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「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」感想と要点紹介③

こんにちは、papaたぬきです。

不安や恐れを感じたとき、それを打ち消すように何かしらの行動をとったことってありますよね。
仕事のストレスから逃れるために暴飲暴食をしたり、ゲームにのめり込んだり、お金をたくさん使ったり…
ここでひとつ考えたいことは、「不快な思考や感情を追い払う努力が人生を余計に悪くしているとしたら?」「解決しようという努力が問題を作り出しているとしたら?」ということです。

2つのコントロール戦略

ストレスがかかっているときに自分の感情をコントロールしようとする対応を「コントロール戦略」と呼びます。
コントロール戦略には2種類あり、「闘争戦略」と「逃走戦略」といいます。

闘争戦略とは、望ましくない思考や感情をねじ伏せようとする方法です。たとえば、

・抑圧する
・反論する
・叱咤激励する、感情を誤魔化す
・自分を責める、批判する

などが挙げられます。

逃走戦略とは、それらを避け、遠ざけようとする方法です。たとえば、

・隠れる、逃避する
・気を逸らす
・薬、麻薬、アルコールで感覚を麻痺させる

などが挙げられます。

とはいっても、コントロール戦略が全てダメという訳ではなく、以下の場合はOKとみなされます。

・適度に使う場合
・うまくいくときだけ使う場合
・あなたにとって価値ある行動が妨げられない場合

逆に、コントロール戦略がNGの場合は以下の通りです。

・過度に使用する場合
・うまく働かないのに使用する場合
・それをすることによって、あなたにとって価値あることができなくなってしまう場合

コントロール戦略が効果をあげないとき、私たちは焦りの気持ちからより効果的なコントロール戦略がないかと必死になります。

しかし、コントロール戦略は以下の3つの大きな欠点があるといわれています。

1.多くの時間とエネルギーを使う割に、長期的には効果が薄い。
2.追いやった思考と感情はすぐに戻ってきてしまうため、自分は愚かで不完全で弱いと感じてしまう。
3.短期的に不快感を封じ込める戦略の多くは、長期的には生活の質を損なう。

こうした望まない結果によりさらに不快感が生まれ、人々はさらなるコントロールを試みてしまうといった、悪循環があります。

私たちは幸福になるために嫌な感情を排除しようとしますが、排除すればするほど感情は再生産されてしまうのです。
そしてなにより、それらの行動は決して楽しく満足のいく行動にはならないのです。

何かを恐れ、そこから逃れようとしているとき、楽しむことは非常に難しいのです。

しかし、自分にとってそれらの行動が心から大切であるとき、その行動をコントロール戦略とは呼びません。
それらは「価値に導かれた行動」と呼ばれ、長期的にあなたの人生をより良くするものとなります。

いかに幸福の罠から抜け出せるのか?
それには自己認識を高めるのが最初のステップになります。
不快感を避けるために日々行なっているすべての行動に気づき、その結果にも注目していくのが大切です。
罠にハマっていることに気づくのが早いほど、抜け出すのも早くなるといわれています。
勇気を出して、罠と、罠にハマっている自分自身をありのままに見るのが大切ということです。

続きは、また次回に。

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