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「座談会」~長田区生き残り戦略ワークショップを終えて~

7月から長田区役所で学生アルバイトとしてお世話になっているC.Nです。
今回は4回開催された「長田区生き残り戦略ワークショップ」を終えて、各グループの代表者が集まって座談会を開きました。

この座談会の感想として、どのグループもスムーズに進んでいる印象だったので、全員の意見をまとめるのが大変だというような不安があったことに少しびっくりしました。
座談会は和気あいあいとした雰囲気だったのでよかったです。

座談会出席者の紹介
ジョウ(以下、「J」):(長田区まちづくり課)
Iさん:Aグループ代表(長田区保険年金医療課)
Sさん:Bグループ代表(長田区こども家庭支援課)
Hさん:Cグループ代表(長田区生活支援課)
N:C.N

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J:ワークショップになぜ参加しようと思いましたか?
I:普段は窓口で対応していることが多く、ワークショップに参加するようなことはゼロ。新しいチャンスかなと思い参加しました。職員同士で対等に話す機会が少なかったのもありましたね。所属の課長からも声かけしてもらい、参加を決めました。毎回終わった後に課長にワークショップの内容を報告していて、職場内でのコミュニケーションにもつながっていました。

H:回覧か何かで見て、一瞬「参加しようかな」と思ったんですが、自分から立候補するのもどうかなと思ってそのままにしていました。「意識高い人が参加するのかな」と思っていたし、長田愛が強いとかワークショップが好きと思われたくなかった(笑)。そこに元上司の係長から呼びかけがあり、所属の課長からも声掛けがあって参加することにしました。

S:所属の課長から「行ったら?」と声掛けしてもらいました。私も「自分から行くのはちょっと…」と思っていたので、内心「やったー!」と思って参加することにしました。元々仕事以外にも面白いことがあれば行きたいタイプで、広報系の仕事にも興味がありました。

J:今までこのような形式のワークショップに参加したことはありますか?
S:ワークショップの参加は初めて。研修ではやったと思います。

H:研修でペルソナについて聞いたことはありました。経験年数が浅いのでワークショップはあまり経験がないです。

I:2年前くらいに神戸市職員クレド策定の時にアイデアソンに参加したことがありました。その後に入った神戸市職員クレド策定に向けた検討チームでワークショップを5~6回やった記憶があり、ワークショップは「懐かしいなー」という感じでした。

J:ワークショップが始まる前はどんなことをするイメージでしたか?
H:ワークショップというよりも「長田生き残り」「広報」というキーワードが気になっていたので、ワークショップ自体に対するイメージはあまり湧いていませんでした。

I:長田区職員有志の街歩きの企画に参加したことがある関係で、「どうもそういうのがあるようだ」と聞きました。「ペルソナ」「ジャーニーマップ」などの用語を知らなかったのでググってみた覚えがあります。

S:長田の良い所を探す場なのかと思っていました。始まってみたら難しい用語がたくさん出てきたので「思っていたのと違った!」と感じました。

N:「長田区生き残り戦略ワークショップ」という名前もよく分からず、ワークショップについてもよく分からず、一体何をするのだろうというイメージでした。

J:1回目のワークショップでは顔合わせやチームビルディング、全体のワークショップの趣旨を説明する時間が多かったですが、印象に残っていることは?
H:ワークショップというと話し合いや軽い会議のイメージだったので、「研修に近いな」という印象がありました。区長や部長が来ていたので圧がすごかった(笑)

I:重役が来ていたのは確かに緊張しました(笑)。インタビューの宿題が出たので、これは業務量が多いなと思いました。自分の業務とどれだけ両立できるかなとちょっと心配になりましたが、結果的にはそこまで個人的に負担感はなかったです。

S:「西さん(*)、すごい人だ!意識高いな!」と思ってしまいました。とにかく理解が追い付かなかった…。ペルソナとか検索してみたけれど分からなさ過ぎて、「ペルソナがよく使われる商品開発と、行政とでどう結びつくのだろう?」と思いました。
(*)ファシリテーターを務めて頂いた神戸市職員。

J:2回目では主にペルソナの作成を行いましたが、印象に残っていることは?
I:2回目と3回目の間でペルソナの物語をつくる宿題が出て、Aグループではチャットグループを作り文字でやりとりしていましたが、意見がバラバラでどう収斂させていくのかが不安でした。

S:インタビューを読んで、みんなすごすぎてへこみました。すごい人が多かったですよね?ペルソナを作るときに長田に来た後の人を想定していたので、方向転換が大変でした。作業をやりはじめてから段々分かるようになってきました。

H:インタビューの時、地域のプレイヤーの方とのつながりが深い業務をしているメンバーがグループにいたのでまちの人とつながりが得られたのですが、他のグループは大変だろうなと思いました。また、インタビューした人の印象が強すぎてそっちに引っ張られすぎてしまいました。もう1人くらい聞けていたらバランスが取れていたかも。

I:事務局が事前に作成していたインタビューシートにも、自分たちでインタビューした本人にも寄りすぎないようにしようと言っていたんですが、結果的には寄ってしまっていました。

S:確かに。今思ったら直接お話を聴いた人に寄っていましたね。願望も入ってしまっていたなと思います。

I:インタビューは、前田彰さんの家にお邪魔できたことでアットホームな雰囲気ですごく色々なお話が聞くことができました。インタビューの手ごたえがあった分、ペルソナが引っ張られてしまったなぁと思います。

S:インタビューは「お姉さんのお話を聴かせてもらう時間」という感じでした。人の人生の話をじっくり聞くことはあまりないので面白かったです。改めて周りの人の話を聴いても面白いかも。

J:インタビューの時に意識した工夫は?
H:順番どおりやるより、会話の中で相手の情報を聞き取るようにしました。インタビューシートの項目(*)が多かったけれど、長すぎると相手にも迷惑がかかってしまうので両立が難しかったです。1時間半くらいかかったかなぁ。
(*)30程度の項目を事務局で列挙していました。

S:同じく、順番どおりにやらないようにしました。

I:同じように項目ごとではなく、日常会話から項目の内容を拾えるようにしました。

J:3回目ではグループで設定したペルソナがしそうな行動を洗い出していきましたが、印象に残っていることは?
S:楽しかった記憶があります!架空の人物の日常を考えるのは、脚本を考えるようでとても楽しかったです。

I:楽しかったけど、僕の中ではいちばんハードルが高かった回でした。2回目と3回目の間に宿題になっていたペルソナの物語について4人の思いがバラバラで…。会わずにチャットでやっていたのもあり、「意見がまとまるのかな?」と難しさを感じました。

H:3回目は参加できなかったのですが、事前の宿題の時点で一度集まりました。その時に2時間くらいみっちり話して、ペルソナシートを仕上げて認識を合わせました。そのおかげで、欠席している間に出来上がったジャーニーマップを見たときも違和感が無く、すごくしっくり来ましたね。

J:4回目ではペルソナの行動から長田との接点を探り、具体的な広報手段を検討していきましたが、印象に残っていることは?
I:わちゃわちゃしながらもまとめきれました。4回目は結構スムーズにできたと思います。質問に対する答えをもっと深く用意しておきたかったのですが、そこまでには時間が足りなかったです。もう少しやれば出来たのかなぁ。

H:時間があと10~15分もらえていれば発表の準備をまとめられていたな、と思いました。案自体は良いものが出せたと思うので満足。良いものが出せたのは、3回目のジャーニーマップの時点でところどころにタッチポイントになりうるものを入れてくれていたことが要因だと思います。あの場で戦略案を出すのは結構難しかったです。

S:ジャーニーマップの付箋がぐちゃぐちゃすぎて(笑)。もっと整えてからやればよかったです。始めはSNSのアイデアに寄ってしまっていたけれど、アドバイスをもらいながらアイデアが広まっていきました。最初に西さんが「とりあえずなんでもOK」と言ってくれたので、「なんでも出そう!」と気軽に出せるようになりました。実は4回目のワークショップの前にグループでウェブ会議をして考えていたアイデアがあったのですが、それとは全然違うものが出てきました。

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J:全体を通して、うまくいったところや、次に参加するならこうしたいと思うことは?
H:1、2回目はもやもやしていたことが4回目ですっきり消化できたことがよかったです。同じチームのメンバーの能力がずば抜けていて、助けられた部分が多かったです。

S:個人的に良かったことは、長田の「好き度」が増しました。政策を考えるとき、良いところを探したり、お店に行ってみたりしました。アイデアを出す作業がすごく楽しかったので、それからもちょこちょこ色んな場面で考えるようになりました。地下鉄の広告を見て、「もっとこうしたらいいのに」とか(笑)。そういう目で世界を見るようになりました。

I:チームメンバー4人とも考え方が違う中で、個人的に「大丈夫かな」と思っていたのですが、最終的にはうまくまとめられて、普段関わることのない人と関われるようになって、自分の勤務している長田区についてもっと知ることができました。とても良い時間を過ごせたと思います。

J:長田への印象が変わったとかありますか?
H:参加する前は、普段の業務で担当している地区のイメージしかありませんでした。今回、新長田には面白い活動をしている人もいることも知れたけど、正直長田の印象は変わらないです。

I:変わらない、というよりも濃くなりました。一言で言い表せない、「多様性」と言ってしまうと安パイやなぁと思うけど、アートやっている人もいるし、いろんな人がいて…。上手く言えないんですが、やっぱり「多様性があるまちだな」という思いがより強くなりました。

S:もともと悪い印象は無いというか、関西出身ではないので知らないという要素が大きいので、もっと長田のことを知りたいと思いました。

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各グループの代表者Iさん、Sさん、Hさんご協力ありがとうございました。

~4回のワークショップを通じて~
(C.N)
父親が長田出身なのですが、このワークショップを参加したことで長田のことを聞いてみたり会話をすることが増えたのが一番よかったです。
余談ですが、先日大学のゼミでこのワークショップと同じように付箋に意見などをかいてディスカッションをしました。どのように進めていけばいいのかが4回のワークショップでみて学んでいたのでスムーズにできました。また、ワークショップの時に「楽しそうだなー」と少し羨ましく思っていたので自分も職員の方と同じようなことをしてると嬉しくなりました。

(ジョウ) 
今回のワークショップ参加が職場でのコミュニケーションに繋がったという話は、思ってもみなかったことだったので嬉しかったです。
インタビューを行う際の工夫について、事務局からは適切にアドバイスできておらず反省していた部分でしたが、それぞれのグループで工夫をされていたので驚くとともに頼もしく感じました。さらに、今回のワークショップを通じて、それぞれやりきれた感覚を持てていたり視野が広がったというエピソードを話してくれていたので非常に嬉しく思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。