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自然の中に身をおきたい

山のふもとで育ちました。

といっても、すんごい山じゃないです。
住宅街のはずれの小さな山。海抜300mちょっと。いわゆる里山ってやつですね。

本当は、もっと先まで山を潰して住宅街になる予定でした。
ところがその山には、ニホンカモシカが生息していることが判明。それで急遽、開発が中止となったわけです。

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特に自然がいっぱいとか、そんなことを感じることもなく、普通に育ちました。
家ってこういうもんだと無意識に思っていたくらい。好きと思ったこともなかったし、特に感想なんてなかった。だってそこが家だから。

ところが、実家を離れて以来、家が恋しくなりました。

まずは大学時代。非常に不安定な気持ちを抱きつづけた4年間で、いま思い出しても苦しい時期。劣等感のなかで生活をし、心のバランスは完全に失われていました。

子どものころから、親との関係に息苦しさを感じ、ただただ家から離れたかった。
それなのに、帰省すると、びっくりするくらい安心したのです。
それは、親のそばだから安心した、というより、実家の周りの環境が懐かしく、心をなぐさめてくれたのではないか。そのときはそう思いました。
本当はたぶん、無意識に親を求めていたのかもしれないんですけどね。笑
まぁ、その話はいつか。

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結婚して東京に引っ越してからも、帰省するたびにほっとするような安心感を味わいました。
特に子どもが小さかった頃は、いわゆるワンオペ育児で、はてしない不安に飲み込まれていました。
当時は仕事をしていなかったこともあり、ささくれだった心の安定を求めてムスメとふたりで帰省することもしばしばでした。

帰るたびに感じるのは、季節によって変化する欅並木の色合い、山のたたずまい、虫や鳥の声。
それらは私の心を安心へと導いてくれました。

もちろん、山のふもとだと不便なこともあります。
カメムシは大量発生するし、欅からの落ち葉や、強風に負けて落ちる木の枝の処理。雪が降れば運転にものすごく気をつかう。

でも、そんなことも含めて、やはり豊かな環境に住んでいたんだなぁと感じます。

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いまは都内の住宅街にある、マンションの一室に住んでいます。
特に不満はないけれど、やっぱり空気が違うんだなぁ。
街の中を流れてくる風と、自然の中を流れてくる風、本当に違うんですよね。
山の隣で育ったので、余計に感じるのかもしれないけれど。

家族での生活を考えたら、いまの生活スタイルがベスト。
でも、自然への憧れの気持ちはいつも胸の中にあるのです。今回家族旅行で海の風を味わい、その思いはますます強くなりました。
いつか、山や海の風を感じながら生活ができたら。
贅沢な願望ですが、夢のひとつとして脳みそのどこかにしまっておこうと思います。

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