投球障害予防のための柔軟性-肩・肘編-
■投球障害とは
投球障害とは主に投球動作による障害を指し、
「野球肩」や「野球肘」が代表的なケガです。
投球障害につながる要因は
柔軟性低下・筋力低下・フォーム不良などの身体的な要因と
投げすぎなどの選手の環境的な要因に大きく分けられます。
投球動作は腕の振りによって投げられるため、負担が強くかかる肩・肘が注目されますが、下半身の力を体幹に伝え、肩・肘・手を伝達して投球動作を行うため、肩肘以外にも体幹や下半身の影響を大きく受けます。
そのため、特に柔軟性低下はケガの要因を大きく占めるものであり、上半身・体幹・下半身それぞれの動きが求められます。
■投球動作に求められる柔軟性
投球動作には大きく分けて5つの動きに分けられます。
とくに野球肩・野球肘は図の赤線のように投球動作の後半に痛めます。
後半の動きは特に肩や肘に大きな動きが求められます。
この場面に
求められる動きを改善していくこと
+痛みが起こる前の動きを改善すること
+自分が動かせる可動域を拡げること
が投球障害の予防につながります。
|改善のためのポイント
|投球動作と痛みの関係性
先述しましたが投球障害で痛みを起こしやすい動作は投球動作の後半にあります。カラダの柔軟性低下が痛みにつながることは多くあります。
そのため、大きな動きが求められる投球動作の動きを十分に理解しておく必要があります。
|肩と胸郭のつながり
肩の動きは投球動作を行う上でとても重要になります。
そのため、肩と隣り合う「胸郭」の動きを引き出すことがケガの予防につながります。
|回旋運動
投球動作は軸脚から踏み込んだ足に向かって大きく回旋しながら投球します。肩にも回旋運動がかかることで筋肉は引き伸ばされていきます。
ケガを予防するためには、回旋を加えた運動がプラスされることで、より筋肉を伸ばすことができます。
■肩・肘柔軟性チェック
今回は4つの動きの柔軟性チェックをご紹介します。
セルフチェック後にエラーのある動きを改善していきます。
|肩の前側の柔軟性
|肩の後側の柔軟性
|肘の前側の柔軟性
|肘の後側の柔軟性
|肩の前側の柔軟性チェック -背中に手を回せるか-
|肩の後側の柔軟性チェック -反対側の肩に手を伸ばせるか-
|肘の前側の柔軟性チェック -肘がまっすぐに伸ばせるか-
|肘の後側の柔軟性チェック -手が肩につくまで曲げられるか-
■予防ストレッチ方法
柔軟性チェックで問題のあった動きを改善していきます。
運動別に解説していますのでご活用ください。
|肩前側のストレッチ
肩の前側のストレッチ①
(引用|Visible body)
|方法
①手を身体の後ろに肩幅より広めに置き、胸を張っていきます。
②手の置く位置を身体から離していき、さらに伸ばしていきます。
③指の向きを後ろ→前に変えることで、腕の前側の筋肉も一緒に伸ばすことができます。
※腰を反らず、胸を張るようにしましょう。
肩の前側のストレッチ②
(引用|Visible body)
|方法
①バットなどの棒を使って、下の腕を引き上げていきます。
②肘の向きが後ろを向かないように伸ばしていきます。
肩の前側のストレッチ③
(引用|Visible body)
|方法
①肘と手首を壁につけたまま、胸を開いていきます。
②肘の高さを下→上に変えることで、胸の伸ばす位置を上→下へ変えることができます。
③身体を回旋するようにしながら行うと、胸をさらに伸ばすことができます。
|肩後側のストレッチ
肩の後側のストレッチ①
(引用|Visible body)
|方法
①伸ばす方の腕を前に伸ばして、肩を落としていきます。
②手のひらの向きを上→下へ変えることで、伸ばす部分を背中→脇の下へ変えていきます。
③腕を出す方向を前→横へ変えることで、伸ばす部分を脇の下→肩の後側へ変えることができます。
肩の後側のストレッチ③
(引用|Visible body)
|方法
①手首を腰に添えて、肘を前に出していきます。
②反対側の手で前に動かしていきます。
肩の後側のストレッチ③
(引用|Visible body)
|方法
①肘を曲げた状態で腕を挙げて、身体を壁側へ倒していきます。
②腕の後側~脇にかけての筋肉を伸ばしていきます。
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ここまで、野球肩・肘予防に必要なストレッチ方法をご紹介させていただきました。どの運動においても”ひとりでできる”内容であるため、柔軟性のセルフチェックで自分の弱点を整理して取り組んでみてください!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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