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ホタルイカは自分で光って眩しくないのかを調べたかった

茹で干しを食べながら思う
深海イカの目の事情

 体調を崩してからアルコールは医者から止められているのですが、とある事情からおつまみ用の茹で干ししたホタルイカを買うこととなり、炭酸飲料と一緒におやつ感覚でいただいていました。つまんで食べられる大きさながら、イカのしっかりとした弾力があり、あまからい味付けもあってご飯のおかずでもよかったな、と食べ終わってから思うのでした。

ホタルイカの茹で干し

 もうひとつ思うところがあって、ホタルイカは「ホタル」の名がつくように、発光する生き物です。そして、ホタルイカは水深200mを超える深海に生息します。深海にすむ生き物は目が退化している種もいますが、ホタルイカはどうなのでしょう。茹で干しのホタルイカを見ると、しっかりとした目がついています。彼らは自分が放つ光を眩しく感じることはないのでしょうか。調べてみましたが、正直、あまりよくわかりませんでした。

発光器の役割は
危険のシグナルなど

 そもそもホタルイカの、どのあたりが光るのでしょう。書籍によると、触腕の部分と体(背中側が除く)、そして目の下のあたりに発光器が確認できるそうです。目の下あたりにも発光器が備えられているとのこと。そうなると余計、ホタルイカは自分の光で眩しくならないのか心配になってきました。

 触腕が光る理由としては、天敵を驚かせたり仲間に危険を知らせるシグナルを発信するためだそうで、体にある発光器は、海中で身を隠すためと考えられています。しかし、目の下の発光器は、どういう理由で存在するのか、未だに不明です(2024年4月時点)。逆に深海だからこそ、目の近くが光るから視認性が向上して、近づいてくる外敵を発見できやすくなるのでしょうか。想像してみても、ホタルイカの気持ちには近づけないような気がします。

発光するホタルイカのイメージ。
実際は青色の光を放つ

光量を調節する
虹彩がない不思議な目

 さて、肝心のホタルイカの目についてですが、私が手元に揃えることができた資料はとても専門性が高くて、その内容を完全に理解することはできませんでした。わかったことといえば、海に生きるタコやイカといった生物は、光が充分にあるとき、目の中にある「虹彩」を絞って、目に入る光の量を調節するそうです。しかし、ホタルイカにはこの虹彩が確認されていません。
 ということは、やっぱりホタルイカは眩しさを感じてるのでは? そう思ったのですが、そもそもこの「眩しさ」というものを感じる部位さえないのかもしれないな、と個人的に感じました。

食品加工されていても目が目立つホタルイカ

 今後ほかの資料にも目を通しつつ、ホタルイカの目の秘密を調べていこうと思いました。ただ、ほかにもまだ、記事にしてみたい生き物がたくさんいますので、私がまたホタルイカに関心を向ける日が来るのか、来ないのか、自分でもよくわからないのが本音です。目の秘密だけに、見通しがつかないということで。ま、いっか。

参考文献
・阿部秀樹『ホタルイカは青く光る』小学館 2021年
・清道正嗣、成田欣也「ホタルイカの視物質と網膜構造の特異性」生物物理33巻4号 P207-211 1993年

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