朗読・樋口一葉『十三夜』①
十五夜は中秋の名月、旧暦8月15日の夜のお月見として有名な風習ですが、十三夜はご存じでしょうか?
十三夜は旧暦9月13日夜のこと。
かつて十五夜と十三夜の両日にお月見をするのが習わしでした。
片方しかお月見をしないことを「方月見」と言ってあまり縁起の良いものではなかったようです。
十五夜が満月なのに対し、十三夜はやや欠けています。
不完全さに美しさを見出すのは、なるほど日本らしい。。
侘び寂びですね。
そんな少し欠けた月が照らす秋の夜のお話『十三夜』を朗読してみました。
お話は3回に分けて朗読する予定です。
作中にも少し出てきますが、十三夜は豆名月・栗名月という別名もあるそうです。
ちなみに十五夜は芋名月。
秋は美味しい季節ですからね。
ちなみに途中「いしいし」という単語が出てきます。
これ、文字にすると「團子」。
だんご🍡のことですね。
ここで作者の樋口一葉に関しても触れておきましょう。
樋口一葉は以前五千円札に起用されていたことから、その顔はご存じの方も多いと思います。
幼い頃から聡明であったようですが、一葉のお母さんの「女に学業は不要」という考えもあって学校も途中で退学しています。
兄と父が続けて亡くなり、借金もあって、一葉は17歳にして一家の大黒柱となり苦しい家計を支えることになります。
そんな生活苦の中、原稿料目当てに執筆を始め数々の名作を生み出します。
ですが執筆を始めて1年半後、一葉は結核によりこの世を去りました。
24歳のことです。
たった1年半の執筆活動。
24歳で亡くなるなんて。。
その激動の人生もさることながら、その才能たるや!
という、そんな小説のような生涯を送った一葉の『十三夜』でした。
続きはまた来週。
素敵な1週間をお過ごしくださいませ。
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