朗読・二葉亭四迷『浮雲』①はしがき・序
ほぼ週一ペースで日本の著作権切れの作品を朗読しています。
今回はコチラ、二葉亭四迷の『浮雲』です。
朗読しよう!
と思ったのは、実はこれを読み始めたからなんです。
読んでてまず、
「おもしろっ!」
と声に出してしまいました。
遥か昔の学生時代に授業で二葉亭四迷という名前を聞いて、しかもその名前の由来を聞いて、当時から気になってはいました。
由来、ご存じですか?
「くたばって仕舞え」
から名前を作ったと。
なにそれwww
ってなりますよね。
ずっと気になっていたんですが、読んだことがなかったんです。
それが最近オーディオブックを始めたことで急に読書熱が高まり、ふとこの『浮雲』が目に留まりました。
どんな話なのか!
そりゃあもう、やみらみっちゃなお話ですよ。
私は電子書籍で読みました。
この時代の言葉は私には難しすぎて、オーディオブックだけだと理解が追い付かなかったので。
とりあえず朗読置いときます。
まずは「はしがき」と「序」の部分。
この辺りは難しいので本文も置いときますね。
【朗読】
BGM: MusMus
【本文】
【語彙】
聞き慣れない言葉も多く、私もちょっと、かなり、てこずりました。
なので一応語彙説明を挙げます。
活人: 命ある人
四角張り: 堅苦しい
頬返しを附けかね: 収まりきらないほど口いっぱいに頬張る→どうにもできない
言文一途: 言文一致。話し言葉と書き言葉を一致させようとすること。
矢も楯もなく: 盾がこらえきれないほどの矢の勢い→思いつめてじっとできない
三宝荒神様: 仏・法・僧の三宝を守護する。かまどの神様。
春のや先生: 次の「序」を書いている春の屋主人である坪内逍遥を指す。四迷の師匠。
烏羽玉の: 烏羽玉(ヒオウギの実、又はそれに似せて作った餅菓子)が黒いので「黒」や「闇」に掛る枕詞
やみらみっちゃ: むちゃくちゃ
称揚: 褒め称えること
瑕瑾: 欠点
就中: とりわけ
大人: 学者や師匠に対する敬称
蓋し: まさしく
隻句: ちょっとした文句
刪正: 文章を校正すること
八犬伝: 滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』
水滸伝: 中国の長編小説。作者は施耐庵と言われる。
あーーー
難しいのに手出しちゃったーーー
と、春の屋主人の文章を読んで思いました。
でも大丈夫!
春の屋先生はこの『浮雲』の作者じゃないんで!
逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!!!
ということで、この浮雲が書かれた背景をちょっと調べてみました。
【解説】
〇浮雲
空に浮かんだ雲、または雲のように定まらない身の上
あ、私たちのことか!と親近感を抱きました。
日本人の私がチェコ人の夫と出会ったのがニュージーランド。
アメリカ横断してカナダ、またアメリカ、日本、またカナダに住む現在。
来年の私たちがどこに居るのかはドラえもんのみぞ知る!
はかなし!
いや、ホントに。涙
物語の行く末、登場人物たちの心も定まらない感じ???
と、想像してみたり。。
〇言文一途(言文一致)
元々は書き言葉と話し言葉は別でした。
「~候」とかいうやつがまさに書き言葉代表とも言えるでしょうか。
この時期の小説家たちはみんな「~だ」「~です」「~である」など、これまで書いたことのない話し言葉に近い形で文を書くことに、不安を覚えながらも手探りで作品を発表していました。
「【~である】って、なんか不自然じゃない?大丈夫?」
「あの人【~です】って書いてたけど、え、どうしよう。」
みたいな。
今でこそ「です」「ます」は丁寧語と言われていますが、言文一致運動の辺りはもちろんアンチもいて、
「【です】なんて軽薄な!
ちゃんと【候】と書くべきだ!」
とかなんとかいう批判ももちろんあったんだろうと思います。
こうやって時代は人の手によって作られていくのですね。。
そして、この『浮雲』こそが明治に起こった言文一致運動の代表作と言われています。
〇合作の名はあれども
次に引っ掛かったのがこの「合作の名」の部分です。
え、『浮雲』って二葉亭四迷だけの作品じゃないの???
Wikipediaによると、この『浮雲』は師匠の坪内逍遥の作品に反抗して書かれたもので、初めは師匠の名前で発表し、師匠に印税の半分を渡していたと。
何て奴!!!笑
師匠も大変だなぁ。
ちなみに近代文学はこの四迷の師である坪内逍遥の『小説神髄』により始まったとも言われています。
【小説】という言葉自体も当時はまだ一般的に根付いていなかったそうです。
そのあたりの詳しいところは、tokkodo/とっこうどうさんの記事がとても分かりやすいので紹介させてください。
私も勉強させていただいているところです。。
次回からは『浮雲』の本編のお話が始まります。
良かったらまたお付き合いください。
いただいたサポートはマイクなど朗読用機材費に使わせていただきます🥰