パーソナルスペースに入ってこない本が好き
本がすきだ。
けど、本がすきになったのは、大学に入ってから。
昔は、本が苦手だった。
本をすきになって思うが、読書はもっともっと自由でいいんじゃないかと思う。
そして、自由の権利として「パーソナルスペースを入ってこない本」がすきだと宣言したい。
私の本の分類方法
個人的な分類だが、本は3種類に分けている。
① 気合を入れて読む本
② さらっと読む本
③ するする読む本
① 気合を入れて読む本
能動的に理解をしようと思わないと読めない本。まさに「読む」本。
学問系が多い。最近だと宗教学、哲学、生物学をよく読む。
1文1文が挑戦してくるというか、読み飛ばすと終わるというか。
1単語ずつ理解して咀嚼して先に進めたくなるような本。
メリット:休日に頭が学習モードに切り替わる。
デメリット:エネルギーを使うので、仕事帰りの電車や寝る前に読めない。
② さらっと読む本
どちらかというと、「読む」というより「情報収集」のための本。
本に限らず、私のモットーとして「試してから買う」があるのだが、そういった時に読むことが多い。本屋での立ち読みとか、図書館とか。
ジャンルとしては、自己啓発、ビジネス系が多い。
メリット:省エネで読めるし、こんなに読んだ感がある。
デメリット:さらっと読みすぎて記録されない。ふとした時に思い出して「どの本に書いてあったっけ…」となる率が高い。
③ するする読む本
「読む」というより「見る」に近い本。
エッセイや雑誌が多い。「文字に触れること」が目的となっている。
職業柄1日中パソコンを見ているのでデジタルデトックスしたい~~という思いと、しばらく本をまないと本が読めなくなる(しんどくなる)のでリハビリ的な感じで読んでいる。
メリット:疲れているときでも読める。あまりエネルギーを使わない。
デメリット:「読む」を目的としていないので、これ系ばっかり読んでいると思考力が落ちる。
※あくまでも自分のとってのメリット・デメリットです。
ここまで読んでいただいて、気づいた方はいるでしょうか。
①~③のどこにも、小説が入っていないのです。
そう、私、小説が苦手なんです。
小説が苦手だった理由
本はすきで、よく読む。
気づいたら買いすぎて積読が増えてるし、ボーナスで2mくらいの本棚を買ったら引っ越しで困った。
でも、昔は本が苦手だった。
小学生のころにハリーポッターを流し読みしただけで、
中学生・高校生で本を読んだ記憶があまりない。
今ふりかえると、おそらく「興味がある本」を知らなかっただけだと思う。
というのも、小中学生が読む本 = 小説 という風潮とか思い込みってありませんか。
大人側にも、子供側にも。
だって読書感想文の課題図書も、全部小説だったし。
今なら、図鑑とか読んで感想書いてもいーじゃんと思う。
そして最近、「私、小説苦手かも」 と気づいた。
本を読むようになってからも、なんとなく小説に手が伸びなかった。
だけど、理由はあまり分からないままだった。
パーソナルスペースに入ってくる本が苦手
だけど、苦手な理由をやっと言語化できたと思う。
小説は、パーソナルスペースにガンガン入ってくるから、苦手なんです。
「パーソナルスペースに入ってくる」ことが悪いわけではなく、それが小説の魅力であり、言い換えれば「没入感」や「感情移入」という言葉になるかと思う。
ただ私の場合、小説を読むと、その世界に入り込みすぎてしまう。
今自分が生きている世界と、本の境界線が分からなくなるんです。
小説ってストーリーが魅力だから、事前に「こういうことを話しますよ」というものは、もちろんない。
だからこそ前触れなく自分のダークな部分とか、センシティブな部分が引っ張りだされてくることがあって、予想外のタイミングでストレスがかかることがあるな、それが苦手なんだなと、気づきました。
※P.S. この記事を書いている途中で立ち読みした本のなかに、村上春樹さんの「小説は現実への継続性があることが魅力だ」的な引用を読んだ。とても単純な人間なので、いつか、小説っていいなと言えるようになりたいと思った。
読書を、もっと自由に
もっと読書は自由なものであってもいいのではないか、と思う。
①~③のように本を分類したり、途中で読むのをやめてもいい。
苦手な分野があってもいいし、私のように苦手だったものを手のひら返しで「読んでみたい」と思うのもよし。
また、今すぐ「役に立たない」本でも、興味があればどんどん読んでいいと思う。
これは、好奇心だけで読んだ本の一節が、思いがけないところで繋がる経験が多々あったから。
「小説がすき=本がすき」という思い込みを窮屈に感じていた私が、大学に入ってこんなにも自分の興味を引く本がたくさんあるのかと感動した。
と、同時に、もっと早く知りたかったなぁとも思う。
そして、もし同じような思いをしている人がいるなら、おせっかいに「もっと好きな本を読みなよ」と言いたい。
本がすきだからこそ、苦手だったからこそ、もっともっと自由になれたらいいなと、ぼんやり考えている。
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