マガジンのカバー画像

with foods 誰かと、 ときにはひとりで。

60
思い出の中には食べ物がある。 そんないくつかの文章を書き散らかしています。
運営しているクリエイター

2014年11月の記事一覧

たい焼きと冬の空。

たい焼きは冬の季語。
いや、本当はどうか知らないけれど。
でも夏の暑い日よりも、
ちょっと寒い日のほうが似合うと思う。

乾燥している冬の晴れの日。
空はハチミツを薄く溶かしたような、淡い光で包まれている。
日が暮れれば、イッキに冷え込むだろう。
そんな日こそ、たい焼き日和。

パーカの上にマフラーをぐるぐる巻きして、
ポケットに手を突っ込み、
急ぎ足で、そのたい焼き屋さんを目指す。
並んでいる列

もっとみる

白いごはんはお皿のかわり。

台湾映画における食事シーン。

純粋に食べるのが好きなひとはきっと「台湾」が好きだと思う。
ひとの生きる強いエネルギーと、どこか怠惰でも許してくれる、
そんな大らかさを感じる国の食べ物は、
やっぱり力強く、やさしくて、そしてシンプルに「美味しい」。
夜市や街の料理店、それに駅弁さえも日常の延長で、
本当に単純に食べること=生きること=幸福という図式を
示してくれるように思う。

台湾映画を見ている

もっとみる

ねぎ味噌と野蒜味噌

ふだん外食も多いため、おかずを作り置きしたり、
漬物やソース等を作って、ストックしておくという習慣がない。
だけど、ときどき作りたくなるのがねぎ味噌。
白いねぎと青いねぎを細かく刻み、お酒とみりんでのばした味噌と和える。
最後に香りづけにごま油を少々。たったそれだけ。
ちょっとおしゃれ(?)にするなら、大葉を刻んで入れたり、
ガツンと味にパンチを効かせたいならにんにくや唐辛子を入れたりと、
応用も

もっとみる

ココナッツサブレケーキ。

いとしの「ココナッツサブレ」

トランプみたいな長方形。
端の部分はピンキングばさみでカットしたような
半円がつながった縁取りになっている。
こんがりした優しいきつね色。
乳白っぽいパッケージを開けると、
ずらりときれいに整列している。
表面には砂糖がまぶしてあるのか、ちょっとベタベタ。
子どものときは「ココナッツの味」なんてわからなかったけれど、
優しい甘さとさくさくとした食感が大好きだった。

もっとみる