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はじめの一歩

①レールから外れる
緊急事態宣言が出て、自粛生活の大半を家の自室で過ごしていた。そこではする事もなく基本的に携帯やパソコンでネットサーフィンやYouTube、ゲームをするだけの日々が続いた。しかし、この頃は言語聴覚士の学校に籍を置いていたこともあり、テストや成績の為にオンラインで開催されている授業に出席していた。
コロナ禍で対面での授業は出来ないという知らせを受けたのは学期開始の数日前の春休みだ。その頃は友達と大喜び。春休みが伸びた!ゲームしまくれるじゃん!そんな感情だった。一般的な大学生なら誰しもが嬉しかったのではないだろうか。しかし、ここでひとつ問題がある。この対応があまりにも遅すぎたという事だ。他の学校は何ヶ月か前に学期開始の順延を早々に決めていた。一応医療系の大学の為、コロナに負けずに授業しようぜ!みたいな熱血バカが居たのだろう。この頃は、『対応遅いなー。しっかりしろよ。』ぐらいにしか思っていなかった。私が学校や大人に不信感を始めたのはこの一件からだった。
次に感じた不満は学費問題だ。登校もしてないし、学校の備品を使う機会なんて全くなかった。なのに全く減らず、周りの大学が支援金を出し始めた事に合わせて、申し訳程度の10万円を渡してきた。ふざけんな。こっちは200万位払ってんだぞ?授業はPDFの資料だけの科目やZoomに類似したアプリを使う科目もあった。これが数百万の授業?笑っちゃうね。通信とやってる事変わらんじゃん。通信の学費年間いっても40万くらいだぞ?他にも色々あった。家にいる時間長かったし、人には会えないしで自分一人で考える時間が増えた。そこで辿り着いたのは、『この道で毎日朝から晩まで働いて、終わってから勉強。帰ってから書類まとめて次の日の準備。ゆっくりする時間なくね?てか、給料に全然見合ってないし(言語聴覚士の年収平均400万前後)。』しかし、この時点で学校を辞めるまでの勇気は無かったし、辞めて就活するのも面倒だなと考えているくらいだった。テスト間近で、やっぱこの世界じゃ駄目だと思い、大学中退という道を選んだ。私はレールから外れたのだ。
②ビジネスってなんだ?
時が少し流れて、10月くらい。このくらいのタイミングであの人に出会う。その日もただインスタを見ていた。高校、大学の友達元気かなとか、水着を着ている女の人の投稿を。ふとストーリーを開いてみると、なんだか美味しそうな話が転がっているじゃないか。それがポチ活だ。後々わかった事だが、これはアフィリエイトというらしい。そんなもの名前を聞いたことがある程度で、ビジネスの事も何も分からない。そもそも、ビジネスってなんぞや?。とにかく、このポチ活やってみたい。そこから、私はビジネスに興味を持ち始めたのだ。試しに、DMを送ってみる事にした。いや、結構行動力あったな。詐欺かもしれんのに。でも、とにかくビジネスについて知りたいという欲に駆られた。人間欲には勝てないのだ。
③出会いと再会
実際に会う約束を取り付け、恵比寿のウェスティンホテルで話をした。その人は井上と言う名前で、その前の予定がどうとかで遅れてきた。まあ、LINEでは謝罪してきたけど会ってから何も言われなかった。こいつほんとトップの人間なのかなとか思ってしまった。まあ、話してみるとプロバスケ選手の名前は出てくるし稼いでるって話とかFX?の画面とかも見せてきた。凄いですねとかしか言えない内容ばっかり話してきて、為になる事は特に無かった。その日は、深い話はせずお互いの話して、また会おうねってだけで終わった。脈なしの女とご飯行こうって誘った時の、空いてる日あとで送るね。の上等手段を見事にやられてた事に後々気付いた。あー、ここで終わりかな。モヤモヤした気持ちのまま帰路につく。数日して中学時代の同級生、マツケンが連絡してきた。まあ、ポチ活のストーリーもこの人が流してたんだけどね。『井上さんと話したんだ。じゃあ、俺がやってるビジネス一緒にやろうよ。』あらまあ、怪しい。でも、一応中学3年を同じ名前の学校で過ごした仲間ではあるので、話だけ聞いてみる事に。予定を決めて会う一週間前位。これからの人生大きく変わるかもしれない出来事がおきる。暫く消息が分からなかった、けまが連絡してきたのだ。ちょっと前に少し会ったんだけど、その時はほとんどけまの話は聞けずに別れた。『高校ぶりに2人で語る?』その時は、なんか最近どう?とか話すだけかと思っていた。会ってみると、けまが話す内容は私の知らない世界で、次々と訳の分からない単語が出てくる。こいつここ数年で何があったんだ。頭おかしくなったのか?最初はそう思っていた。15時集合で解散は日付が変わったくらいの頃。まじで濃かった。井上の話なんかより現実味があり、かなりリアル。けまについていきたい。そう感じた。そこで、次の週に会う予定の人間について話し合い、偵察込みで会いに行った。
④40万
服装はスーツ、訳分からん。渋谷集合で、2人の人を行ったり来たり。ANSという物について、聞かされたり、ビジネスについても少し教えて貰えた。これは良かった。社長の話は、けまの方が良くねとか思っていたが、聞いていくたびに話術で洗脳されてしまった。総額で1500万くらいするシステムが、40万で買える。そんな訳ねぇだろ。流石にそこには気づいた。
そして、次の予定を決める流れに。今日決めなくていいって言ったやん。とか思いつつ一応予定を立てた。いま、断ってるいるが大分粘られている。
これがビジネスの世界に繋がった経緯。多少かじった程度でまともな事なにも話せない。せめて、持論を展開できる様にならなくては。

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