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【2023】絞った写真のメリット3選

初めに

あなたは普段、f値はいくつで写真を撮っているだろうか。

僕は日々、言葉にならない寂しさを埋める世界を探して写真を撮っている20歳。

5年ほど前からカメラを触り、今までに4台のカメラを買い替え、20を超えるレンズを交換していた僕が行きついた、絞った写真のメリットをまとめた。ぜひ最後まで読んでほしい。


XE-4 / NOKTON classic 40mm f1.4

0.絞った写真とは?

この話をするにあたって、まず絞った写真とは何かから話す必要がある。

写真には、カメラには、f値というものが存在する。f値とは、どれだけボケるか、どれだけ明るくなるかを決める値で、ここの数字を調整することで写真が変わる。

例えば f2 の写真と f16 の写真では、f2 のほうが明るく、ピントを合わせたところ以外がボケる。そして逆に、この数字が大きくなればなるほど暗くなり、ボケなくなり、写真の全域にピントが合うようになるのだ。

一眼レフを買い、まず初めにおすすめされるレンズは、だいたい f1.2 とか f1.4 とかの撒き餌レンズと呼ばれるf値の数字が小さいレンズだ。

そして、このf値の数字を大きくすることを、絞るという。

もちろん、レンズの名前の後に書いてあるf1.2などの数字は最低値であり、レンズのダイヤルやカメラのモニターで数字を大きくすること(ボケなくすること)はできる。

絞る、f値を上げる、被写界深度を深くする、パンフォーカス、言い方はいろいろある。

XE-4

1.被写体の明確化がもたらすもの

ボケる写真の最大のメリットは、被写体の明確化だと思っている。

なんでこいつは絞った写真がいいとか言って、メリットを話しているんだ?と思うかもしれないが、聞いてほしい。

写真という小さな画角の中で、なにかしらの感情、情報、情景、瞬間、出来事、思い出を伝えたいと思ったら、ピントが合っているのものを一つにした方がわかりやすいし簡単だ。
見た人誰もが、一瞬で何を伝えたいかがわかる。それこそがメリットであると考える。背景の整理ができていなくとも、ボかしてしまえば関係ない。

XE-4/XF50mm f2 R WR

しかし、考えてほしいのは、即伝達性こそが写真の醍醐味ではないということだ。わかりやすく、単純でなものが正義であるならば、それほどつまらないものはないだろう。
芸術は誰もが理解できて、ファッションもわかりやすいなんて世界、退屈だとは思わないか?
それに、その小さな四角の枠の中にしかものを入れられないのに、一つだけに焦点を当てて他はボかしてしまおうなんてのも、もったいない気がする。

そして逆に、難解なものが正義とも言いたくはない。
誰も理解できないものこそ素晴らしいとか、わかる人だけがわかればいいとか、そんなものは自己陶酔だ。
誰かが理解して、初めて作品になると思っている。写真は撮った人のものではなく、見た人のものだといつも思う。
これについてもいつか書こう。

即伝達性のある周りのボケた写真は、それだけ強い写真なのだ。
有無を言わさぬ主題の明確さは、見た人の余裕を奪ってしまう。
この人は何を伝えたいんだろうって考える余地がない。
それこそが、メリットでありデメリットなのだ。

XE-4

2.背景整理による情報量の増減

写真には、何度か言っているように載せられる情報に限界がある。

この小さな画角の中で、ピント面を深くして全域にピントが合うようにすると、自分の伝えたいもの以外にも世界が見えてくる。夕日の位置、親子の表情、車の量、など。

自分が思っていた以上にごちゃごちゃとしていて、ボかしてまいたくなるかもしれない。けれど、シャッターを切るその前に、そこでシャッターを切りたいと思った理由があるはずだ。自分の見えていた世界をそのまま切りとってほしい。今までボかしていた世界が鮮明になり、何を伝えたいのかがわかりづらくなる。

途端に主題が、不明確になる。

情報量が増えた一枚ができあがるが、僕が思うに写真が上手い人は主題を見失わない。むしろ、キャプション、文章、題名によってそれらを印象付ける。同時に、見た人に考える時間を与えているのだ。隅々まで考えられた一枚は、余白に意味を持つ。手前に何が写っていて、奥には何があって、空には何かが飛んでいる。一度見ただけでは理解しきれない。2度、3度見返すことでようやく全体が見えてくる。そして、題名やキャプションを読み、もう一度理解する。見る方も満足感があると思う。

ボかした量ではなく、構図によって写真の情報量を変えられるのだ。


XE-4

3.写真が上手くなる

上手いからできる、つまりできるようになれば上手くなったも同然なのだ。

僕も一眼を買った当初は、ボケることこそが一眼を買った意味であった。50mm f1.8というキヤノンの撒き餌レンズで、何を撮るのも解放だった。

しかし最近では、解放で撮ることはほとんどなくなった。使っているレンズがMFなことも理由の1つだが、解像感の高い一枚にすることも楽しい。レンズの本領(一番解像感の高いf値)は解放ではないからだ。

背景整理をし、絞っていながら主題を明確にした写真は見ていて飽きない。

ぜひこれを読んだあなたにも、初めはf5.6でいいから撮ってみてほしい。その難しさや、つまんなさに再開するかもしれないけれど。スマホで撮っているのと変わらない気がするかもしれないけれど。

決して意味のない数字ではないんだ。

最後に

少しは、絞って撮ることの良さを伝えられただろうか。

写真においてのf値が持つ意味はまだまだあるが、今回はわかりやすくまとめたつもりだ。

そしてまだまだ写真について僕の意見を知りたい、見方を書いてほしいという人は下の記事も読んでほしい。


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