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【広報紙ながた10月号+α】スポーツの楽しさをより多くの人に知ってもらいたい~地域に根ざしたスポーツ活動

神戸市スポーツ推進委員協議会長田区連絡会の会長として、区内のスポーツ推進のための活動に取り組んでいる神森 美佐代さんにお話しをお伺いしました。
神森さんは、子どものころから体を動かすことが好きで、ご自身も中学生になってからずっと陸上を続けてこられました。ご自身の経験から、スポーツは体だけでなく心の健康にも非常に効果があると実感されてきたそうです。より多くの人にスポーツの楽しさを知ってもらうために取り組んでいる地域に根ざした活動についてお話ししてくださいました。

長田区の神戸市スポーツ推進委員として

-記者-
神戸市スポーツ推進委員という名前を聞いたことがない人も少なくないと思います。
どのような人たちなのでしょうか?

-神森さん-
神戸市スポーツ推進委員とは、神戸市長からの委嘱を受け、市民のスポーツの推進について各区で活動を行っています。
現在、長田区には約20名のスポーツ推進委員がおり、それぞれが陸上、サッカー、卓球、バドミントン、バレーボール、健康体操、水泳などの専門分野で活動しています。長田区のスポーツ推進委員は多世代にわたっていますが、みんなスポーツが好きで、長田区のスポーツ活動を盛り上げるため、区民の皆さんにどうすればスポーツを楽しんでもらえるかということを考えながら楽しく活動しています。このメンバーに出会えたことは私にとってとても大きな財産になっています。

-記者-
スポーツ推進委員の皆さんは、具体的にどのような活動をされているのでしょうか?

-神森さん-
市や区主催の各種スポーツ大会やイベントの運営をお手伝いしています。
特に長田区では、子どもから高齢者まで誰でも参加して楽しめるニュースポーツの普及に力を入れています。
この8月にも「囲碁ボール」(人工芝のマットの上でボールを木製スティックで打ち、五目並べのように並べる競技)、「ボッチャ」(目標となる白いボールに、赤・青それぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競う競技)、「卓球バレー」(卓球台をコートに6人制バレーボールのルールを基に椅子に座ったままおこなう競技)など5種類のニュースポーツが体験できるブースを設け、多くの皆さんに楽しんでいただきました。


囲碁ボール
ボッチャ

-記者-
ボッチャや卓球バレーなどの、パラスポーツが体験できるのも良いですね。

-神森さん-
私たちスポーツ推進委員は区と一緒に企画を検討し、準備を進め、当日は各ブースの受付や実技の指導など運営に携わりました。
当日だけのサポートではなく、定期的に会議を行い、企画や準備などにおいても中心となって運営に関わるため、もちろん大変な面もありますが、区民や市民の皆さんにスポーツの魅力や体を動かすことの楽しさを伝えることができる素晴らしい役割を担っています。興味のある方は是非、長田区役所地域協働課に連絡いただけると嬉しいです。

長田フェスティバルでスポーツ推進委員が担当する子どもの遊びコーナー(輪投げ準備中)

長田区で走ることの楽しさを広めたい

-神森さん-
11月25日には「長田区エンジョイランニング大会」が開催されます。もちろん、私たちスポーツ推進委員も運営に携わっています。
もともと長田区はあまり陸上競技が盛んではなく、他区ではランニング大会が開催されているのに、長田区にはそのような行事がありませんでした。そこで、区職員の方から相談を受け、2015年のランニング大会の立ち上げに関わらせてもらいました。
最初は種目が小学1~3年生の親子ペアランニングのみでしたが、年々参加者が増え、今では小学1、2年生の親子ペアランニングのほか、3~6年生の学年別・男女別のレースもあります。

親子ペアランニング
学年別のレース

-記者-
長田区では柔道や卓球が盛んですが、陸上競技が盛んでないのはなぜでしょうか?

-神森さん-
陸上競技は、短距離・長距離だけでなく、ハードル、砲丸投げ、走高跳、走幅跳、やり投げなど各種種目があり、これらを練習するために広い土地と複数の指導者が必要です。長田区に限らず都市部の学校では陸上競技に必要な広いグラウンドが確保できないという事情もあると思います。

-記者-
なるほど。
神森さんはスポーツ推進委員としての活動だけでなく、ご自身でも「しんしんスポーツ・KOBE」を運営されて、子どもたちを対象とした陸上教室を神戸市内を中心に実施されていますね。

-神森さん-
はい。
走ることは、どんなスポーツにおいても必要となる基本的な動作です。靴さえあれば参加できるので、走ることの楽しさを広めていきたいと思っています。
中学・高校の非常勤講師をしていた時、本来なら小さな怪我で済むはずが、自分の身体をうまくかばえず骨折してしまったり、運動が苦手で体育の授業が辛そうな学生がとても多いことに驚きました。彼ら、彼女らが低年齢期にもう少し運動の楽しさを感じたり運動の基礎力を身につけていれば改善できたこともあるのではと思い、「運動は苦手だけど、好きになりたい、ちょっと頑張ってみたい」と思っている児童たちに、まず身体を動かすこと、走ることの楽しさを知ってもらおうと教室を始めました。

-記者-
西代蓮池公園での陸上クラブには多くの子どもたちが参加していると聞いています。

-神森さん-
長田区の小学生を対象としたはすいけ陸上クラブは、神戸総合型地域スポーツクラブのひとつとして運営しており、現在約50名の子どもたちが在籍しています。誰でも気軽に参加できるよう、登録さえしていれば、各自が都合いい日だけ参加するというシステムです。(200円/回)
また、子どもたちの付き添いで来られる保護者数名にも運営に協力いただいています。

-記者-
保護者の皆さんが協力してくださるのは嬉しいですね。

-神森さん-
そうなんです。
子どもたちの付き添いで来られたお父さん、お母さんが、保護者スタッフとして受付や見守り、準備から後片付けまでサポートしてくださるので安心して活動できます。なかには指導者資格を取得し、クラブ運営の中心となって取り組んでいただける方もでてきました。
このように、機会があればスポーツに関わってみたいと思っている人は結構いらっしゃると思います。
そういう人たちを巻き込みながらネットワークをつくり、みんなでスポーツの楽しさを伝えていく取組みを広げていきたいと思っています。

-記者-
確かに、スポーツをやったことがない人でも興味を持っている人は意外といるような気がします。

-神森さん-
自分の住んでいる地域で気軽にスポーツができる機会があるというのはとても大切です。
設備の整った環境でさまざまなスポーツを楽しむにはそれなりに費用もかかりますが、経済格差や地域事情によるスポーツ人口の偏りをできるだけなくすためにも、運営側と参加者がお互いに理解し協力し合って、子どもたちはもちろん地域住民が気軽にスポーツを楽しめる方法を模索しながら、これからも地域に根ざしたスポーツ活動の普及に取り組んでいきたいと思っています。

情報の発信の大切さ

-記者-
これから学校の部活動が地域へ移行されると聞いています。地域でのスポーツ活動がますます重要になってくるのでしょうね。

-神森さん-
そうですね。
あわせてどこにいけばスポーツができるのかという情報発信も大切だと感じています。
行政・地域団体・民間企業それぞれがいろいろなスポーツ行事を実施したり、スポーツクラブを運営しています。それぞれのwebサイトはあっても、それらの情報が集まったサイトはありません。また、webサイトも持たない団体もたくさんあり、実はすぐそばにスポーツができる場所があっても見つけることができなかったりします。
そこで、次の取組みとして、行政・地域団体・民間企業の垣根を超え、それらスポーツ行事、スポーツクラブの情報を地域に絞ってまとめ、総合的に知ることができるwebサイトを作っていくことも考えています。


神森さんはご自身の経験を通じて体を動かすことの大切さを実感され、「自分が住んでいる地域で誰もが気軽にスポーツができる環境をつくりたい」という思いのもと、地域に根ざしたスポーツ活動の普及に長年取り組んでこられました。
その変わることのない姿勢を見て、神森さんの周りには自然と人が集まり、同じスポーツを愛する人たちのネットワークが広がっています。
これからはスポーツクラブの情報発信など新しい取組みにも挑戦され、神森さんの活躍は長田区にとどまらずまだまだ広がり続けそうです。