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こべこべ
2024年9月15日 14:23
夜九時の各駅停車に乗る。ぼくが降りるべき駅まであと四駅だ。ひと駅停車するごとに、今日のことを思い出した。 退屈なこと、楽しいこと…。割合はどちらの方が多いのだろう。少なくともいまのぼくは退屈だ。なら退屈さが一日のうちでいちばん優っていたのかもしれない。ゴムの紐がたわむように、列車につられてぼくの肩が揺れた。ようやく、仕事が終わったことに気がつく。 列車がどこか見知らぬ場所に向かって走り出すと