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日本近代絵画

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#デザイン

ハニワと土偶の近代 /東京国立近代美術館

 東京国立博物館の特別展「はにわ」と合わせ鏡の関係になるのが、東京国立近代美術館の「ハニ…

京都の洋画 ―京都で描く・京都を描く― /京都市学校歴史博物館

 古都・京都はけっして保守的ではなく、先駆的な面が昔から多々みられたのだ——そういったこ…

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生誕140年記念 石崎光瑤

 美術館でときおり見かけて、ちょっぴり気になる存在だった石崎光瑤(こうよう  1884~1947…

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美と用の煌めき 東本願寺旧蔵とゆかりの品々 /大谷大学博物館

 洛中の人びとから、親しみをこめて「おひがしさん」と呼ばれる東本願寺。その旧蔵品とゆかり…

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巨匠たちの学び舎 日本画の名作はこうして生まれた /京都市京セラ美術館

 東京からの新幹線が京都へ到着するほんの十数秒前、真新しい建築群が右側を通り過ぎる。2023…

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空の発見 /渋谷区立松濤美術館

 首都圏で拝見し、書けずじまいになっている展示のなかに、まだ会期中のものがいくつか残って…

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生誕100年 白髪一雄展 「行為にこそ総てをかけて」:2/尼崎市総合文化センター

(承前)  具体美術協会への参加を機に、白髪一雄の作品は巨大化し、それに応じてロープにぶら下がって滑走して描く「フット・ペインティング」が確立された。構図や色彩感覚といったものを捨て去った無心の絵画が、ここに生まれた。  いずれも縦180✕幅270センチに及ぶ「水滸伝」シリーズなど大作・代表作に取り囲まれる一室は、本展のハイライトといえよう。豪傑の名を冠するにふさわしい衝動と爆発、暴力的とまでいえそうな強大な力の放散が、観る者をとらえる。  本展会場の可動壁や天井は、けっ

生誕100年 白髪一雄展 「行為にこそ総てをかけて」:1/尼崎市総合文化センター

 足を使ったアクション・ペインティングで、世界的に高い評価を受ける白髪一雄(1924〜2008)…

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出光佐三、美の交感 波山・放菴・ルオー /出光美術館

 今年の6月1日から7月7日まで開催されていた、長期休館前の一大シリーズ企画「出光美術館の軌…

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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション:3/東京国立近代美術館

(承前)  本展に《青い鳥》が出ているキュビスムの画家、ジャン・メッツァンジェ。  本人…

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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション:2/東京国立近代美術館

(承前)  本展に登場する「トリオ」は、全34組。つまり、34のテーマからなる。  ぱっと見…

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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション:1/東京国立近代美術館

 東京国立近代美術館、大阪中之島美術館、フランスのパリ市立近代美術館。  大都市の公立3館…

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村上華岳・山口薫・北大路魯山人展:3/何必館・京都現代美術館

(承前)   「何必館・京都現代美術館」の原点は、一枚の絵だった。  村上華岳《太子樹下禅…

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村上華岳・山口薫・北大路魯山人展:2/何必館・京都現代美術館

(承前)  村上華岳の部屋から、今度は階段でひとつ上の階へ。洋画家・山口薫(1907~68)の部屋である。  何必館の山口薫コレクションは、質・量ともに随一。この館の所蔵品を抜きにして、山口薫の回顧展は開けないほどで、出身県の群馬県立近代美術館がそれに次ぐ。  作品自体は全国の美術館に広く入っているものの、まとまった数となれば、この2館。山口薫に浸りたければ、京都か高崎かを目指すほかない。  何必館は、絶筆にして、おそらく最もよく知られた作品である《おぼろ月に輪舞する子供