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業界人だけ知っている、野菜はレジ袋に入れたらダメな訳

実家の野菜室はいつもスーパーのレジ袋だらけ。家庭菜園で作った枝豆に、毎日採れすぎるオクラ、使いかけのキャベツ半分。サイズが大きかったり量が多い食材はレジ袋、使いかけの食材は半透明のポリ袋。お母さん、これじゃどれがどれだかわかんないよ。と思いながら、昨日冷蔵庫にしまったキャベツを見てみると、たった1日で黒くなってる!こんな経験ありませんか?

1.野菜はまだ生きている

こんにちは。捨てない料理人、小鉢ひろかです。
皆さん、スーパーに売られている食材の中で、野菜や果物だけがもつ特徴ってなんだかわかりますか?


そう、野菜だけは収穫されてもずっと呼吸を続けている食材です。つまり、収穫されても生きています。呼吸…?習いましたね〜。蒸散、光合成、クロロフィル…。小学校6年生の理科で習う「植物の呼吸」です。あ〜、読むのをやめないで。難しい話はいたしません。

野菜や果物は、根からのエネルギーがなくなると、自分自身の糖分・ビタミンCなどを分解しエネルギーを作ってなんとか生きようとします。この時、エネルギーを作るために呼吸をします。

呼吸の速度が速まると、その分栄養素の分解も進むため、鮮度が落ちていく原因となります。アンパンマンが顔を与えすぎるのに近いといいますか、呼吸しすぎると自分が弱っていってしまうのです。

もし、呼吸するときの酸素がなくなると、植物は酸素を吸収しない「嫌気 (けんき)呼吸」へと変化します。嫌気呼吸はエネルギー効率が悪いだけでなく、アルコールやアセトアルデヒドといった異臭の原因物質が生成されるため風味を損なうことにつながります。

レジ袋に包まれた野菜や果物は息ができません。
そうすると、早く鮮度が落ち、さらに異臭が起こる確率が高まります。

だから、野菜や果物はレジ袋にいれて保存してはダメなのです。

2.呼吸を調整するには?

スーパーで売られている野菜が入ったビニールの袋。あれは普通のビニールではありません。酸素や二酸化炭素の通りをよくしたり、食材が呼吸によって出す水蒸気をうまくコントロールしてくれる特殊なビニールなのです。

これは、袋なしで保存した時よりも食材が長持ちすることも証明されています。よく日本は過剰包装だと言われますが、実は袋がおいしさを守ってくれているのです。

スーパーで食材を買った時には、袋が衛生的であれば袋に入れたまま冷蔵庫に入れるのが正解です。でも、困るのは家庭菜園や畑をやっている方は、困りますよね。きゅうり1本でちょうどいいのに5本収穫できてしまったり、昨日も収穫したオクラが今日も収穫できてしまいオクラ渋滞ができたり。

そんなときは、農家さんが使う袋と同じ効果のある「鮮度保持包材」を使いましょう。実は、ドラックストアや100円ショップなどでも、台所コーナーで販売されています。

袋を変えるだけで、食材は長持ちする。ドラえもんのひみつ道具のようですね。こんな簡単で便利なものがあることを、意外と多くの方が知らないです。畑や家庭菜園をされている方、キャベツや大根など1個で買うことが多い方などはぜひ「鮮度保持袋」チェックしてみてください。

3.各種メーカーの鮮度保持袋

鮮度保持袋はメーカーさんによって値段がバラバラとしていたりします。どの袋がいいの?と迷われる方は、まずどんな商品があるかこちらを参考にしてみてください。

値段の差は、抗菌力だと感じます。
長持ちさせるためには自分を消耗させないだけでなく、外部からの菌を入れない、増やさないことが大切です。アンパンマンで言うと、バイキンマンから守る力の差が値段に出ています。

例えば、三共ポリエチレンのタモテールは、他社さんにはない抗菌力(菌が増えるのを防ぐ)と、酸化防止力(品質と味の酸化劣化を防ぐ)が特徴です。以前直接お話を聞くことがあり、私も実際使ってみました。野菜のハリがキープされ、1週間以上保存できました。袋が大きいので白菜など袋に入ってないことの多いデカすぎ食材がすっぽり入るのがとてもありがたかったです。半透明で袋を開けないと中の様子が見えない点が難点ですが、何度でも繰り返し使えて保存期間が何倍も伸びるならメリットの方が大きいのではないでしょうか。

100円ショップの鮮度保持袋の評価も上々です。まずは、気軽なところからでもいいので「袋を変える」で長持ちさせ、捨てない料理を続けてくださいね。


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