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自作アナログゲームのβ版を作って、ユーザーインタビューをしてみた話

はじめに

みなさん、ごきげんよう。

だいぶ寒くなってきたが、風邪などひいていないだろうか。もう年の瀬であり、私も仕事納めが近い。いい感じに仕事をまとめて、リラックスした気分で年末年始を迎えたいものである。

さて、今回は以前より本アカウントで取り上げている、アナログゲーム開発に関連するトピックについて取り上げたい。以前、企画案の振り返り記事を書いてから、約2ヶ月程度経過した。

実は、その後も試行錯誤を重ねており、「一通りプレイできるβ版的なもの」まで、開発に漕ぎ着けることができた。

そして、そのβ版を利用して、「アナログゲームのテストプレイをする会」を開催してみた。(以下、「テストプレイ会」と呼ぶ。) そこで、テストプレイ会の振り返りをつらつらと書いてみることにする。

このテストプレイ会は、我々の中での課題意識に端を発する。

その課題意識とは「このアナログゲームは、果たして面白いのか又は面白くないのか?」という点である。

内輪で「面白い!」「イケる!!」と思った場合であっても、外部の人からすると全くもって面白くないアイデアなんぞ世の中に腐るほどある。プロダクトの質を上げていく為には、開発者ではない人々からのフィードバックがどうしても必要になってくる。

幸い、私(taro)の知人の中で、「しゃーない、テストプレイに協力してやるか」という徳の高い方々を見つけることができたので、いざテストプレイ会を開催することになった。

事前に準備したこと

とりあえず、テストプレイ会に協力してくれる方々の目処が立った段階で、事前に準備するべきものを洗い出した。

(補足:アナログゲームのテストプレイ会である為、どうしてもオフラインで実施する必要性があった。必然的に「感染症への対策」という点は大前提に計画を進めた。参加者は最小限に絞り、体調が万全でない参加者は参加させないポリシーの元で実施した。)

<主な準備事項>
- 参加者日程調整
- 会場予約
- ルールブック(β版) 製作・印刷
- アナログゲーム(β版) 印刷・裁断
- ヒアリングすべき事項の洗い出し・リストアップ
- 当日のタイムスケジュール策定
- 参加者への会場案内

リストに書き出すと、「楽勝じゃん」と思ってしまうくらいあっさりしているが、実は結構重いタスクが並んでいる。 

特に、ルールブックの製作は重かった...
開発チームだけで遊んでいる時は、そもそもゲームのコンテクストや知見が共有されているので、特段メモ帳に適当に書き出したルールブックでも遊べるのだが、外部の方に0から遊んでもらう場合には話が変わってくる。

ルールを体系化し、第三者が読んでも理解できるように文章を考え、ある程度UIを考慮したルールブックを準備する必要がある。よって、テストプレイ会2週間前から、私の余暇は全てルールブックに捧げられることになった。

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<↑実際のルールブックをキャプチャしたもの>

また、我々のアナログゲームは主にカードで構成されているのだが、カードのUIにも改善が加えられることになった。新たに印刷し直す必要が生じ、かつ裁断も行う必要があった為、当日の朝までバタバタであった。

ヒアリングに関しては、①先ずは参加者の率直な感想を聞いてから、(質問例:「もう一度、このゲームを遊んでみたいですか?」「ゲームを遊んでみて、どんなことを感じましたか?」) ②それらの感想を以下4つのトピックに分類しつつ、開発者と参加者が一緒に検討していくスタイルで進めることになった。

① 開発者が想定していた楽しさ
② 開発者が想定していなかった楽しさ
③ 開発者が想定していた課題
④ 開発者が想定していなかった課題

意外と重要な点だったのが、当日のタイムスケジュールである。
レンタルスペースを借りて実施したのだが、もちろん時間を決めて借りているし・参加者の時間も有限である。よって、予めタイムスケジュールを立てておく事が非常に重要だし、集中力をキープする為にも大事な要素だったように思う。

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<↑実際に準備したタイムスケジュール>

言語化できていなかった点及び課題だと認識していなかった点が、準備の段階で大量に洗い出されることになった。テストプレイ会の直前まで(それこそ当日の朝まで)、二人で議論を続けることになったが、ルールに関して疑義がない状態でテストプレイ会を迎えることができたのはグッドポイントだったように思う。

当日に関して〜まとめ

わちゃわちゃしながらも当日を迎えた我々は、当日朝にルールブックの印刷を行い、カードを印刷・裁断し、準備万端な状態でテストプレイ会を迎えることとなった。

テストプレイ自体は定刻である14:00に全員が集合し、特に大きな問題もなく進める事ができた。
(会場近くにて待機していたにも関わらず、会場への逆方向への道を突き進み、開発者が遅刻しそうになったアクシデントはあった。猛省。)

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参加者の方々からは、非常に有意義なフィードバックをいただくことができた。特に、我々が想定していた仮説を覆すような意見を出してもらったことには感謝しかない。

プレイ時間に関して「約30分くらいでゲームが完了するのが望ましく、それ以上時間が掛かる場合、ゲームの楽しさを損なう恐れがある」という仮説を持っていたのだが、「ゲーム自体が戦略を楽しむ事が主眼に置かれているので、プレイ時間は30分以上でも許容できるし、長い方が楽しめるかも」という意見をいただき、目から鱗であった。

今回は、開発者2名 + 外部の参加者2名でのテストプレイ会だったのだが、ゲームに没入しつつも、ルールを皆で一緒に検討していく雰囲気が存在しており、健全な議論を交わす事ができたと思う。

"テストプレイ"だからといって、ひたすらルールの粗を指摘したり、お互いに対するリスペクトを欠いた行動があった場合、心理的安全性を欠いた状態でフィードバックが行われることになってしまう。とてもじゃないが、ゲームが一皮剥けるような意見が出るとは思えない。

故に、開発者側は、テストプレイ会の目的に合わせて「場の雰囲気作り」にも気を配る必要があるように感じた。今回はkoboくんが主にファシリテートを担当してくれたのだが、彼がうまく場をまとめてくれたことに感謝しかない。

今回のテストプレイ会を通じて、ゲームをブラッシュアップする為の貴重なアイデアをゲットすることができたので、目下リリースに向けて開発を継続中である。また進捗次第、記事又はつぶやきを投稿したいと思うので、チェックしていただけると幸いである。ではでは。

(taro)

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