マイナンバーカードとは何か①
マイナンバーカードの有用性とは何か?
マイナンバーは既に日本国住民に割り振られているのに、なぜ政府はマイナンバーカード普及に躍起に気になっているのか、このことを理解できている人が見つかりません。
https://twitter.com/honeking/status/1597441607909150720
政府広報は「色々便利」の一辺倒で、後付けで整備された保険証機能「など」を強調します。
運転免許証を持たない高齢者には、顔写真付きの公的な身分証明書としてのメリットが「言わずとも」解ると思いますが、それ以上の有用性、特にマイナンバーカードならでは有用性を実感している層はごく限られている筈です。
それは確定申告で住基カードを利用してe-Taxを利用していた人たちです。確定申告には文字を書かなくてよい分だけe-Taxが便利な場合があります。証拠書類の添付も省略できます。
つまりマイナンバーカードは住基カードの代わりになったという有用性を持っています。
しかし想定されていたマイナンバーカードの有用性はそれだけではありません。マイナンバーカードは見た目上の顔写真付き身分証明書というだけではなく、オンライン上の身分証明書としての役割が期待されています。
マイナンバーカードの保険証機能はまさにその仕組みの応用です。マイナンバーカードをカードリーダーに読み込ませ、顏認証あるいは暗証番号入力によって、「そこにいる人が誰なのか」という証明をオンライン上で行うことができます。本人ですよ、という情報を返すのはJ-LISです。
マイナンバーカードの保険証利用ではこの本人確認ごとに都度2円の手数料がJ-LISに支払われます。この認証は仮に「JPKI認証」としておきますが、広く民間の利用を想定されていたもので、イベントのチケット代わりにマイナンバーカードを利用する案などがありました。
ここは総務省の外郭団体です。これをNHKみたいにしたいんじゃないかという勘繰りもありますが、そこまでは止めておきましょう。
とにかくこのオンラインでの身分証明の仕組みを政府は「色々便利」と宣伝しているわけです。政府の意図は解りませんが、善意に解釈すれば、確かに2円で住民票はとれませんから、便利というのは嘘ではないわけです。しかしチケット利用であれば他にオンライン上での本人確認の仕組みはスマホなどで無料で行える仕組みがたくさんありますから、絶対に、断トツ便利ではないとは言えます。
実際コンビニエンスストアでの住民票の発行や、マイナポータルを利用した行政手続きなどで「便利」を感じた人がいるかもしれません。しかし国はその便利の為に渋谷区で行われていたLINEによる住民票発行などの規制を始めました。つまりマイナンバーカードの便利さは、仕組まれた便利さだということなのです。
またマイナンバーカードの保険証利用だけでもいくつもの問題が生じています。
・四桁の暗証番号を覚えられない人を前提に高額の(九万円くらい)の顏認証機能付きカードリーダーが医療機関、薬局等に無償配布された。(普通のカードリーダーは数百円)
・顏認証機能付きカードリーダーが配布されたことにより、生体認証のルール作りの前に生体認証が実行された。(警察や民間のルールはまだないし、議論も起こっていない)
・オンライン資格確認システムが出来上がり、ハッカーの標的が出来上がったが、大量データー一括照会の常時監視システムがない。(性善説で仕組みが出来ている)
・顏認証、暗証番号入力、マイナンバーカードなしで情報照会できる仕組みが実装された。現状医療機関・薬局等はランダムにオンライン資格確認システム内の情報を照会・収集できる。……これはオンライン資格確認システムをマイナンバーカードなしでも利用できるようにする、という「誰一人取り残さない」方針から生まれた巨大な欠陥で、従来の保険者番号・記号番号等でも医療機関・薬局等に患者の資格情報を渡す仕組み。
こうなるともうマイナンバーカードの問題ではありませんね。そもそも顏認証、暗証番号入力が不要ならそれはマイナンバーカードそのものが不要であることを意味します。
何が何でも反対、陰謀、うんぬんの人たちからは出来るだけ距離を取りたいのですが、政府広報は余りにもお粗末です。そしてどんどんリスクが拡がっています。
国民の多くはマイナンバーカード、マイナンバーの仕組みを理解していません。
しかし広報している側の人達が理解しているとは全く思えません。理解していない人が理解していない人に公報しても、無意味なんじゃないでしょうか。そこにお金がかかっていることが問題なんじゃないでしょうか。
お金はしかるべきところに使いましょう。私の本を買うとか。
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