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【類人猿のはなし】 オランウータンのロング・コール


頬っぺたの張り出したオスのオランウータンを「フランジオス」と呼び、強いオスの目印とされています。

フランジオスには大きなのど袋があり、ここで声を共鳴させて「ロング・コール」と呼ばれる雄叫びのような音を発します。
 
ロング・コールの目的は主に繁殖を目的とした周辺のメスに対するアピールと、付近にいる他のフランジオスに対するけん制になります。
 
フランジオスはメスやアンフランジのオスと出会っても友好的な姿勢を見せますが、フランジ同士が遭遇すると、時には殺し合いに発展するほど激しく争います。

なので、無用な衝突を避けるため、けん制の意味でロング・コールで自分の居所を伝えているのです。

そのため、ロング・コールを聞いたフランジオスがロング・コールで居場所を伝え返すという光景も見られます。
 
動物園のフランジオスもロング・コールを発することがありますが、飼育員さんがこれを無視してしまうと、フランジオスがプライドを傷つけられ
オスとしての自信を失ってしまうことが懸念されます。

そうした時は、飼育員さんは一時的に動きを止めて、ロング・コールが効いていることを表現するそうです。

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