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マイナンバー制度の問題点⑥

 マイナンバー制度の最大の欠陥は行き当たりばったりによる情報不足だ、という話を書きました。その具体例はマイナンバーカードで確認することが出来ます。

 この記事にも書きましたが、色々出鱈目です。本人の身分証明書なのに顔加工アプリを使っても審査を通っています。ではいざ顏認証となったとき、どのくらいの精度があるものでしょうか。あるいはそんな緩い顏認証に信頼が置けるでしょうか。変顔やメイクでどうにでもなるなら、そもそも顏認証ではないわけです。河野大臣は各種証明書の写真サイズを指示していますが、サイズの問題では片付きませんね。

・なし崩しの法律改正によってまもなく位置づけが変わりそう。
・利用できるサービスが限定的。
・臓器提供の署名欄が狭すぎて、米粒に般若心経を書く人しか臓器提供できない。

 特に臓器提供の署名欄ですが、全然アナクロですよね。これは「印鑑廃止」の流れが「本人自著による確認」にシフトした流れの結果です。運転免許証、健康保険証から一ミリも進歩していません。これ完全に建前主義ですよね。本人自著って目の前で書かせないと無意味ですよね。

 それに本人自著といいながら、そもそも日本にサインを登録あるいは公証する公的機関がありますか? こんなもの後で勝手に書かれたらお終いです。チェックや〇で筆跡鑑定は不可能でしょう。そもそもそういう精査をする気もさせる気もない腑抜けたデザインになっています。

 券面デザイン他マイナンバーカードはこれからどんどん変わっていくはずです。行き当たりばったりだからです。
 よくよく考えてから仕様を決めるという発想がないのです。
 現に赤ちゃんの顔写真は不要にするとか。臓器提供の署名欄も変わるんでしょう。

 しかし問題はむしろそこですからね。

 変わるということはそもそも最初は中途半端にしか考えられていないということです。未完成品です。とりあえずやってみようということです。で、この姿勢がカードだけの話ではないことは最初に書きました。

「これまでのあれ、いったい何だったの?」という話に莫大なコストが注ぎ込まれて消えて行っています。そのコストは一体誰が負担するのでしょうか。よく考えてから始めれば、無駄は出なかった筈です。

 何でも反対ではないと言いながら、さすがに無駄遣いはいけないと思います。まずは考えましょう。日本臓器移植ネットワークに阿るのではなく、「本人自著による確認」ってなんだろうというところから考え直すべきでしょう。

 それこそ日本国憲法のデジタル化から始めないと、ぐだぐだになりますよ。



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