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「ニホンカナヘビ」ところ変われば激レアな爬虫類※写真はニホントカゲです!

2024/7/11追記
※注意※
本記事にて「ニホンカナヘビ」と紹介している写真は、すべてニホントカゲでした。誤った情報を掲載してしまい、申し訳ございませんでした。
ニホンカナヘビの写真を撮影でき次第、写真を差し替えて再投稿予定です。

すき間からひょっこり!
日差しを好む「小竜」

 散歩が好きで習慣にしているのですが、外出すれば道脇の溝や小石のすき間にも目を配るようにしています。よくみてみると、なにかしらの生き物が潜んでいるからです。

 この日はニホンカナヘビ(2024/7/11ニホントカゲでした)に出会ったので、紹介しようと思います。体が周囲と同化した灰褐色をしているので、じっとしているとみつけにくいのですが、わたしの影を感じた途端にカサカサと動きだして撮影することができました。ネコか鳥に襲われたのでしょうか、尻尾が切れていました。

動きだしたニホンカナヘビ(2024/7/11ニホントカゲでした)

 そのまま小石を登ったり、一度すき間に身を隠そうとしながらも、日向へと進んでいるようにみえました。ニホンカナヘビは日当たりの良い草地を好み、コンクリート上で日光浴する姿がよく確認できます。近くでみるとまさに太古の王者「恐竜」を思わせる風貌ですが、サイズ感は「恐」ではなくいうなれば「小竜」。ひなたぼっこが好きというところもほのぼのしてかわいらしいですね。

姿は「トカゲ」でも
「トカゲ科」じゃない

 「カナヘビ」という名前ですが、ニホンカナヘビにはしっかりと4本の肢(あし)があり、トカゲのようなみた目をしています。ですが、じつは「トカゲ科」でもありません。ニホンカナヘビは「カナヘビ科」に属する爬虫類です。

 よく目にするニホントカゲと本種とで、どんな違いがあるのでしょうか。皮膚をみると、一目瞭然です。ニホントカゲはてらてらとツヤのある皮膚をしているのに対して、ニホンカナヘビは白くかさついた皮膚です。ニホントカゲには模様があるのも特徴ですね。

ニホンカナヘビ(2024/7/11ツヤがあるのでニホントカゲでした)
ニホントカゲ(2024/7/11ニホントカゲの幼体)

道東部では目撃が少数
東京では絶滅危機

 ニホンカナヘビはわたしの散歩コースではよくみる生き物なのですが、目撃例が少ない場所もありますそうです。たとえば、北海道。道北の一部では生息が確認されていないらしく、道東でもなかなかみられなとのこと。

 さらに東京23区では激減していて、絶滅の危機に瀕しています。激減の理由としては、都市化が進んだために雑草が放置されているような場所がなくなり、それによってエサとなる昆虫も減ってしまったからだと考えられています。

日向に顔を出すニホンカナヘビ(2024/7/11ニホントカゲでした)

 わたしたち人類にとって住みやすい環境が増えれば、反対に住みにくくなってしまう生き物がいるのは、この地球の本質といえるでしょう。ニホンカナヘビをよくみかける散歩道は、わたしにとっても、この小さな生き物にとっても適度に住みやすい場所だと思います。そうした環境を増やすことは難しいかもしれませんが、せめて守っていけるようにしたいですね。

参考文献
・本橋綾香「トカゲとカナヘビはどう違う?」飯能市立博物館 2022年
・持田誠(2018)「浦幌町におけるニホンカナヘビの記録」浦幌町博物館紀要 P43
・「小恐竜」ニホンカナヘビ、行き場を失ったか…東京23区で絶滅危機 読売新聞2022年8月5日


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