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神戸・長田区生き残り戦略ワークショップレポート4

神戸市の長田区役所で学生アルバイトをしているC.Nです。
私がこの2週間であったよかったことは、高校の友達4人とホテルを借りて、ご飯を食べたことです。友達の1人が神戸を離れるので、その送別会もかねて会いました。緊急事態宣言や大学の授業とか色々被って、数時間しか会うことができなかったですが、ホテルでウーバーイーツを頼んで、久しぶりにたくさん話せたのでとても楽しかったです。


「第4回長田区生き残り戦略ワークショップ」開催


9月30日(木)、今回も長田区役所で「第4回長田区生き残り戦略ワークショップ」を開催しました。参加者は、前回に引き続き「長田に貢献したい」「地域の人と話したい」という意欲を持つ長田区役所と新長田合同庁舎の職員10名です。
最終回となる4回目は、前回つくったジャーニーマップをもとに広報戦略の立案をしていきました。最終発表には、長田区長と部長2名も出席します。

チェックイン


事務局を含め雑談
今回も前回と同様、事務局を含め「この2週間でよかったなぁと思った体験」を発表しました。食べログ4.3の評価のケーキ屋のケーキをコンプリート出来た話や、新しく靴・スーツを買った話などが出てきました。

お菓子
今回は「よかよかくらぶ」という長田にある障がい福祉サービス事業所で作られたタルトが出されました。
毎回出されるお菓子を職員の方は楽しみにしているそうです。

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よかよかくらぶサイト https://yokayokaclub.atsumaro.co.jp/

広報戦略&施策の検討


前回は第2回でつくったペルソナをもとにジャーニーマップを作っていきました。ジャーニーマップとは、ペルソナの体験について時間軸に沿って行動や感情の変化を描いた表のことです。第4回ではそのジャーニーマップから広報戦略・施策の検討をしていきます。

① 各自でタッチポイントを探し、広報手段を想定する
ペルソナの行動の中からタッチポイント(顧客接点。今回の場合は、長田との接点を作り出せそうなポイント)を探し、広報手段を想定して、各自付箋に書いていきました。
例えば、「電車内で考え事をする」ペルソナに対して、「電車・バスの広告で長田のPRをする」というようなものです。ポイントは、それぞれの行動について、半ば強引にでも広報手段のアイデアを考えていくことです。

② グループ内でメモを説明しアイデア欄に貼り付ける
各自で書いた付箋をグループ内で説明し、模造紙に貼っていきました。

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③ ベスト3を選んでフォーマットにまとめる
まず、アイデアの中からベスト3を選びました。そして、「タイトル」、「時期・タイミング(タッチポイント)」、「どうなってほしいか(効果)」、「なぜ」、「どこで」、「何を・どうやって」という項目に沿って、選んだアイデアを膨らませたり、整理したりしていきました。

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④ 発表
広報戦略・施策について発表しました。
各グループで出た案は下の写真です。

Aグループ

Aグループ1

Aグループ2

Aグループ3

Aグループはペルソナの「休日にホームセンターに行って野菜の種を買う」というところから、「パクチーの聖地長田」という案が出ました。パクチーの種の袋にQRコードがあり、そこにアクセスすると、長田でパクチーを育てている映像が流れます。また長田はベトナム料理のお店が多いので、実際にベトナム料理店を訪れてもらうきっかけを作ります。
そのほか、SNSより信ぴょう性の高い、フリーペーパーを使って大阪市内の喫茶店を訪れた人に長田の喫茶文化を宣伝する「長田のサブスク作戦」や、そばめしのおにぎりのパッケージに長田の小ネタを書き長田でそばめしを食べたくなってもらう「あなたのそばに、そばめし」という案が出ました。

Bグループ

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Bグループ1

Bグループ2

Bグループの「ナガタクノーゼー 」は、ペルソナが楽天・Amazonなどのネットショッピングをするので、そのついでにふるさと納税の情報を調べるのではないかということで、ふるさと納税をした人に「長田を体験」してもらうというアイデアです。具体的に、長田は空き家がとても多いのでリノベーションした家に泊まってもらい、飲食店・銭湯で使えるチケットの配布、お土産に長田区発祥のビーチサンダルを持って帰ってもらうというプランです。
ほかにも生活している様子をSNSで発信するという条件で、古民家に1年間無料で住むことができる「家賃無料にひかれて住んじゃった私20××」「ナガターン」という案が出ました。

Cグループ

Cグループ3

Cグループ2

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Cグループは、ペルソナの「Facebookを使って同窓生と情報交換する」というところから「長田で同窓会応援プロジェクト」という案が出ていました。このペルソナは、学生時代は神戸で暮らし、就職を機に東京に移住された人です。このペルソナのほかにも東京には長田区出身者がいるはずなので、その人たちを長田に呼んで飲食(同窓会)をしようというものです。飲食で使えるクーポンは行政が発行します。長田区の現状を知って認識をアップデートしてもらいたいという想いが込められています。
ほかにも、長田の現在を知ってもらうためにほかの地域とコラボして相互広報を行う「行政区 広報コラボ」、空き家物件のリフォーム過程をユーチューブで配信するというような案が出ました。

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⑤ 投票
それぞれのグループの発表を聞いて、いいなと思ったものに投票していきました。赤い丸シールが1人2枚配られ、同じものにシールを2枚貼ってはいけないルールで、各グループのところを回りながら投票していました。

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これは、どのアイデアが最も優れていたかを決めるための作業ではなく、1つ1つのアイデアを意識して吟味することを目的としたワークでした。とは言え、シールの多く付いたCグループはやっぱり嬉しそうな様子です。
区長や部長も一緒に各グループのアイデアを囲み、「これは面白いね」「こうしたらもっと広まるかも!」と話しながら参加者と盛り上がっていました。

区長の講評

最終発表に対する区長から講評がありました。
グループの色がそれぞれ出て非常によかった。
・個人的にはパクチーが好きなのでAグループの案が刺さった(笑)
・4回だけのワークショップであまり深く議論ができないのは仕方がないことだが、もう少し掘り下げていくと魅力がより深く感じるし面白かったように思う。
・ただ今回は時間が限られていたので十分。
これをきっかけに長田の町をもっともっと深く知ってほしい。
・みなさんが楽しんで取り組めたことが一番良かった。

振り返り&チェックアウト


いつも通り、ワークショップで気づいたこと、学んだことなどを個人でまとめました。
今回は最終回ということで、このワークショップを振り返っての感想をグループごとではなく全体で発表しました。いくつかの感想を紹介します。
・今回のワークショップでペルソナの作成等順を追っていくとアイデアがどんどん沸いてきて驚いた。
・ワークショップに参加してさらに長田のことが好きになった。
・市民へのインタビューなど、長田のことをじっくり考える様々な経験をすることができた。
・個人的に真面目すぎて面白くないかなと思っていた案が、思いのほか区長はじめ何人かの間で話題にしてもらえた。
・全員の案にシールがついて嬉しかった。
・それぞれの意見を合わせると面白いものになると感じた。
・自分が知らない長田があり、共有することでより深い広報戦略につながるということに気づいた。

2か月にわたったワークショップも今回が最終回ということで、終わった後もみなさん名残惜しく、最後に全員で記念撮影もしました。
ふと外を見ると、窓からの夕日がきれいだったのが印象的でした。

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後日、ワークショップに参加した各グループの代表者3名で座談会をしました。その内容については次に書きたいと思います。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。