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蛙化現象⑪

前回までのあらすじ
僕は大学を休学し、千葉のある場所で働いていた。そこで、明日香という女性客に出会う。接客中、徐々に僕の心は明日香に惹かれていった。福岡の大学に復学後、あるきっかけで僕たちは連絡をとるようになる。改めて、明日香に対する気持ちが強くなった僕は、自分の気持ちを電話で伝えた。はっきりした返事を聞けないまま、僕たちは福岡で再開することに。その日の夜、明日香からの返事を貰い2019年12月22日、僕たちの遠距離恋愛が始まった。その後何度かデートを重ねて、季節は冬を越そうとしていた。

第三章 遠距離恋愛

原因

2020年2月末、僕は東京で存分に誕生日を祝われ福岡へ帰った。3月も僕が会いに行くことになり、次はホワイトデーとして、明日香にお返しをすることが決まった。

「いっぱいお返しをしよう!絶対に喜んでもらおう!!!」

誕生日にあれだけのお祝いをされた僕は、「もっと明日香の笑顔が見たい」という思いが強くなった。

その思いはホワイトデーを迎える前から、行動として現れた。例えばLINEのやりとり。僕は普段、滅多に絵文字を使わない。一方明日香とのLINEの時は、これでもかという量の絵文字を使った。大学の友人がこの返信内容を見れば、ゾっとするかもしれない。まさにサイコパス級の違いが、そこにはあった。他にも僕の行動には、良い意味でも悪い意味でもかなりの変化が生まれていた。僕は日常生活において、本当の自分を殺していたのだ。

ホワイトデーの準備もそうだ。「今、何を求めているのか?何をもらうと嬉しいのか?」次に会うまでの電話の際、明日香に悟られないよう、僕は徹底的に調べあげた。

僕「そう言えばこの前のストーリー見たんやけどさ、明日香ってイチゴ好きなん?」

明日香「好きだよ。あの写真は、ネットにあったイチゴビュッフェの写真をスクショしたんだ。美味しそうだった~!」

僕「そうやったんやね~。」

この電話を終えた夜中の1時。僕はすぐに、東京のホテルで行われる、イチゴビュッフェを予約した。違う日には、こんな情報を仕入れた。「今使っているエプロンに飽きている」、「27年間の人生で、男性に薔薇をもらったことがない」。仕入れたその日から、エプロン会社を徹底的に調べ上げ、明日香にどんなエプロンが似合うのか?探して注文した。加えて田町駅付近の花屋さんの開店時間を調べ、3月に会う際は薔薇を買って行くことを決めた。そのため明日香に空港まで迎えに来ず、家で待機しているよう伝えた。

自分で言うのも気が引けるが、名探偵にでもなった気分だった。しかし今考えれば、ただ勝手に僕が誘導せれていた感じも否定できない。

僕は恋愛をすると、いつも自分が振り回される。優しいとも言えるし、ダメ男とも言える。それは以前に、友人に指摘を受けていた。その以前と、似た状況である。しかし、同じ過ちを繰り返してるとは全く気づいていなかった。

そして3月中旬、学生という身分と対照的な、身の丈に合わないプレゼント達を引っさげ、僕は明日香の住むマンションへ向かった。その日の東京は過ごしやすい気温で、所々に桜が咲いていた。まるで木々達が、九州の田舎者を歓迎してくれているようだった。


今後も、恋愛経験を綴っていこうと思います。現在の時点では、彼女とは別れていません。しかし今後どんな関係になろうと、この過去は大切にしたいと風呂場でビビっと感じました。そこで投稿すること決めました。もし僕の友達がこの投稿を見たら、以下はご理解ください。病んでません。
今後しばらくは、このタイトルでnoteを作成していきます。
それでは続きはまた明日。

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