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父の死

病気で父が他界した。
70歳という年齢と、多趣味だった事もあり
弔問客はかなり多かった。

親戚や父の友人の言葉はどれも嘘みたいに父の事を誉める。
亡くなった人の悪口なんていうわけがないのはよくわかるけど
私にとっては違和感しかなかった。

家族に見せる父の顔と、家族以外に見せていた父の顔が
あまりに違いすぎた。

私からみた父親は毒親以外の何物でもなかったから。
ただ、今は父に対して恨みや許せない感情はほとんどない。
これは今年からカウンセリングに通ったおかげだと思う。
両親から受けた虐待の傷跡はほとんど癒えてきている。
だからこそ葬儀の間、客観的に父の事を考える事ができた。
そうじゃなかったら他人が褒める父と、私の中の父とのギャップが大きすぎて
自分がどうかなってしまっていたかもしれない。

今は自分なりに考えて、こんな結論にたどりついた。
父は確かに毒親だったけれど、家族の愛し方がわからなかった人だったという事。
他人という距離のある人と接するのは上手な人だったという事。
虐待は許されない事だけど、父なりに私を愛していたんだと思う。
残念ながら私には愛情は届かなかったけどね。
だから亡くなった父への恨みもないけど、特に感謝も感じていない。
何もない。それが正直な私の気持ち。

私は過去の傷を乗り越え始めて未来へ進み始めている。
今までずーっと死にたいと思いながら生きてきたのに
やっと死にたいという感情がなくなってきた。
もう、それだけで十分幸せだとだと考えられるようになった。

自分の好きをたくさん見つけて、それをnoteにたくさんのせるために大切に使わせてもらいます