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「好きを貫く」というテーマを貫き通すマンガ『サークルクラッシュ!』感想

 『サークルクラッシュ!』はオタクのレオ君に近づくため、非オタのギャルが漫研に入部して繰り広げられるドタバタを楽しめるラブコメディマンガ。「好きを貫く」というテーマが全編を通して描かれている。テーマへ真摯に向き合う本作はコメディだけでなく感動も与えてくれる。なんと5/31まで全話無料です!

 オタクという何かを好きで愛してやまない存在は、その好きを他人と共有できるかというと難しい。多くの人が理解できるメインの文化でないもの、よくわからないものを好きな人たちの個性がオタクという言葉でまとめられているように感じる。他人に必ずしも理解されるわけではないと知りながらも好きを貫くのは、それも孤独な状態とあればなおさら熱量がいる。

▽第1話冒頭より

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 この漫画で描かれるオタクの生きざまが好きを貫くということ。もう一つ大事なこととして「他人の好きを否定しない」こと。好きを否定される辛さも知っているから、それをほかの人にしてしまっては自分の生き様を否定することに他ならない。好きなもの(解釈とか…)自体は共有できずとも、生き様を認め合うのが漫研の彼ら彼女ら(と友人たち)の魅力になっています。議論をするときにも相手の見解とか意見に対して反論することは健全だと思いますが、生き様というか個性を否定した時点でその相手とは議論にならないので自分も気を付けようと心掛けています。閑話休題。

 コメディなんですが、孤独に好きを貫く辛さみたいな部分ともしっかり向き合ってくれています。この辛い部分と向き合って答えを出していると感じたエピソードは136話のスミレちゃんです。メインのキャラクターではないんですがしっかりとテーマと向き合う本作の姿勢が表れていると個人的に思います。

 ラブコメパートはブラックコーヒーがマックスコーヒーに感じるくらい甘々なので期待していいです。

 ちなみに全話書籍化のクラウドファンディングが企画されていて、目標金額は2,000,000円に対して5/30現在で3,086,000円集まっています。素晴らしいですね。

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