしていた明本。粘って江坂に落とす。マークに付く谷口を一瞬で振り切った江坂は試合を決定付ける追加点を川崎ゴールに叩き込んだ。

追加点後に浦和は新戦力の犬飼を投入。3バックを形成し、試合を締めに入る。

その後知念の惜しいシュートもあったが危なげなく試合終了。浦和が2-0で川崎に完勝した。

雑感

正直、今年の浦和はひと味もふた味も違うぞと感じる一戦だった。

対して川崎は「中を固める相手をどう崩すのか」「ボランチの枚数をどうするのか」など今後の課題も明確になったことだろう。

浦和と川崎、それぞれポジショナルプレーに明確な基盤があって、その基盤を基にポジションを面白いように変化させる・・・この駆け引きが本当に面白い試合だった。浦和はこれにユンカーや小泉、モーベルグがいると思うと・・・間違いなく今年のJリーグを引っ張る存在になると思うし、川崎もそれは同様。ワクワクしますね!

そんでもって来週は我らが大分トリニータの開幕!対戦相手の水戸は今日の浦和みたく4-4-2を敷いて強度高くプレーしてくるんじゃないかな。

若くて良い選手が多い相手に対してどのような試合を見せてくれるのか。楽しみでコーヒー飲んだら夜も眠れません!


こういう狙いもあったんじゃ?とかあればどんどんコメントで教えてください!Twitterもやってるのでフォローやリプもしてくれると嬉しいな。

読んでくれてありがとうございました!!皆さんが最高のシーズンを過ごせますように!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?