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2024年3月の記事一覧
その一人があらわれる日の為に 本当の文学の話をしようじゃないか⑫
芥川はともかく三島由紀夫もインターネットを知らずに死んだ。それはとても想像できない世界だったのだ。例えば『AKIRA』にもスマホは出てこない。インターネットのない時代に、何故か中国の脅威とテレパシー連携による集合知の可能性について書いたSF作家がいた。
ここには確かにうっすらとだがネットワークの発想がある。そして数年前に現実となった中国の脅威をいち早く言い当てていたことにも驚く。
あるい
天皇は乳房か 本当の文学の話をしようじゃないか⑨
谷崎潤一郎が大谷崎であり、本物の文学者であったことを疑うものはあるまい。しかしおそらく多くの人はこの二つのことを知らなかったはずだ。それは谷崎潤一郎がこんな悲壮な覚悟で書いていたこと。
そして谷崎の原点に小波、巖谷漣山人の「新八犬傳」があるということ。
つまりその原点には間接的に馬琴が隠れていることにもなるが、そこは話を飛ばさず、しばし巖谷小波について考えてみよう。
巖谷小波はさまざ
本当の文学の話をしようじゃないか④ 日々人は死んでいくんだよ
芥川の『蜘蛛の糸』が好き、そういうこの人の気持ちには嘘はなかろう。それはそれでよいことだ。好きにしたらいいと思う。
これは文学とは関係ない話だ。関係ないばかりか、誤解を招きかねない。こういう話はいったんやめるべきではないか。
しかし淀見軒がアール・デコ調の建物であることは『三四郎』の解釈において重要な役割を持っている。
これを与次郎が「ヌーボ式」ということによって一つの筋が出来ている