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〈そばめし〉第3回 新長田一番街といえば「新長田一貫楼の豚まん」

木村繫一さんは、お父さんが長田区神楽町にある吉田ピーナッツの商品を販売していたお店を継ぎ、平成元年に「お菓子のデパート」のフランチャイズ店として「お菓子のデパート遠州屋」をオープンさせました。毎朝8時にお店へ到着し、納品と品出しが一段落した後は16時半までは何をやろうと自由なんだそう。「みんなから羨ましがられるんやけどね」、と悪戯っぽくニヤリ。

そして、木村さんには遠州屋の店主だけでなく、新長田一番街商店街振興組合の理事長としての一面も。日曜の晩には鉄人広場や商店街の掃除をします。「誰にも知られずって逆にかっこいいかなって。誰でもできることを誰も真似が出来ないぐらい続けることをモットーに生きているという感じです。」

商店街を愛する木村さんの一番のごちそうは、遠州屋のお向かいにある「新長田一貫楼の豚まん」です。店主とそのお母さまが手際よく生地をこねて餡を詰め、美味しい豚まんが出来ていく様子がガラス越しにみえます。神戸の数ある豚まんの中から新長田一貫楼を選んだ理由を尋ねると・・・「商店街が出来たときからあるので、一番街といえば一貫楼という感じが染みついていて。甘すぎない生地と具の感じが何とも言えない。最高ですね。」と語る言葉には老舗への敬意を感じます。

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