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投球動作分析シリーズ3-肘後方の痛みを紐解く2つのメカニズム‐

noteではこのような方に読んでいただきたいと思っております!

■投球動作の理解が難しい

■野球肘の病態と動作の関係性がわからない

■臨床で見るポイントを知りたい

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野球肘は投球障害の中でも多くを占めるケガです。整形外科のリハビリテーションに関わる方は野球肘の小中学生選手などを臨床で見る機会もあるのではないでしょうか。


投球動作は競技をしていたりすると、少なからず動作の理解がしやすいですが、競技経験がなかったりすると専門用語を含め、”複雑で難しい”というイメージを持たれることが多いという声をよく聞きます。


投球動作だけでなく歩行分析においても「動作」をみていくときに、「動作を全部見る」というのは簡単なことではありません。


しかし、投球動作における
病態の知識>と
<どのような動作がストレスを招き病態につながるのか>が繋がることで動作の理解がしやすくなると思っています。

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ここで大切にしていただきたいのが、
肘のメカニカルストレスと動作の関係性」を考えることです。


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私のnoteではここまで全3回野球肘の動作分析を内側・外側・後方とまとめてきました。

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どの部分の野球肘においても「外反ストレス」がキーワードです。

・なぜ、選手によって外反ストレスの差があるのか

・外反ストレスがどのように内側・外側・後方の肘の負荷を強めるのか

これを理解するには《投球動作の特性》を知る必要があります。

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そこで今回は、投球肘障害の後方型とその動作特性について、解説していきます。

後方型は内側型と比較すると、数は少ない障害です。

しかし、圧倒的に数の多い内側型野球肘に随伴して起こることや重篤な野球肘をきたす可能性があることから、内側型の選手が後方に障害を及ぼさないための知識・動作特性は理解しておく必要があると思います。

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◼️後方型野球肘における病態のメカニズム


はじめに、投球動作においてなぜ肘後方に痛みがでるのか?について解説していきます。

後方型の野球肘には大きく分けて2つの成因が挙げられています。

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|衝突型

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肘外反ストレスの大きくかかる投球の繰り返しにより慢性的に肘内側側副靱帯や前腕尺側筋群が伸張されます。

次第に肘の外反を制動する機能が低下し、投球時の外反ストレスが大きく加わってしまいます。内側型野球肘を以前に発症していたりする選手も多くいます。

下図にもまとめていますが、投球動作においてAcceleration期での肘の外反により骨同士が衝突し、後方の肘の痛み・後方型野球肘の発症につながっていきます。

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|牽引型

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