![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112971934/rectangle_large_type_2_5b61314513cac244f027f0d0c22e0d34.png?width=800)
マイナンバーのトラブルの背後で起きているけどみんなの知らないこと
マイナンバー制度の最大の収穫は何か?
「マイナンバーカードが普及したことで紐付けの誤りが出てきた」
— 山添 拓 (@pioneertaku84) August 8, 2023
「カードを普及させていなければ紐付けの誤りのまま埋もれていた」
「総点検で是正していくことが大事」
紐付けしなければ誤りは生じず、埋もれる心配もなかった。カードの普及ありきで現場に紐付けを急がせた責任を華麗に開き直りか。 https://t.co/XppxoHJ6H3
マイナンバー制度そのものには多くの問題があると思いますが、この数年間で明治以来の日本の行政システムの欠陥が明かになったことは大きいと思います。寧ろこんなことができていなかったんだ、という問題そのものをあぶりだす装置として、マイナンバーによる情報連携が機能したという点は、これから何年かすると最大限に評価できるのではないでしょうか。
例えば住所表記の揺れ問題。
この問題も随分前から指摘されながら誰も手をつけなかったわけです。そして戸籍などのヨミガナ問題も慌てて整備することになりました。これもマイナンバーのおかげです。あるいは法律のヨミガナにも法的定義がないことが解り検討が始められました。こちらは経緯が不明ですが名前の漢字とヨミガナのしばりもマイナンバーの影響で議論され始めたように思います。
そしてなんといっても大きいのは保存期間を145年間延長して、これから作ろうとしている附票ネットワークですね。これで在外邦人にもマイナンバーを割り当て、インターネット投票などを行うことが計画されています。
そしてデータベースというものに対する考え方が何十年分か一気に広まった、進歩したと思います。これまでの紙の台帳は人間が視認して判読するもので、多くの組織ではこれがシステムに置き換えられていただけで、たとえばロバートさんでも口八゛—卜さんでも良かったわけですよ。片仮名の「ロ」でも漢字の「口」でも人間は読めてしまえるので、現実的にそのようなデータベースが存在したわけです。
それじゃあ駄目だということがマイナンバーを利用した情報連携の中で初めてわかってきたわけです。
何故かというとインターネットではテキストデータとして、実際には「値」として取り扱われる「ロ」と「口」は全然別物なので、一致しないわけですから。しかし現実に片仮名の「ロ(ろ)」と漢字の「口(くち)」は人間の目ではなかなか違いが見抜けませんよね。見抜ける人は校正のプロくらいなものですよ。これが機械同士だと一発で違うと判定される訳です。こんなこともこれまでは放置されていたんですよ。
何故ならこれまでデータベースというのはある組織内で厳重に管理されていて、ネットワークで他の組織のデータベースと照合されるということがなかったわけですから、まさに「誤登録」は埋もれてしまっていたわけです。そもそも長音をマイナスで打つ奴が悪いのは当然として、これまではそんなこともチェックがかからなかったわけです。
証拠を押さえる前に攻撃するなって言ったよな? pic.twitter.com/5lM3t5Ry5F
— 進次郎放送局 (@ShinjiroTwit) August 10, 2023
あるいは今回のオンライン資格確認システムのデータを集計した際に重複データが確認されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1691553324475-wIQjcVJPoe.png?width=800)
少し読みにくいのですが資格に重複が見つかったので資格喪失届の勧奨を行い、届け出がない場合は職権で資格喪失させるという通知のようです。これは国保側なので、社会保険との二重加入者のリストが医療保険者のサーバー内の点検で見つかったという意味でしょう。保険の資格は社保優先なので、社保で資格があれば国保は切るよというお達しです。
これはかなり重要なことで、仮に女性が意図的に二重加入していると出産育児一時金の二重取りなんてことが原理的には可能なわけです。
ここで言えることは「届け出制」にはそもそも一定の割合でぬけがあるということです。
これは全ての行政(に限りませんが)手続きにおいて言えることで、データを付け合わせて点検する仕組みというものがいかに重要なのかということが解る事例だと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1691553948022-5jfjCjBXSc.png?width=800)
今後はそういう仕組みが定常的に動いていくようです。こういう資料を見て「今までやっていなかったのか、杜撰過ぎる」なんて文句を言ってもしょうがありませんね。届け出漏れは当人のミスですから。それを監視するシステムはなかったわけですから。
繰り返しますがこれまでデータベースはそれぞれの組織内で厳重に管理されていて、ほかの組織のデータベースとぶつけ合うことは禁止されていたわけですから。
なんにせよ、こんなところから「インターネットでびゅーんとやる」準備が始まるわけです。利権だ、陰謀だという批判はごもっともですが、なにもやらなければ、こんなことすらわからなかったわけですよ。
山拓さんは現状が正しい、というご主張のようですが、現にやってみて「あ、ここまで駄目だったんだ日本の行政システムは」「今紙の行政からネットの行政への転換期だな」「もう届け出制の見直しが必要だ」という事実を知ってしまった立場の方とは意見が相違してしまうんでしょうね。
マイナンバー制度の最大の収穫はお馬鹿なことですが、やってみて初めて色々なことがダメだったということが解ってきたということなんだと思います。データ連携という作業によって色んなダメなところが可視化されたので、はい
![](https://assets.st-note.com/img/1691627046173-ArjXafKDS8.png?width=800)
世の中色んな考え方があるとして、いわゆる「効率化」のプロセスで言えば、この「可視化」「標準化」「自動化」という考え方は常に意識していくべきだと思うんですよね。
それでいままさにその最初の所なわけです。で「資格重複チェック」の仕組みが標準化への第一歩ですね。この作業がファイルダウンロードから内容点検、勧奨通知まで自動化されるのが理想として、ついこの間までだいたい九十六年間くらいほったらかしだったわけです。
これをあと百年ほったらかしにしますか?
しかしこんなことを政府が得意げに公報していたら「九十六年間何をしていたのか!」と罵倒されますよね。
ごもっとも。
でも例えば河野さんにしても言えることと云えないことがある、と考えると、自分の知っていることだけを根拠に批判している山拓さんの天真爛漫さというものがよく分かると思います。
こうした全ての資料はネットで拾えるんですが、目的をもって調べるということをしないでツイッターや赤旗新聞だけから情報を取っていては分からないこともありますよというお話でした。
残念。文学脳ではシリアル番号と電子証明書がないとオンライン資格確認できないことが理解できないようだ。 https://t.co/5vIllQ54RZ
— حملة الأسهم في الشرك (@mokuhyokabuka) August 8, 2023
It works! 🤣🤣pic.twitter.com/ltSpgdtHmc
— Figen (@TheFigen_) August 21, 2023
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?