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学生が図書館を設計してみた(設計案プレゼン)

どうも、こんにちは。
お久しぶりです。

最近課題で忙しくてnote書く時間が取れませんでした。(言い訳すな)

大学で建築を学んでいながらも今までのnoteでは建築について一切触れてこなかったので今回ちょうどいいので触れてこうかなと思います。

ちょうどいいって言うのは、昨日前期でやる設計課題のうちのひとつの図書館の設計が終わりました。

せっかくなので、自分が設計した図書館をこの記事でプレゼンしていこうと思います。

では、いきましょう!⤴︎


今回、出題された課題のテーマは、成熟社会における市民の文化活動拠点としての図書館。

市民の文化活動の拠点となる図書館を核とした複合施設を設計しなさいとのことです。
敷地は東京都江東区清澄エリアの一画。
具体的な敷地は自分で決めてよいです。

初めに作成したプレゼンシートを4枚お見せします。これを使ってプレゼンしていきます。


まず、敷地の特徴を話します。

敷地は清澄白河です。
名前は聞いたことがあるでしょうか。

近くに現代美術館があり、カフェやアートギャラリーが多い地域です。運河や清澄庭園などもあり、東京23区の割に自然が豊かです。

このエリアは過去に運河による物資の拠点として栄えていました。その名残として、倉庫が今も残っています。ですが、今は倉庫としては使われずにリノベーションによりカフェやギャラリー、ショップというように用途を変えて活躍しています。倉庫の特徴として、物を収納するために柱が少なく、天井が高いというものがありました。この特徴が時代の変化に対応しやすかったのでしょう。なので、現在清澄白河は様々なニューカルチャーを取り込みながら発展しています。


次に設計趣旨と現状の問題について話します。

今回の設計のキャッチコピーは、成熟社会における体験型メディアコンテナです。

作品名は、Container Yard

成熟社会社会とは何でしょう。

簡単に言うと、物、サービス、お金が満たされて、状況が変わらない状態にある社会です。

社会の成熟度は、物、サービス、お金で計られています。

日本は現在成熟社会を迎えています。
これは良いことと言えるのでしょうか。
考えた結果、社会の成熟度は物、サービス、お金、そして交流、支え合い、ボランティアといったものを加えて、それらを指標に入れて計るべきなのではないかと考えました。

図書館ではこのような人々の交流などといったものはあるのでしょうか。

図書館は大きく分けて、資料、利用者、施設の3つで構成されています。

基本的には、図書館が資料やサービスを一方通行で流しています。

ここで、図書館を媒体とした利用者同士の情報交換や交流を促すことを目指しました。図書館は資料(情報)を発信しているが、私たちが得られるものは文字を通しての経験のみです。この学びには限界があります。そこで図書館での読む学びに体験的学びを加えていこうとこの設計では考えました。もう少し具体的に言うと、今ある図書館より見る、聞く、触れる機会を増やそうとしました。

では、どのように形をつくっていったのか。
ダイアグラムを使って視覚的に説明します。

目的は、壁の除去と空白の空間を造ることによる視界と聴界の開放です。

一言で言うと、ジェンガの形態を参考にしました。

ジェンガのようにブロック(ここではコンテナと表現しています。)を積み上げていきます。積み重ねた中からいくつか抜いていきます。そして、長手側の側面を抜きます。コンテナを抜いてできた空間に外部環境を積極的に取り込んで、視線の抜けた、外部と内部が入り混じった空間ができます。

このようにしてできたものを下の外観パースで表現しました。

南側から図書館を挟んで清澄庭園を望んでいます。

これはコンセプトパースです。
隣接している広場から見ています。

そして、これがイメージパースです。
先程ダイアグラムで言った壁の除去と空白の空間を造ることによる視界の開放をパースで表しています。

左下に屋外テラスがあり、右側に清澄庭園があります。外部も内部も視界に取り込んだ開放的な空間となっています。

これが南側立面図です。

続いて、平面図にいきます。

これは2階平面図です。

特徴ごとに色分けしていて、オレンジ色が内部、緑色が外部を示しています。

本は4m幅の通路に全て配置しています。
人の流れを止めないようにあえて狭いスペースに本棚を置いています。こうすることで、利用者の足を動かせると共に目線の先を変化させていくことができます。

そして、ボランティア室に見られるようなふくらみを設けて、そこに人が溜まれるような機能を持ったスペースを設けています。

今ある多くの図書館のように、本を読む椅子がある場所が開けた場所であっても、その時には本にしか目はいきません。本が置いてあるところこそ、開かれた場所でなければいけません。

他の階もこのように人の流れる通路と人の溜まるスペースである内部空間と外部空間を入混ぜるような配置にしています。

最後に断面図です。

断面から分かるように、吹き抜けが多くあります。これにより、上下の連続性を持たせました。視線だけでなく、音も通ります。

いくつかの内観パースを用意したのですが、これらに共通していることがあります。それは全て空が見えることです。この図書館では建物のどこにいても空が見えます。

建物の上下左右の抜けによる開放感を生み出し、私たちの体験を増やしていくことを目指しました。この体験により人々の将来の選択肢が増えることを願います。

建築では、空が見えるところほど豊かな体験があるのだ。

終わります。



名前の由来

この図書館の名前はContainer yardです。
コンテナヤードです。

過去に栄えた倉庫をコンテナと表現しました。
そのコンテナの中身が時代と共に変わっていき、人々の体験がコンテナで行われる様子を表現しました。このコンテナが体験の媒体(メディア)となってほしいと思っています。

コンテナヤードとしたのは、実際のコンテナが積み上げられているコンテナヤードから連想しました。この図書館もコンテナが積み上げられています。また、清澄庭園の庭ともかけました。


つっこまれそうなこと。

Q.本が焼けるのではないか。

A.本は日焼けします。
ただ、ガラスに紫外線をカットするフィルムをつけたり、本棚の奥行きを多めにとって、庇のように日を避けることで対策はできます。

本は焼けてもよいと考えています。
本のデータ化が進んでいることにより、本は情報を保存するという機能をなくしつつあります。それでも本はあり続けるでしょう。それは本には物としての価値があるからです。本はこれからアンティークのような部類に入っていくと思います。日焼けを含めた劣化を楽しめるのが本という存在になっていくと考えています。


意見、質問があれば、コメントにお願いします。辛口大歓迎です。

今度発表できることになったので、考えのまとめ作業と練習をしてみました。実際は声で伝えるので全然状況違うんですけどね。

noteずっと書いてきて、考えを文字に起こしてまとめることは重要だと知っているのでここでまとめました。相手にわかりやすく書こうとしてるからしっかり考えが整理されると思います。

今度、設計の過程の記事でも書いてみようと思います。どうやってやっているのか、何を意識しているのか。意外と書き出してみると気づくことがあるかもしれないです。まだまだペーペーだし、設計得意ではないですが。その時その時のライブでやった方がおもしろいかな。どうだろう。まあ、何かしらやります。


では、また!

2020/6/14
こばちゃん

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