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鳥を飼っています。「水車小屋のネネ」を読んだ

水車の画像、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。

本屋大賞の候補作は、ここ数年、何冊か読むようにしています。面白いのもあるし、最近の流行りも知りたいので。
この本を読もうと思ったきっかけは、この本にヨウムが出てくるから。
ここ数年、毒親というのか、親子のつらい関係が取り扱われている小説が多いように思います。本屋大賞候補作もそんな感じで、読むのがつらい本もありました。
水車小屋のネネも、そんな親子がでてくるというので少し敬遠していたのだけれど、ヨウムが出てくるというので…
ヨウムって、うちで飼っているセキセイインコと比べ物にならないくらい賢いのですが、セキセイインコも一緒に暮らしていると、結構賢いです。メスだけれど、少ししゃべるし。
人間とトリが仲良くなれるかという問題ですが、きっと友情が芽生えるのでは?と思います。人間がトリと仲良くしたいと思っているのだから、トリもそう思っても不思議ではないですよね。

主人公は、理佐と律の姉妹。
理佐は、理佐の短大進学のためのお金を、お母さんがつかってしまったことをきっかけに、家をでて独立します。
律をつれて出たのは、お母さんの恋人が、律に冷たくあたるから。
このお話、1981年という章から始まり、理佐が家を出た際の勤め先のお蕎麦屋さんが水車でそばを挽いており、その水車小屋でヨウムが飼われているのです。
ヨウムってすごく長生きで、このヨウム、ネネは、お話が始まるころには、まだ若く、そして2021年のエピローグずっとお話に登場します。なので、このお話は、ネネの周りで起こる出来事を書いたものともいえます。

高校を卒業したばかりで、手探りでまだ小学生の妹との生活を始めた理佐。周りの人々に助けられて、なんとか暮らしていくのですが、周りには絵にかいたようなおせっかいな人はいなくて、みんな手を差し伸べていいのか迷っているように見えます。
そこに、好感が持てました。
帯にもある、「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ」
という言葉のように、誰でも、何者にもなれなくても、きっと誰かの助けになれる。
そんな人生が当たり前なのが、とてもあたたかい。
そんな話でした。

長いお話ですが、途中色々あって読み飽きません。
それでいて、ネネのおかげか、ゆったりと物語は流れていき、自分も勇気づけられるというか。

いい本に出合えたなと思いました。

以上です。

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