フリーエンジニア 住む部屋が無くなりそうになった時のハナシ 最終話

やっぱり計画はした方がいい

 前回までのあらすじ。
 スルー推奨。

保証会社の審査が通らない

 フリーエンジニアになってからの月額報酬額はサラリーマン時代の月収3倍程度になったものの、それを証明する公的書類がない状況ではいかんともしがたい状況であることに気が付くにはそんなに時間が必要ではなった。

 手元にあるのはサラリーマン時代の半年分の給与の源泉徴収票のみ。
 確定申告をする前であるため公的書類はこれしかないのだ。

 不動産屋の解説と、自分で調べた限り保証会社にはいくつか種類があることがわかった。大きく分けると信販系と独立系というものらしい。

 信販系は信用情報を参照しながら審査を進める。
 独立系は各企業の中にある審査基準で審査を進める。

 つまり、今のオッサンの状況であれば独立系の審査会社が審査する物件ではないと相当に厳しいとなっている。
 実際にこの状況では信販系の審査会社に落ち続けた。
 1回落ちてしまった信販系審査会社は次の物件ではもう使えない。 

 面倒くさい課題にも直面する。

 不動産物件を検索できる大手のサイトでは、保証会社の利用の可否だけは書かれているものの、どの審査会社が利用できるかまでは書かれていないことがほとんどなのである。 
 仲介会社も実際に物件を管理している管理会社にどの保証会社を利用しているかを問い合わせないとわからないことが多く、そのため不動産会社に足を運んで物件について直接聞かないといけないことになる。

 中には独立系保証会社を扱う物件は仲介していないといった不動産屋もあり、事前に把握することが出来ない情報もあったりする。 

物件仲介会社のスゴ腕営業との邂逅

 そんな中、とある県にある不動産仲介会社のスゴ腕営業と出会う。 

 半年分の給与源泉徴収票で借りれる物件を探した時にそのエリアの地方に行くしかなかったからである。都内で借りることが出来ないなら他の場所を探すしかない。かといって移住というまで距離が離れてしまうと行ってダメだった時のダメージがデカすぎて躊躇をしてしまう。空き家バンクなんてものも考えていたりしたが、そこまでどっかりと腰を下ろしたいわけでもない。

 東京駅から特急料金を払い1時間以上電車に乗るというもはや旅レベルのエリアの物件仲介会社にその営業はいた。

 既に10件以上の物件仲介会社を渡り歩いてしまったためこの後の展開が分かってしまっている。
 とりあえず現在の状況をよどみなく説明して、それならとそれっぽい物件の紙を印刷し、どの部屋を内見しますか、という流れになるのがパターンである。今までそうだった。パターンを外れたことがない。
 
 ところがこの営業さん。
 「個人事業主開業届と青色申告届。あと受注書と請求書はあるだけ持って来て下さい。それも込みで審査対応してくれる保証会社知ってます。一番いい物件を見つけましょう!」
 
 泣いた。
 
 後から聞いたところ、プロゲーマーの賃貸仲介をしたことがあったらしくその時には獲得賞金を証明する賞状なども審査に提出したらしい。あの時に比べると受注書や請求書がありキチンと働いているフリーのエンジニアなら余裕で通るし、実際に何件も審査を通ってるとのことだった。
 
 今までの賃貸仲介業者はここまでやってくれなかったな。

 もう1つ気になったのは、同じ状況のフリーのエンジニアがこのエリアに何人か住んでいるということ。
 どこの不動産賃貸会社でもダメで、このエリアに流れ着いて、この賃貸仲介会社にたどり着き、この営業が担当となったのケースがありそうだ。

 同志諸君。
 これから宜しく頼もう。

 

やっぱり紙一重の判断だった。

 ようやく騒音マンションからの撤退先が決まったため退去届を出すことになったのだが、ここで今の収入状況で賃貸更新ができるかを試しに聞いてみた。2年ごとの不動産更新をするたびに必要書類を提出しないといけない結構、キッチリした物件だったのである。

 結論からいうと、非常に厳しいかもしれないという返答となった。 
 
 きっかけは隣室のマンション騒音による引っ越しではあったが、あのまま部屋に居続けても更新が危なかったのだ。むしろ、静かに過ごしていた場合には危ない状況であることに気が付かないままだった可能性が高く、色々なものが手遅れになってたはずだ。

 フリーのエンジニアになる時には賃貸更新のタイミングもきちんと視野に入れておいた方がいい、との教訓を得た。
 
 長い長い文章で申し訳ないが、言いたいことは、たったこの2行である。


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