見出し画像

【広報紙ながた12月号+α】自分たちの住む街をよりよくしたい~地域の方の一番身近な存在へ


民生委員・児童委員、主任児童委員は日々地域の方々が安心して生活できるように、高齢者世帯への見守り訪問や親子の交流を深める場の提供などを行っています。
地域の人々にとって身近に頼れる存在として日々活動しておられる、民生委員・児童委員、主任児童委員。その活動について、長田区民生委員児童委員協議会の会長である中田 裕康さんは「大切なのはこちらから地域の人に身内のように接していくこと。そうすることで相手側からも身内のように接していただける。」とおっしゃいます。また、長田区主任児童委員連絡会の会長である神保 紀子さんは「私たちの役割は、地域の人と顔見知りになり、頼れる存在になること。」とおっしゃいます。
今回はそんなお二人に民生委員・児童委員、主任児童委員としての普段の活動についてお話を伺いました。

地域の方の頼れる存在に

-記者-
中田さん、神保さんはどういったきっかけで民生委員・児童委員、主任児童委員の活動を始められたのでしょうか。

-中田さん-
もともと私の父親が民生委員・児童委員をやっていて、私はその手伝いをしていました。ある時父親の後を誰がやるのかという話になりまして。民生委員・児童委員は個人情報を扱いますので、第三者に任せるよりは手伝いもしていて身内である私がいいだろうということになり、活動を始めました。

-神保さん-
正直に言うと断れなかったのが理由です。知り合いの方から声をかけていただいて、子どものことならわかるかもと、主任児童委員の活動を始めました。

-記者-
お二人はどのような活動をしておられて、どのように地域の人と関わっているのでしょうか。

-中田さん-
民生委員・児童委員は主に一人暮らしの高齢者や子育て世代の見回りを行っています。
活動を始めた頃は1人で100名ほど見回りを行っていたのですが、時間が押してでも話を聞くことを心がけていました。そうするとだんだんと時間が押してしまい、最後に見回る人のお家に到着する頃には、予定していた時間を大幅に過ぎてしまうこともあります。しかし後の人に遅れた事情を話すと、この人は話をしっかり聞いてくれる人だから何でも話してみようって思ってもらえます。
そういうことの積み重ねが、地域の人から信頼される要因の一つだと思います。

-神保さん-
主任児童委員は子育て世代のお家の見守りや地域内の小中学校の見守り、子育て世代向けの様々なイベントの開催などを行っています。
その中で中田さんもおっしゃられたように、何でも話してみようと思われることが大事だと思います。そのためにはまず顔見知りになることが必要なので、「お元気ですか。こんな私が訪ねてきてもいい?」というように見守りを行ってきました。

-中田さん-
見守りに行くと最初は「来んでええわ」って言われるときもあります。でも2、3年通うと「また来よった」とは言うものの、「風邪ひいてしまって何も食べれてないねん、ちょっと助けてくれ」って言ってくれるようになるんです。根気強く会いに行くことが大事ですね。

-記者-
身近に親身になって話を聞いてもらえる方がいるのは、地域の人にとってとても心強いと思いますし、地域間や家族間のつながりが薄くなってきている中で、民生委員・児童委員や主任児童委員の重要性は増すばかりだと感じますね。


真野地区ふれあい給食
あおぞらひろば

地域のつながりを生み出す

-中田さん-
最近は一人暮らしの高齢者の方が増えてきて、見回りもその方々が中心です。
一人暮らしの高齢者は、誰かと話したい、誰かに気にかけてほしいというような想いを持っている人が多い印象です。また、家族と疎遠になっている方も多く、身近に頼れる人がいない方が多いように思います。

-神保さん-
主任児童委員の場合は直接地域の方とお話しをしない場合もあります。虐待が疑われたり、夜に母親が帰っていない恐れがあるなどの報告を民生委員・児童委員から受けた場合には、カーテン越しにお家を調査したり、実際に虐待が確認された場合には、児童相談所に報告することもあります。
実際に自分が児童相談所に連絡したせいで、兄弟が離れ離れになってしまったと思い、しんどい思いをすることもあります。しかしいつかこの選択が正しかったと思う日がくると主任児童委員同士で話をしながら日々活動しています。
主任児童委員はその他にも様々な活動をしており、子育てサークル活動、児童館活動に協力、地域内の小中学校の見守り、区の乳児健診のお手伝い、バルーンアートで区内のイベントに参加するなどの活動もしています。


バルーンアート

-記者-
地域の人が頼れる場所を作るということが、民生委員・児童委員、主任児童委員の活動の意義につながる部分なのかもしれないですね。

-中田さん-
そうですね。
民生委員・児童委員としては24時間365日活動しているような感じです。23時に電話がかかってくることもあります。相談だけでなく、お願いをされることも多いのですが、その際に心掛けていることがあります。それは言うことをそのまま聞くのではなく、自立を促していくということです。
例えば、「こういうことがあったんだけどどうにかしてほしい。」というお願いに対して、私自身が対処するのではなく、対処の方法や相談先を教えて、後は自分の手で解決してもらうようにするようにしています。
民生委員・児童委員として地域の人と関わりを持つようになると、地域の事情を知ることができるため、私も一人の住民として住みやすくなります。
私自身、人のために活動することにやりがいを感じていますし、人のためにやっていることが、結局は自分のためになることも結構多いんです。

-神保さん-
主任児童委員は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるころから携わるので、子どもの成長を見守れることにやりがいを感じています。
様々なイベントを行っていますが、主任児童委員だけで実施しているのではなく、ふれあいのまちづくり協議会や自治会などの地域団体と協力しながら実施しています。
そういった活動を通じて、私たちと子育て世代の方々だけでなく、地域団体と子育て世代の方々や、子育て世代の方々同士も顔見知りになってもらい、互いに相談し、時には励ましあう関係になっていただければいいなと思っています。

今後に向けて

-記者-
お二人ともそういった想いを持って、活動に取り組んでおられるのですね。
お二人は会長として活動されているわけですが、活動をされていて課題に感じていることなどはありますか。

-中田さん-
やはり担い手不足が課題ですね。
自分の住んでいる地域をよくしたいと思っている人がいても定年退職して、外郭団体に行ってしまう人もいますし、地域のつながりが薄くなっているのも原因の一つかもしれません。
さらに今は自分の親にも親身に接する人が少なくなってきている中で、民生委員・児童委員のように他人に親身に接しようと思う人は非常に少ないと思います。
以前も介護士やお医者さんなど病院関係者が出席する会議に参加し、若い人たちに「お父さんやお母さんに連絡したり、安否確認している人はいるか」と聞いたけれど、だれも連絡や安否確認をしている人がいなかったんです。
今の若い人が、自分の親に電話の一本でも入れてくれるだけで、親にとってはうれしいだろうし、気にしてくれているんだなと実感できると思います。
担い手に必要な条件は、人のために何かしてあげたい気持ちがあり、自分の住んでいる地域を良くしたいと思っている方で、やり方は自分なりの地域との関わり方で大丈夫です。
私たちと一緒に地域を支える存在になりませんか。


真陽地区クリスマス会

-神保さん-
電話の一本は大切ですね。
いきなり民生委員・児童委員や主任児童委員となると気が引ける方もおられると思います。そういった方もまずは支援員から始めていただいてもいいのかなと思います。
近所にいる、お節介なおばちゃん、おじちゃんが主任児童委員です。
私たちと一緒に子育てで悩んだ方に寄り添ったり一緒に笑ってくださる方、遊んでくださる方お待ちしています。子どもたちの笑顔に癒されている私たちです。


クリスマス時期のカンガルー広場