投球障害予防に必要な股関節
今回はL-tra.投球障害予防シリーズ第4弾!
「股関節」をテーマにご紹介します。
野球現場で選手や指導者さんがよく口にする
『下半身をうまく使えていない』
では、投げるためには
どのような下半身の使い方をすればよいのでしょうか?
今回は下半身のエネルギーを上半身に伝えるために必要な股関節の動きとトレーニングについて紹介していきます。
前回では軸脚の柔軟性について紹介しました。
今回の内容と併せてお読みいただけると、下半身の重要性が理解しやすくなるかと思います。
■投球動作に求められる股関節の重要性とは?
はじめに、投球動作における股関節の重要性から解説していきます。
軸脚・踏み込み脚にはそれぞれ異なる役割があります。
それぞれの異なる役割が組み合わさることで下半身のパワーの発揮につながり、上半身・ボールへとエネルギーが効率よく伝わっていきます。
この効率的なエネルギーの伝達によって、上半身の力に頼った投球動作を防ぎ、肩や肘のケガを防ぐことができます。また、球速アップやコントロール改善などパフォーマンス向上にもつながる重要な動きです。
体幹・骨盤とそれぞれの脚をつなぐ股関節がかみ合うことで、効率の良い動きにつながります。
投球障害の選手の多くに股関節が適切に動かせない選手が見受けられます。そういった選手は、動作において股関節がうまくかみ合わず、脚からのエネルギーの伝達が不十分となることで、上半身の力に頼った投球動作になってしまいます。
カラダが硬い!だけが問題ではないのです。
■軸脚−踏み込み脚の股関節の役割
では、軸脚・踏み込み脚の股関節は
それぞれどういった役割を持つのかについて解説していきます。
|軸脚
前回の記事にも挙げさせていただいた内容にもありますが、
軸脚には、以下の3点のポイントが重要になります。
投球動作は
片脚立ちから始動し、並進運動、前進運動と進んでいきます。
片脚立ち⇨並進運動・前進運動へと移っていく際に必要になってくるのが、前に進む力、すなわち推進力となります。
この推進力が低下している場合には、
上半身の力に頼った動作が大きくなってしまい、
投球障害につながりやすくなってしまいます。
推進力を生み出すためには、
軸脚の股関節の役割がとても重要になります。
|踏み込み脚
つづいて踏み込み脚について解説していきます。
投球動作の中盤〜後半にかけて、
踏み込み脚の役割が大きく必要とされます。
下のスライドにもあるように
足の接地と同時に軸脚から生まれた推進力は踏み込み脚へと伝わっていきます。
これを投球動作での重心移動といいます。
その重心移動によって伝わった推進力を踏み込み脚によって、さらに上半身・ボールへうまくエネルギーを伝達していかないといけません。
そのため、踏み込み脚に必要な役割としては、軸脚から伝わった前に推進するエネルギーを吸収して、上方向へのエネルギーへ変換することが必要となります。
やや難しく感じることもあるため、スライドをご参考ください。
それぞれを言い換えると、
吸収:ブレーキ機能
変換:回転運動が必要になります。
上記2点がうまく行えていないと、
上半身の力に頼った投球動作になってしまう可能性があります。
上半身が回転する力だけでなく、下半身からの回転力を作り出すためには、踏み込み脚の股関節の役割がとても重要になるのです。
|軸脚−踏み込み脚のつながり
今まで紹介してきました軸脚と踏み込み脚の役割は個別で働いたとしても、投球動作には結びつきません。
冒頭でもお話したように、軸脚−踏み込み脚のそれぞれの役割が組み合わさることで、上半身へエネルギーが伝達され、無駄の少ない効率的な投球動作につながります。
今回は、投球動作後半に必要となる踏み込み脚の股関節の役割を中心に、セルフチェックおよび改善トレーニングをお伝えします。
■<踏み込み脚>股関節のセルフチェック・改善トレーニング
①柔軟性
<セルフチェック>
股関節を内側に捻ることが出来るか
|方法
①手を後ろについた状態で座ります。
②膝・股関節をそれぞれ90°くらいに曲げて、肩幅の1.5倍ほど足幅を広げます。
③坐骨が浮かないように膝を内側に倒していきます。
|Check point
⇨膝が足首と反対の膝を結ぶ線よりも倒せればOK
<改善ストレッチ>
|方法
①伸ばしたい方の脚を上にして組みます。
②坐骨が浮かないように膝を胸に近づけていきます。
③さらに、伸ばしたい方は肘で膝を抑えながら反対側に振り向いていき、上半身を捻っていきます。
②ブレーキ機能
<セルフチェック>
踏み込み脚でカラダを支えたまま後方に重心移動ができるか
|方法
①両手を後頭部で組みます。
②片脚(踏み込み脚)で立ち、もう一方の脚(軸脚)を後ろへ伸ばしていきます。
③前脚の踵〜後脚の踵までの長さを測ります。
|Check point
⇨リーチの距離が自分自身の脚の長さ(骨盤〜足裏)よりも長ければOK
※脚の長さの計測
メジャーを用いなくとも、マーカーなど目印になるものを使用することで、およその位置を確認できます。
<トレーニング>
|方法
①前方と後方に目標物となるものをセルフチェックの計測値よりも遠くに置きます。
②目標物に向かって手足を伸ばしていきます。
③目標物に触れたら元の姿勢に戻ります。
※バランスを崩さないようにしっかり支えて行いましょう!
レベルアップをするための課題として、目標物の位置をずらして横方向へのリーチもやってみましょう!
③回転機能
<セルフチェック>
踏み込み脚を軸にして、上半身を回転させることができるか
|方法
①踏み込み脚を前にして、4足分軸足を後ろに下げます。
②投球側の手を踏み込み脚の外側へと伸ばしていきます。
※この時に骨盤が外に流れたり、膝が外に開いたりしないように注意しましょう!
③踏み込み脚の親指〜伸ばした手の指先までの距離を測ります。
|Check Point
⇨リーチの距離が自分自身の腕の長さ(肩〜指先)よりも長ければOK
<トレーニング>
|方法
①セルフチェックと同様の姿勢をとります。
②ボールを用いて、骨盤や膝の開きに注意しながらピックアップを繰り返します。
自分のリーチ距離よりも長い距離を目指しましょう!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ライター
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