感情の吐露2
夏フェスで知り合いの知り合いの人と一緒に過ごしていた。
灼熱の中で爆音の音を聞きながら酒を飲んで音楽を聴いている。
非日常空間でのひとときは人のメンタルをいとも容易く崩壊させて。
その人は次のアーティストがお目当てで、本当に大好きらしい。
あまりそのアーティストに詳しくない私はボーッとステージを眺めていたけれど、終わった頃には虜になるくらい釘つけで見ていた。
「めちゃ良かったなあ‼︎セトリ最高やった‼︎」
私たちが盛り上がっていると、お目当てのアーティストを見終わった彼がタオルで目を拭きながら振り返った。すかさず誰かが
「え?泣いてる?w」
「カッコ良すぎて…。」
その涙に一同爆笑。決して涙の演出というわけでもなかったアーティストのステージを見て泣いてしまったとっくに成人を過ぎている男性。
帰り際に私と友達で話しながら帰った。
「あの人、泣いてたなあ」
「うん。なんかほんまに好きなんやなって思ってちょっと感動したわ」
「わかる。好きなもの見て泣けるって良いよな。めちゃくちゃ可愛かったわ」
「わかるわ〜」
好きなものを見て泣いて笑って喜べる幸せって良いな。
一歩間違えたらその純粋な涙に恋に落ちる所やったかも。
あ、あの人生粋のゲイやったわ。私なんて向こうから願い下げやわ。
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