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農福連携に取り組むー作業委託を依頼するー

今回から少しテイストを変えてまとめていこうと思います。
基本は変わりませんが(笑)

こびと農園では農福連携に力を入れようと挑戦しておりますが
その背景や思いなどは以前の記事にまとめております。
実際に取り組むにはハード面、ソフト面でハードルが高いのですが
まずは挑戦してみようとできることから取り組んでいます。

偶然なる出会い

私は就農当初から農福連携に取り組みたいと周囲に話していたのですが
偶然、隣の商店会の方と知り合った際に
福祉作業所で作業がなくて困っている事業所が数多くあり
日中活動ができる場所を探していることを知りました。

その方からの紹介で、社会福祉法人さんと繋いでいただきお話しすることになりました。
担当の方が農業に興味を持たれていたこともあったのですが
日中活動といえば、空き缶をつぶしたり、公園のゴミ拾いなどパターンが決まっており
もう少し活動の場を広げていきたいというご意向がありました。
場所も近く、歩いてこれる距離であったため送迎の心配もありませんでした。

畑作業もお願いしたい希望があったのですが
手洗い場やお手洗いが畑内にはなく、また露地のみのため天候に左右されやすいことを懸念し
まずは、袋詰めの作業をお願いすることにしました。

事業所に委託品を持ち込んで完了した状態で納品いただくか
直接作業場まで来ていただいて作業をしていただくかのパターンが選べるのですが
生鮮品であり温度差をなるべくなくしたいことや
受け取りのタイミングが難しいため
作業場まで来ていただいて作業をしていただくことにしました。

小さいながらも作業場を用意しておいてよかったと思います。
大勢は入れないのですが
手洗い場もお手洗いもありますし、段差も少なく土埃にまみれての作業場ではないため
少しでも快適に作業ができるかと思います。


実際にどうやって作業を依頼するのか

始めは週に一度、1時間から作業をスタートしました。
利用者1~2名+職員の体制です。
まずは畑で採れた野菜の袋詰めからお願いをしました。

作業委託者は直接利用者に指導することは原則NGのため
必ず補助の職員に説明し注意事項をお伝えします。
職員から利用者に説明し、補助を受けながら作業をする
というのが一般的な流れです。
直してほしいことがあれば、職員にお伝えし直してもらいます。

複雑な作業は難しいため作業を細分化し分解します。
例えばミニトマトをパックしてもらいたいときは
①ミニトマトが出荷できるものか選別(腐り、変形果は外す)
②パックをはかり乗せて風袋ゼロに合わせる
③ミニトマトをパックに入れる
④決められた重量の範囲までトマトを入れる(+10gまでは多めにみます)
⑤ふたをしめる
⑥出来上がった数を数える

普段作業するときに無意識で行っている作業も工程がいくつかに分かれます。
この中で、委託できる作業はどこまでなのか
利用者さんによっても得意不得意があるため職員さんに相談しながら
また作業の様子を伺いながら決めていきます。

この工程の中でいうと、①選別はかなり高度な技術のため
始めのうちは委託者側で選別しておくとよいでしょう。
花柄を取るなど細かい作業も済ませておくとスムーズです。
判断ができる利用者さんであればお願いしてもいいと思います。

②~⑤までの工程はできる方であればお願いしてみましょう。
はかりのメモリが読めない方もいます。(特にデジタルの場合)
その場合は職員さんにフォローに入っていただきミニトマトをパックに入れる作業までをお願いします。

⑥数を数えるは苦手な方も多くいるので、職員さんにお願いのがベストかもしれません。

職員さんも軽作業が初めての方が多くいるため
慣れるまでに時間がかかる場合もあります。
簡単な作業からお願いし、慣れてきたら徐々に複雑な作業や高度な作業をお願いしてみるといいと思います。



次回は障害特性に応じた考え方、工賃はどうやって決めたのか
お話ししていきます。


つづく