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アダムシャオイムファ インタビュー フランスTV|フィギュアスケート

3月の終わりに、アダム様がフランスのテレビ番組「C à Vous」にご出演されたことがありましたので、ご紹介いたします。

だ円形のテーブルにコメンテーターがぞろり。サンデーモーニングかと思ったぞ。

司会:
(冒頭部分略)
こんばんは、アダム。
モントリオールでの世界選手権から戻られたばかりですが、私たちと銅メダルをお祝いするためにご出演していただきありがとうございます。
Romantada(番狂わせの逆転勝利、サッカーでよく使われる言葉)という言葉があります。
これは「私は今どん底にいるが、這い上がって前より強くなって戻ってくる」という意味ですが、(フリープログラムの前は)まさにこういう気持ちでしたか?

アダム様:
全くそのとおりです。
試合はまだ終わっていない、諦めてはいけないという気持ちでした。
フリープログラムの最後の選手が演技を終えるまで試合は終わらない、何が起こるか分からない、自分は全力を尽くすだけだと。

司会:
大きな失敗をした後に誇り高き飛躍を遂げる、というのはチャンピオンの気質だと思います。
ショートプログラムを振り返ってみましょう。

<ショートプログラムのVTR>

(最初に)ジャンプの着氷に二回失敗しました。
(フランスのスポーツジャーナリストの)ネルソン モントフォートのような言い方になりますが、次は4回転トウループで軸が斜めになって転倒しました。
メディアではアダムは試合に完全に失敗し、メダルへの希望は閉ざされたと報じました。こうした報道は目にしましたか?

アダム様:
ショートとフリーの間は(報道は)見ていません。
逆の結果になって良かったです。

司会:
リンクに入るときあなたは自分に言い聞かせた。
ミスをしてしまったのは怖かったからだ。
私は学んだ。もう怖くない。今までにないくらい攻めて行こう。
そしてその結果、競技では入れてはいけないバックフリップが出るわけですね。もう一度見てみましょう。

<バックフリップのVTR>

この技は競技では禁止されていますから、減点されるわけですね?

アダム様:
ペナルティとして2点減点されました。

司会:
(減点がなければ)208点だったのですね。

アダム様:
そうです。

コメンテーター:
なぜ禁止されているのですか?

アダム様:
危険なエレメンツだと考えられているからです。(後方への)回転は認められていません。

コメンテーター:
ということはこの技をいれるというのは、ある種の挑戦のようなものですか?

アダム様:
そうではありません。
挑戦というよりも、このスポーツに新鮮さを与え、進化させていきたいという目的があります。

司会:
観客はこのスペクタクルなジャンプをとても喜んでいますよね。
ジャッジはそうでもないので、まあ少し保守的ということでしょうか。

アダム様:
過去25年間を見ても私たちのスポーツはとても進歩していますので、後方へのジャンプのような見ごたえのある技を競技に入れることができないのは残念です。
観客にとっても観ていて楽しく印象深いものです。

司会:
もし(減点分の)2点多く取れていたら、銀メダルに届いていましたか?

アダム様:
いいえ。

司会:
そうですか。
でも今さらですけど、(減点がなければ)パーソナルベストを更新することはできていたのですね。

アダム様:
はい。

司会:
それを諦めたのですね。
まるでフィギュアスケート界のシラノ・ド・ベルジュラックですね。(フランスの有名な戯曲の台詞)のようです。

アダム様:
ある意味そうです。

司会:
ちょっとした懸けでもありますね。

アダム様:
ですが結局私にとって最も大切なのは、より若い世代に諦めてはいけないこと、攻めの姿勢で行くこと、何だってやればできるんだということを示すことでした。

<コメンテーターのバックフリップと政治家を絡めたジョークみたいなのが入る>

別のキャスター:
あなたはフランス選手権と欧州選手権で2度優勝しています。
練習拠点はニースですが、以前はボルドー、トゥールーズ、ポワティエでも練習されていました。
ポワティエでは2017年から2020年までブライアンジュベールに師事されました。2018年の映像を見てみましょう。

<2018年 17歳のアダム様のVTR。ブライアンジュベールはアダムは練習熱心ないい生徒で指導がしやすいと褒めている。>

ブライアンジュベールはあなたの前に表彰台に上ったフランスの選手ですね。それから14年が経ちました。

アダム様:
そうなりますね。

別のキャスター:
2020年の欧州選手権でもあなたは(ショート24位から総合11位へ)順位を13あげての逆転をしています。このチャレンジ精神、素晴らしいと思います。
挑戦と巻き返しが得意ですね。
あなたより前に、アメリカのネイサンチェン選手も2018年のオリンピックで順位を12も上げる逆転劇をしています。その4年後に彼はオリンピックチャンピオンとなりました。
ネルソン モントフォートのコメントを聞いてみましょう。

ネルソン モントフォート(スポーツジャーナリスト):
まずはこの、世界選手権での19位から3位への輝かしい結果に祝福申し上げます。
このようなこと(逆転)は見たことがないと思います。
私はあなたが今のポジションで止まるような人ではないと確信しています。
来シーズンの抱負をお聞かせください。
もう一度おめでとうを言います。あなたは私たち全員に素晴らしい、忘れられない瞬間をプレゼントしてくれました。
私の投げキッスをお受け取りください。

司会:
あなたの次の目標は何ですか?

アダム様:
次の目標は、もっと強くなって戻ってくることです。
来シーズンはもっと大きな挑戦をしたいし、プログラムの芸術性ももっと高めたいと思っています。

司会:
次はどんなスペクタクルショーが見れるのでしょうかね。

アダム様:
それはサプライズですね。

<フィギュアスケートはオリンピック競技でしたっけ?みたいな質問でしばし迷走>

おじいさん:
アダム、先ほど見た映像は17歳のころだったと思いますが、もっと前にさかのぼると4歳で(スケートを)始めて、兄や姉もスケートを習っていたとのことですね。
トゥールーズでの過去の映像を見てみましょう。

<子供のころのVTR。姉のヴァレリー、兄のベンジャミンとロニーも4歳でスケートを始めており、アダム様も同じ年齢で始めたが早い時期から良い成績をおさめたとのこと>

(世界選手権では)家族みんながモントリオールに集合したのですね。

アダム様:
はい、みんなが来てくれました。一人の兄(ロニー)はカナダに住んでいて、もう一人の兄(ベンジャミン)はオーストラリア在住です。
両親(ダニエルとパトリシア)と姉(ヴァレリー)はボルドーにいます。
全員が世界選手権のため集まってくれました。

司会:
ご家族もさぞかし熱狂されたことでしょう。彼らも逆転を信じていたのでしょうね。

アダム様:
うーん私と同様、家族もこんなにうまくいくとは思っていませんでした。

司会:
本当にそうですね。



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