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二重術 ¥29.800-〜

『美』
よくTV等のメディアで「永遠のテーマ」とかの部類で括られている。

このご時世だからか、以前よりもニュースを見る機会が増えた。
昼時は国営放送を見ることが多いが、専ら民間放送が主だ。
1時間それを見続けると、ほぼ確実にコマーシャルメッセージを1度は目にするだろう。

TVを見たことがある人なら、心にずっと残るCMが1つや2つはあると思う。
例えば、『結果にコミット』する企業だったり、『きれいなおねえさんは、好きですか。』と尋ねてくる企業だったり。

そんな『私的キャッチーなCM達』の中に、つい最近、新しく1つ加わった。

『二重術 ¥29.800-から』

このCMを目にした時、切り傷みたいな目をこれでもかと見開いた。

私は前述の『きれいなおねえさん』に憧れていたから、該社の最高ラインナップのヘアドライヤーを愛用している。
同社独自の微粒子イオンが発生する逸品で個人的に大変気に入っている。
購入時にはこれで、『きれいなおねえさん』への階段を登れるなら安いもんだ、と思った。
購入時の価格は「ゴールドポイント」を使用して、福沢諭吉が3人いれば、お釣りで居酒屋で一杯引っ掛けて帰れるくらいだったと思う。

そもそも二重瞼とはなんなのか。
『私史上、1番大好きな目を固定したい』
という、この題の企業の説明を借りると
「目を開けるときの筋肉が枝分かれしており、目を開くと(下方の筋肉が)引き込まれる」
とある。
この術を受けるほとんどの人は
「目を開けるときの筋肉が枝分かれしていない」一重瞼の人、ということになる。
解決法としては、その枝分かれしていない一直線の筋肉に糸を結ぶ、瞼板法と呼ばれている埋没法でクリアにする。

形あるモノ、いつかは壊れる。
自然の摂理である。
家宝だろうが、課金したゲームデータだろうが、人体だろうが、当て嵌まる。
その「いつか」が購入した当日に来る事だってある。そこで、「保証」があることの方が多い。
私が使っている、『きれいなおねいさん』の微粒子ドライヤーは、「ゴールドポイント」の付帯保証を付けて2年。
ところがどっこい、先の二重術では3年間の保証がある。
家電よりも人体に対する保証が長いのは納得できる。

そこで、一つ疑問があった。
『日本はそんなに美容整形している人が多いのだろうか』

答えは結構簡単に見つかった。

結論から言うと、多い。

日本は施術数世界第3位だった。
美容大国である韓国などが含まれていない為、暫定的な扱いになるが、年間に190万件も行われている。
国税調査によると、日本の女性人口は64,815,079人。
施術が全て女性というわけではないと思うが、これはかなりの数であるというのが分かる。

さらに言うと、日本において、メスを使う外科手術は全体の15%で(世界全体だと44%)少数だとわかった。
では、主たる施術は何なのかと言うと、皺や弛みを抑える薬剤注射、レーザー脱毛などの「プチ」なのだという。
薬剤注射は外科手術後のアフターケアがメインと推測したが、脱毛などは私の周りでもそれなりに皆やっているので、この結果にはすんなりと納得できた。

ここで一瞬、「ハッ」とした。
『みんなやってるから』
こんな考えが自分にもあったのか、と。

私は身体にメスを5回入れたことがある。
全て美容のためのものではない。
なので、普通の人より、メスを入れた後に傷跡がどうなるかとか、手術後、夜に麻酔が切れた後、叫ぶほどの痛みが襲ってくるとかはわかってるつもりでいた。
けれど、『きれいなおねえさん』みたいになれるなら耐えられるかな、とかいう思考が脳のどっかにあるんだなと痛感した。

やはり
『美』
は永遠のテーマ。

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