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本日も晴天也

おはよう。朝だよ。朝っていうかもう昼だけど。

これは…10月ですね。
6月が終わろうとしている。私の未来も少し希望がチラついてきている。元々ないわけではないんだけど、具体的にこれから居座る場所が決まりそうな予感がしている。

ここ1ヶ月のこと。妙に皆に「変わったね」と言われることが多い。明るくなったとか、自信が見えるとか、そもそも成長したね、とか。それは実は私が1番思っていることで。
1か月前。最愛の恋人に別れを告げられた。
教育実習が終わった翌日のこと、よく晴れた昼下がり。突然のことだった。なんでこんなに空は明るいんだ。相手の門出なんて祝ってやる気はないのに。わたしも嬉しさなんて微塵もないのに。
心の中はにわか雨。この先なんとかなる、という確信と、突然の終わりにまだ追いつかない感情がせめぎ合って、雲が晴れることは少しの間なかった。

終わったものは仕方ない。今の私ができることは、自分をもっとキラキラさせること。悲しみが悲しみで終わらないように、いつかそれすらもよかった、いい事だと思えるようにすること。思い通りの未来を掴むこと。ただそれだけだった。
占いに縋りそうになったこともあった。でも所詮は自分の心持ちだ、と空元気で自分を鼓舞した。ところが仕方ないとは言ったものの、去ったかの猫は私の心の中でまだピアノを弾いている。長い睫毛を携えた目を閉じている。少し不器用で、少し幼くて、でもかっこよくて、可愛らしい人だった。まだ嫌いになんて到底なれなかった。
心の中の猫に会いたいと願い、毎日何かに追われるかの如く本を読み漁り、就職採用面接に向かい、たまに弱音を吐き、笑って泣く日々が続いていた。体重は彼と別れる直前から6キロ減った。
まあ、彼が戻ってきたって、新しい誰かが現れたって、私の未来って明るいよね。そう言い聞かせ続けた。どうでもいいわけではないけど謎の自信が溢れてきて、なんだかんだ総じてプラス1、くらいの日々を送れるようになったのは2週間くらい前のこと。

紫陽花の色が褪せて、6月も下旬にさしかかろうとする頃。気がつけば周りの評価も変わりだした頃。

「急にごめん、ちょっと話せる?」

次の日何かあるわけではない。テストセンターの試験を受けて、夕方からアルバイトだけ。そのくせ今日は気合いを入れようと思ってムダ毛処理をし、スキンケアも入念に(当社比)おこない、母親と笑いながら日課の日記を書いていたときだった。
久しぶりに見た。「咲」が名前につく人なんて、私の友人に殆どいない。思いついたもう1人は仲良い友人なので、苗字呼びをしているし、彼女も自分のことは謎のペンネームを使って呼んでいる。
かの、猫からの連絡だった。

紆余曲折。私と彼は友人として付き合いを再開した。電話の次の日、久しぶりに会った彼は少しだけ雰囲気が変わっていたものの、一目見て懐かしさが滲み出た。
付き合っていた頃行きたかったところに行って、アイスを食べながら近況を話した。地元にも送ってもらった。付き合っていたとき、1番落ち着いて楽しかったあの頃と似ていた。

たまにおはよう、とLINEをしてみたり、また一緒に出かけてみたりもした。インタビューに遭遇し、2人でテレビにも出てしまった。

そして今。私「たち」は岐路にいる。
私はずっと彼のことが好きだった。でも、もう彼に嘘はつきたくない。嘘をついていた。汚い過去を偽っていた。嫌われたくなかった。失望されたくなかった。アレがなければ今頃私はもっと堕落した人生を歩んでいただろうし、今の自分とはかけ離れたところにいたと思う。彼に出会うことも、惚れることもおそらくなかった。だからこそ、私は彼に受け入れて欲しいと、そう思う。過去は過去。今も、そして出会ったその日から、一目惚れしたあの日から、私は猫くんのことがずっと好きだよ。愛してるよ。
明日から、私は彼と一緒にいる道を取る。隣に彼が居続ける人生を選ぶ。離さないからな。

猫くんのおてて

私は貴方をもっと幸せにするよ。隣にいてくれるだけでいいよ。2人で幸せになろう。
ね、猫くん。じゃない。Mくん。


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