見出し画像

「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」感想と要点紹介①

こんにちは、papaたぬきです。
今回は書籍「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」を読んだ感想と、気になるポイントの紹介を何遍かに分けてしていきたいと思います。
基本的には書籍の内容に沿った順序と内容でお伝えしますが、私の理解した言葉で書きたいと思います。
何より詳しく知りたい方はぜひ実際に書籍を手に取って読んでいただきたいと思います。
私自身ACTに関する書籍をいくつか読んできましたが、この書籍は入門編としては最適な内容だと思います。「これからACTを勉強したい、でも何から手をつければいいかわからない」といった人がいましたらお勧めの一冊です。
簡易な言葉の使い方で読みやすく、重要なポイントは何度も書かれてくるので自然と再認学習がなされ知識が身につきやすいつくりになっていると思います。
また、「ACTの入門書」といったつくりにはなっていますが、特に心理の専門家でなくても、人生に生きにくさを感じている当事者や、価値ある人生を歩みたいと考えており自己啓発的な内容が好きな方でも、改めて気づけるポイントが多く書かれているのでお勧めです。

ACTとは

ACTは、「アクト」と呼びます。
ACTとは、「Acceptance and Commitment Therapy(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」の頭文字をそれぞれとったもので、心理療法のひとつです。
アメリカの心理学者、スティーブン・ヘイズとその同僚、ケリー・ウィルソンとカーク・ストローサルによって開発され、うつ、不安神経症、慢性の痛み、麻薬中毒、統合失調症などといった様々な症状に驚くべき効果を発揮したと言われています。

ACTの目的

ACTの目的は、「人生を豊かに、最大限に、そして意味あるものにすると同時に、人生で不可避である苦痛に効果的に対処するための手助けをすること」と言われています。
心理療法を求める人は、人生において何かしらの苦痛を感じており、多くの場合何かしらの身体・精神的な症状も現していることがありますが、ACTの特徴としては症状や苦痛を取り去ることを目的にしておらず、もし苦痛が減少するとしたらそれはあくまで副産物であるという点です。
一番のねらいとしては、人が苦痛から目を背け一時的でも快楽を求めてしまう「幸福の罠」にハマりつつあることに気づき、当然な苦痛を回避するのでなく適切に受け入れ、価値に向かって生きるための適切な行動は何かを考え、スモールステップの計画をもって実行にうつすことだといえます。
各それぞれのポイントには、心構えやテクニック、体験するワークなどが多彩に考えられており、実践的といえます。

進化した危機管理能力による弊害

人間の心は世代が進むごとに危険を予知し避けることに長けていきました。
我々の祖先である原始人の時代では、生き延びるための食糧確保、猛獣に襲われることの回避、雨風を凌ぐための居住スペースの確保、その他にも周囲に気を払い様々な変化を見逃さず先手を打って対応をしてきたのです。
また集団から疎外されないよう社会性を保つことも生命の存続をかけた大切な行動とも考えられていました。
そのような、危機管理能力と社会性に長けた人種が現代まで子孫を残すことができ、我々が存在しているともいえます。
かくして十万年の進化ののち、現代人の心は皮肉なことに、常に用心し、起こること全てを評価・判断するようになっていきました。
ほとんど実際には起こらない出来事を心配し、周囲と自分を比較し、他者を批判し、自分に足りないものに注意を向け、在るものでは満足せず、理想の快楽を常に求め続ける脳になっているのだと考えられています。

幸福とは

ひとつは「気分がいいもの」、いいかえれば、喜び、嬉しさ、感謝などの感覚を味わうことだといえます。
しかしどんなに必死に保持しようとしても幸福は消えてしまいやすく、その幸福を求め続ける人生は長い目で見ればとても不満足な結果に終わりやすいといわれており、追い求めるほど不安とうつに悩まされる結果になりやすいともいわれています。
もうひとつの幸福の意味は「豊かな、満ち足りた、意味ある人生」といわれています。
心の底から重要と考える問題に対して行動を起こすとき、価値があると思う方向に動き出すとき、人生を通して信じるものを明確化しそれに従って生きるとき、人生は豊かで満ち足りた意味あるものになり、生命の力強い感覚を経験するといわれています。
そのかわり、同時に、不快な感覚、悲しみ、恐れ、怒りなども引き起こしていきますが、これは人生を目一杯生きようとする人であれば当然な感情です。
人生は痛みを伴うのが現実で、それから逃れる方法はないのです。
当然生じてくる痛みは避けられませんが、ACTではその痛みや不快感をターゲットにし、解決できない感情や現実であっても、圧倒されずに自分自身をコントロールしていく方法を身につけていくことを進めていきます。

続きは、また次回に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?