スパルタな新しい料理本

料理は苦手だけど、料理本を読むのは好き。

旅行前に計画を立てるのが一番楽しいように、料理本を見て「何を作ろうかな」と考えるのが時間を忘れるくらいに楽しい。

そして作らないまま読み飽きて、また新しい料理本を読みたくなるから、レパートリーは増えないのに、料理本ばかりが増えていく。

今度はちゃんと作れるようになったら新しいのを買おうと決めていたのに、また作れるようにならない内に、一冊増えてしまった。


その新しい料理本は、やたらとスパルタで、今とても興味がわいている。

例えば、「甘いものを食べないとストレスになるという人がいるが、そんなストレスより生活が乱れている方がよっぽど体に悪い」みたいなコラムが書いてある。

「好きなことをしよう、好きに生きよう」という発信が多いこのご時世の、逆を行く厳しさに、なんだかきゅんとしてしまった。


レシピに関しても、アレンジ禁止どころか、一日目と二日目の昼食を入れ替え、なんてのもダメ。分量もきっちりきっちり。出汁もちゃんと取らないといけない。「簡単なルール」と書いてあるけど全然簡単じゃない。

そこまで厳しいと、逆に、作ってみようという気になるよね。どれだけのモノなんだと。


「無理しない」が信条の私は、どきどきしながら、粉末出汁で、ない食材はアレンジして、一食作ってみたらなかなかおいしいかった。

だらだらしちゃう私を、読み飽きる前に行動させるために、わざと厳しくしていたんじゃないかとすら思えてきた今回の料理本。

ただこうやって読んでいるだけ、一品真似してみるだけでも結構おもしろいし生活を整えようと気持ちが新たになった。


料理本を読んでいると、どんな生活をしようかな、あの人はどれが好きかな、どういう日に作ろうかなって、毎日のストーリーが立ち上がって来る気がする。料理本は、読み物です。

いつかきっちり作れるようになる日は来るのかな。


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