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蛙化現象⑦

これは投稿者本人の恋愛体験を記録したものである。最初から読みたい方は「蛙化現象①」からご覧ください。

 前回までのあらすじ
僕は、大学を休学し幼い頃から大好きだった場所で働いていた。そこで、明日香という女性客に出会う。接客中、徐々に僕の心は明日香に惹かれていった。しかし実際には2回しか会えないまま、僕はその仕事を辞め、大学に復学。その後、あるきっかけで僕たちは連絡をとるようになる。改めて僕の気持ちは強くなっていった。結果、明日香に告白。はっきりした返事を聞けないまま、僕達は福岡で再開することに。その日の夜、彼女からある手紙を渡される。

第二章 再開

返事

「今日は素敵な時間をありがとう。こないだの電話の返事です。」

手紙の冒頭にはこう綴ってあった。僕は、その綺麗に書かれた一文字一文字を噛みしめるように目を通した。

休学中の2回会えた時の思い出、その後の明日香の心境と続いていた。この手紙で、様々なことが分かった。年間パスポートを買って来園した初日、明日香は僕を見つけた。その時に一目惚れしたそうだ。そして明日香は2回目会った際、僕に名前を聞いてきた。そして帰り道、Facebookで名前を検索したらしい。”出身:北九州”の文字を見て、いつか帰ることを察し、寂しくなったそうだ。そのためそれ以降、明日香は会いに来なかったと言っていた。

その内容を読みながら、当時の情景が鮮明に頭に浮かぶ。僕は思わず、ニヤついてしまった。「思い出は人の心を豊かにしてくれる」改めて思い出の素晴らしさを実感した。

そして最後に、

「1年越しのこの出会いを大切にしていきたい。何よりもあんちゃんの夢を、1番近くで応援したい。隣で色んなこと共有していきたい。私もあなたが好きです。」

明日香からの返事が書いてあった。最後まで読んだ後、手紙を大切にキャリーバックへしまった。

そして僕たちはお互いに抱き合った。ただ無言で抱き合った。伝えたい言葉はいっぱいあるはずなのに。何も発さなかった。

そして顔を見合わせる。思わずお互い笑ってしまった。安堵の笑みだ。世界には色んな笑いがある。その中でも、安堵の笑みほど幸せな笑いはないように感じた。

その夜は人生で最も幸せな夜だった。

次の日も遊んだ。ふく屋の明太子定食を食べ、大丸のクリスマスマーケットに行き、姪っ子への絵本を一緒に選んだ。

そして最後は福岡タワーへ。ここは海が近く風が強いため、12月は歩くだけでも極寒だった。タワー内に入るまでの辛抱と、僕は寒がりな自分を殺した。

その道中、明日香も寒かったようでお互いに密着して歩いた。年上の女性の甘えた姿が、僕には溜まらなく愛しかった。

そして夜景を見た後、ホテルに荷物を取りに行き空港まで送った。彼女は東京に戻る。僕は翌日からアルバイト。前日までとは違い、明日からはまたいつもの日常が待っている。

「明日香が僕の日常になればいいのに」

そう思いながら、保安所を通過する明日香に手を振った。この日から、僕たちの遠距離恋愛が始まった。年上女性との遠距離恋愛。正直不安でしかなかった。


今後も、恋愛経験を綴っていこうと思います。現在の時点では、彼女とは別れていません。しかし今後どんな関係になろうと、この過去は大切にしたいと風呂場でビビっと感じました。そこで投稿すること決めました。もし僕の友達がこの投稿を見たら、以下はご理解ください。病んでません。
今後しばらくは、このタイトルでnoteを作成していきます。
それでは続きはまた明日。



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