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"QLS"そして上外側上腕皮神経

みなさんこんにちは
志水です(@echohuku)

今回の記事は
”QLS"と"上外側上腕皮神経"についてになります

「QLSってなんだ?」
「QLSは知ってるけど、よくわからない」
「肩外側の痛みって"上外側上腕皮神経"っていうけど、何?」


今回の記事はこのように思った人には
"必見"の記事になっています!

記事の前半では
QLSの構成とそこからの"神経の分枝"ついて丁寧に説明します

そして
記事の後半では
エコーを用いてQLSから分枝する上外側上腕皮神経についてわかりやすく解説します!(エコーで観察すると、この神経の位置がはっきりと分かります)


この記事を読み終わる頃には
QLSについての基礎はバッチリ!
そして上外側上腕皮神経を触れるようになること間違いなし!

です。

まずは"QLS"の基礎

みなさん"QLS"ってなんの略、そしてなんのことか知っていますか?

QLS=Quadrilateral Space(クア(ワ)ドリラテラル スペース)
日本語では"外側腋窩隙","四辺形間隙","後方四角腔"などと多くの名称があります。
#いったいなぜこんなに呼び方があるんでしょう

ただ、このスペースは臨床において
重要な意味を示すことがしばしばあります。

ということでまず、
このスペースが"どういった組織"で構成されるかみていきましょう。

-QLSの構成要素-
🔻上腕三頭筋長頭の外側
🔻上腕骨頭(上腕骨頚部)の内側
🔻小円筋の下方
🔻大円筋の上方

イラストにするとこのような感じです↓

画像1

ちょっとイメージ付きましたか?

ではここで構成する軟部組織(筋)のちょっとしたおさらいです

上腕三頭筋長頭

画像2

小円筋

画像3

大円筋

画像4

(※肩関節周囲を網羅した記事はこちら)

では、
この"スペース"を構成する組織を把握したので

次はこの"スペース"に何が通るのか?

といったことについて説明していきますね


QLSには何が通過する?

このスペースには神経血管が通るのですが、
ここが何かしらのトラブルに見舞われることで症状が発生するものを

Quadlilateral Space syndrome

と呼びます。

そしてここを通るのは

🔻腋窩神経←神経
🔻後上腕回旋動脈・静脈←血管

となります。


つまり、
このスペースで障害が生じると
"腋窩神経障害"が起きる可能性があるということが
考えられます。(ここに関する詳しい記事は今後、執筆していく予定です。、)

そして
ここで考えなければいけないのが


腋窩神経障害といっても、
運動枝感覚枝が存在します。

ということはこれらの
運動枝と感覚枝が…

どのように"分枝"し
どのように"走行"し
どこに"分布"するか


ということを把握しておくと、
QLSにおける腋窩神経障害(このことを"QLSS"といいます)に臨床で遭遇したとしても、焦らなくて良いかもしれません。

そして今回はここから上腕の後面に走行する
・後枝(運動枝),上外側上腕皮神経(感覚枝)
・後上腕回旋動脈

について少しだけ解説していきたいと思います。

腋窩神経の分枝・走行・分布

腋窩神経の"運動枝"は
QLSを通過する"前"に前枝と後枝に分枝しますが、多くが分枝したままQLSへと向かいます。

そして、QLSを通過した後に…

前枝は三角筋の前部と中部へと分布します。
後枝は三角筋の後部と小円筋へと分布します。

また、"感覚枝"である"上外側上腕皮神経"
QLSを通過した後に上腕外側・後面へと広く分布するとされます↓。1)

画像5

つまり、”QLS部分”で神経障害が生じると三角筋の前部・中部・後部全てに筋力低下が生じる可能性が高いです。

そして、上腕の外側や後面に疼痛や知覚障害が生じることが臨床場面においてもあります。


そこで今回は最後に
この小円筋と上腕三頭筋外側頭との間に存在する
上外側上腕皮神経と後上腕回旋動脈のエコー動画をご覧ください

これを見ればこの部位での障害があるかどうかの
予測が立てられると思います!

ではどうぞ↓

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