フリーエンジニア 住む部屋が無くなりそうになった時のハナシ その1

何事もきちんと計画しなければならない

 人生には色々なコトがあり、時には思いもよらないイベントが起こる。過ぎ去ってみればいい思い出になったりするけれど、二度と経験したくない思い出もあったりする。
 オッサンも社会人としてギリギリのやらかしをいくつかやってきたが、その中でもフリーエンジニアになった時にやらかしたことを振り返ってみようと思ってこの記事を作成した。

 その原因がサラリーマン時代にあったので少し遡ってみた。

きっかけはコロナ禍

 サラリーマン末期時代はホワイティな大企業で働いていたためコロナ禍になると100%在宅勤務で理由もなくオフィスに行くと叱責されるなんてコトにまで発展した。
 それでも、一部の役職者や社員は出社をしたがったようで(これが不思議なことに全員50代だったそうだ)、マジでしょうもない理由を作っては出社していたらしい。そして会社からリモートワークをしている部下に電話をするという、よくわからんことをやっていたそうな。チャットもWeb会議も出来る仕組みがあるというのに。そもそも、IT企業だぞ、この会社は

 その後、各所からの苦情が殺到したらしく、課長承認の業務申請書フローがなかなか電子化されない中、事業部部長や執行役員の承認が必要なオフィス出勤許可の申請書フローが神速の勢いで電子化され事態は沈静化された。
 人間、何事にも本気で取り組めば成果はでるものである。

 そんな状況なのでオッサンもリモートワークで働くことになったわけだが、元々オフィスより自宅で仕事をした方が捗るタイプである。
 上司や同僚、後輩に声をかけられてやりかけていた仕事が中断したり、意味が分からない案件進捗会議に長時間拘束されたり、ほげほげ何を言っているのか言語不明瞭な会長とそれを翻訳する社長が主催する全体会議に出ないといけなかったり、お客さん先に会議で移動したり、喫煙所を往復したり、コンビニで立ち読みしたり、喫茶店でコーヒーを飲んだり、といった無駄な時間がなくなれば、正直、多少は暇になる。
 会社支給のノートPCで色々とやると面倒なので、自分のPCを使って暇つぶしに技術情報の収集にネットサーフィンをする余裕ができはじめていた。
 
 その日も、朝礼のWeb会議が終わり次のWeb会議まで30分ぐらいあったため「Yahooニュースのリンクの色を変える作業」(油断をすると変えたリンクの色が戻ってるので定期巡回が必要)を勤しんでいた時に何気ないバナー広告が目に入り、普段であればクリックすることはないにも関わらず思わずそのバナー広告クリックしてしまった。

 全てはここからはじまる。

地方移住という甘い罠

 そのバナー広告は地方移住に補助金が出るという内容で、国や地方がリモートワーク移住を推進しているらしい。なんと60万円も貰える。

 色々と調べてみると東京23区という都会のど真ん中に住んでいたオッサンは移住の対象者となるらしく受け入れてくれる南東北地方(千葉・埼玉)といったあたりや、極東海地方(神奈川県)というところも場所によっては補助金を出しているようだ。
 物件情報をざっと検索してみたが今住んでいる部屋より家賃が安いのに2倍ぐらい広い部屋に住めることも分かった。これはすごい。
 窓と天井しかない部屋にいろどりを加えることができるかもしれない。
 
 ふむ。
 アリか?
 
 だが、ちょっと待って欲しい。
 コロナ禍が終わればリモートワークの頻度も減るのではないか?
 23区に住んでいることで通勤時間が短いというメリットをその時の気分で断ち切っていいものではない。
 ドアドア40分程度で通える立地を簡単に手放してもいいものだろうか。

そうだ、新幹線に乗ろう

 東京駅まで出ることが出来ればいいので、新幹線に乗れるターミナル駅を候補とすればいいということに気が付いた。どうやら小田原駅や大宮駅は30分も新幹線に乗れば東京駅に着けるらしい。下手な場所に住むより通勤時間短いじゃないか。素晴らしい発想。

 色々な検討を重ねた結果、小田原駅に決め引っ越し先の候補を選定しはじめた。調べれば調べるほどいい場所に感じる。素晴らしい都市。

 既に心は小田原にある。あとは体をどうやって移動させるかだけだ。
 と、その前に。
 上司に言っておかないとな。

 Web会議をカレンダーから入れて上司のスケジュールを確保。カレンダーを見る限り役職者は軒並みヒマになっているようだ。社外会議はあるもののWeb会議となっているので移動時間が減った結果らしい。オッサンの上司も移動となっていた時間枠が解除され午前と午後と夕方の3つの社外会議しかスケジュールが埋まっていない。このヒト、本当は暇なんじゃねぇのか?

現実は非常である

 上司はリモートワークで地方移住の相談が会社全体で多くなっていると話し始めた。
 そりゃそうだろう。
 通勤時間はサービス残業。誰も好き好んで満員電車に揺られたくない。
 リモートワーク以前に満員電車での通勤がそもそもキビシイ。
 
 通学と思われる制服女子がラッシュ時に近くにいる時のサラリーマンの緊張感は給与査定やボーナス査定時の役員面接を超えるものがある。
 女性専用車両があって男性専用車両はないのはなぜか。

 そして、従業員就業規定を表示しながらある一文について説明があった。

 通勤距離が片道で50キロを超えない範囲に住むこと。

 ・・・・・・。
 終了。

 この直後に名古屋事件が起こりそのまま退職の道に突き進むことになるのだが、リモートワークであるなら地方に住むという方法があることを明確に意識するきっかけとなる。
 そして、リモートワークであればどこに住んでもいいという考えに行きついてしまい足元を掬われることになるのだが、かなり長文になってしまったので、その2に分割することにする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?