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9月の読書・上

10月に入って、やっと少し気温が下がってきたなと感じます。
空は、だいぶ前から秋の空になっていたような気がするのですが、この暑さはいったいなんなのだろう。
そう思いながら過ごした9月でした。


母という呪縛 娘という牢獄

読む前は、きっと反抗などできなかったくらい虐待で打ちのめされていたか、おとなしい性格だったので、されるがままだったのか?などと思っていたが違っていた。(反抗しなかったら虐待が許されるという意味ではありません)
この娘さん、しっかり反抗されていて、SOSもたくさん出されていたのだと感じた。だが、助けようとしてくれた手は届かず、一番頼れるはずだった近親の手も届かなかったようで、家庭内での虐待への救いの手を届ける難しさを感じた。
あんなにひどいお母さんでも、まだ、お母さんはかわいそうな人、母に悪いことをしましたという娘さんが痛々しかった。虐待されている最中でさえ、お母さんのことを冷静に分析して、徐々に離れていこうとしていたのに、それもうまくいかずに、結果こうなってしまった。
犯罪は犯すべきではない、よくないことだ。でもそうさせたのは誰なのか。私たちはよくよく考えてみる必要がある。

海うそ

なんとなく図書館で借りた本なのだが、とてもよかった。
うっそうとした島の雰囲気、神秘的にも感じる、足を踏み入れるのにためらうほどの畏怖の念。そんな情景が目に浮かんできそうな描写である。
畏怖の念といえば、神とか仏とか、そういう言葉が思い浮かぶが、この本ではそれだけでなく、島の自然や、そこに暮らす人々への畏敬の念も含んでいるのだ。
後半、舞台が変わってからのところもとてもよかった。
明治の廃仏毀釈で感じた島の人々が感じた喪失を、主人公もまた味わったのではないか。しかし、それは・・・。いい結末だったと思う。

禍事

意外にも怜にまだ隠された力があるのではないか?という展開になってきた。
これ、キムチが伏線だったら面白いのにと思ったが、さすがにそれはありえなさそう・・・。

家事か地獄か

題名が気になって読んでみたが、これ、あのアフロ記者さんが書いた本だったのね。
この人の暮らし、清々しいという言葉がぴったりだと思った。
これから、老境に入り、一人暮らしになればこのような生活が理想だと思う。
今のご時世、忙しい若い人にはこの生活は無理そう。
でもこれから人口がますます増えていくであろう老年世代は、環境にもやさしく、人にかける迷惑も最小限、使うお金も最小限のこの生活は見習うべきものではないだろうか?
巷の、生ぬるい本とは違う。地獄という過激なタイトルがぴったりの、攻めた内容の本だと思った。


下に続きます。
今月は、小説とノンフィクション、バランスよく読めたような気がします。

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