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未婚シングルになるまでの壮絶な戦い(最終章)


未婚シングルの私が、なぜ未婚になったのかを綴るノンフィクション物語
本日、ついに完結です。

1章〜3章はこちら↓


裏切りに苦しめられた日々

この頃には、彼に対する気持ちはもう綺麗さっぱり無くなっていました。あとは今後のことだけです。どう制裁を与えるか、いかにダメージを与えるか、どれだけお金を取り返せるか、そういうことだけを考えていこう。あとはお腹の子供のことを考えて、穏やかに過ごそう。

そう思ってはいるものの、トラウマというものは怖いですね。しばらくの間、1人きりにはなれませんでした。1人にならないように、家族、友達、祖父母、誰かしらと一緒にいました。誰かと一緒にいることで自分を保ち、子供のことを考えられました。
そんな中でも1人になるときはあります。その途端にパパがいないこの子への罪悪感に襲われ、なぜ自分がこんなにも苦しめられないといけないのか。夢や家族になるつもりだった人を失い、一番信じていた人に裏切られ、心を踏みにじられ、なぜ生きていないといけないのか。苦しみ、もがき、死にたくてたまりませんでした。

食欲もない。お腹の子に栄養を与えるために食べないといけない。でも食べられない。
母と弟と3人でイオンのフードコートでオムライスを頼んだものの食べられなくて、私の分まで黙って食べてくれた弟の優しさに涙した日。びっくりドンキーというハンバーグ店で一人前注文したものの食べられず、祖母に「お腹の子供のためにも食べなさい!」と怒鳴られ、「食べれるんやったら食べてるわ!」と店の中で発狂し、その場で号泣した日。叔父にもらった結婚祝いを、結婚できなかったから返したのですが、何も言わずに受け取ってくれた叔父の優しさ。引越しの荷物を実家に運んでいる最中に会った祖父母の知り合いは、子供できたのになんで実家に戻るの?と不思議そうで、祖母がヒソヒソ話で知り合いに話していたこと。子供は隠すべき子供なのか。結婚祝いを返す惨めな小娘、そう思われているんじゃないか。そう思って止みませんでした。今でも思い出すと胸がざわつき、涙が滲みます。本当に生きているのが辛かった。でもお腹に宿った命に罪はないから死ねない。ただただ苦しみました。


延びていく公正証書作成

母と話し合い、彼には子供を認知してもらい、公正証書を作って養育費を貰おうという話になりました。
私は個人で彼とやりとりすると死にたい気持ちが増すため、母が彼と連絡をとってくれていました。公正証書を作ることは賛成してくれた彼ですが、やはりなかなか事は進みません。向こうの仕事の都合で延期延期になり、3月の予定が結局2.3ヶ月ほど延びました。その間に逃げようと思えば逃げれるはずなのに、逃げずにちゃんと連絡を返してきました。また、私は返信を返していなかったのですが、彼からラインがほぼ毎日入っていました。
「全部綺麗さっぱり片付けて、必ずあなたと子供を迎えに行くから」「仕事だけやと金銭面が厳しいから新聞配達の仕事を始めたよ」「やっぱりあなたが一番大事」と言った内容でした。ときめくどころか散々嘘ついて裏切っといてどの口が言うとんねん…


嫁の矛先が私から彼に…

そんなこんなで月日が流れていたのですが、その間にも嫁のSNSの投稿内容が少しずつ変わっていったのです。以前は私を侮辱するような内容だったり、もう1人の浮気相手を侮辱するような内容だったのですが、矛先が段々と彼に変わっていったのです。
「クレジットカード渡してたら、ブラックリストに載ってしまった。どんだけ使うねん」「自由きままにどこいってんねやろ、無責任やなぁ」「生きてる?かんたん決済で生存確認笑笑」「既婚者って知って論外(恋愛対象外)やったけど気づいたら私でバツ2笑」「前の会社に900万借金して返済まだやから(会社が彼を)探してるって、返済するゆーてお金渡してたのに何に使ったん。義母に聞いたら知らんゆーとったけど嘘かよ」「大阪で再開したらなかったことにできる。終わった事はどーでもいいから離婚の手続き…」「なんで子供のために貯めてきた貯金してきた物でそんなことが出来るんだろう」

…名誉毀損で訴えようかと思っていましたが、嫁に同情しました。彼に騙されてるのは籍を入れた嫁も同じでした。
むしろ、籍を入れてお金を渡していた嫁のほうが被害者だなと思い、人の不幸を見て楽になるというわけではありませんが、自分だけじゃなかったんだなと少し心が軽くなりました。だからって人を侮辱する投稿はしたらあかんし、感情のままに人を傷つけるのは絶対に許されないこと。改心していただきたい。


久々の対面、実現した公正証書

やっと彼と約束が取り付けられ、公正証書を作りに行きました。公正証書は本人が出向かないといけないとのことで、彼に会うのも久々です。何かあった時のために友人に車で送ってもらい、近くで待機していてもらいました。
公証役場に着きましたが、約束の時間に彼は来ません。ここで飛ぶのか?!と思いながらも待ってる間、久しぶりに顔を合わせる彼に、私は最後の一言なんと言ってやろうかずっと考えていました。不幸になれ、可哀想な人生だね、一生関わんなカス、言いたいことは山ほどありましたが、なかなか決まらない中、彼は姿を現しました。

久しぶりにあった彼は、見た目は変わりませんでした。ただ、来てきた服が嫁と出会ったと言っていたダーツバーの周年のパーカーだったので、こいつ喧嘩売ってんのかって思いました。
彼は「お待たせ」とだけ言って、私の方を見ることなく、私に話しかけることもなく、お腹の子供を気遣う一言もなく終始無言で、待ってる間もただただ気まずい時間だけが流れていました。

やっと呼ばれ、ついに公正証書が完成しました。もちろん費用は彼持ちです。「私お金持ってないから」という間もなく、スッと2万円差し出していました。
内容は、一緒に住んでいた時の貸してたお金と、生活費持つからって言ってくれた以降に私が立て替えていた分の約97万円を返済すること。子供の養育費を月4万円払うこと。引っ越しや仕事が変わったら、その旨を私の母に伝えること。まだ取り決めたことはあると思いますが、覚えているのはこの3つです。隣で彼は全部承諾し、ハンコを押していました。


見えた戸籍謄本から衝撃の事実

子供を胎児認知していた関係かはわかりませんが、公正証書を作成するにはそれぞれの戸籍謄本が必要でした。
婚姻届を出す時に要ると言っていたのに全然取りに行かなかった彼の戸籍謄本が目の前に出されました。

ここで、私たちの出会いから今までをもう一度振り返ってみます。

  1. 初めてご飯行く

  2. 1週間後にキャリー1個で転がり込んでくる

  3. バツ1子持ち、男の子で今は6歳くらいと聞かされる

  4. ストーカー女の被害に遭っていたことを聞かされる

  5. 同棲半年で妊娠発覚

  6. 親へ結婚挨拶、婚姻届記入

  7. 戸籍謄本を取りに行かず、不審に思う

  8. ストーカー女から「あなたのお腹の子供は旦那の子ですか?」とDMが来る

  9. ストーカー女が嫁だったこと、彼が既婚者であることが発覚

  10. 現金40万円が盗られる

  11. 別居。うちの実家に誓約書を書きにくる

  12. 誓約書に書いていた会社名が嘘だった

  13. 嫁からSNSでなりすまし攻撃される

  14. 公正証書を作成する


ここまでが、私と彼の壮絶な戦いです。
そして、彼が差し出した戸籍謄本をちらっと覗きました。もうこれ以上の隠し事、驚く出来事はないだろうと思っていたのですが、最後の最後に戸籍謄本に記載されている衝撃の事実が発覚しました。

  • 確かにバツ1で6歳の男の子がいる

  • 嫁は私より1つ下(彼の14個下)

  • 私と初めてご飯に行った日が、彼と嫁の入籍日

  • 私の家に転がり込んできた日が、嫁が姫路の実家へ里帰りした日


蓋を開けると彼は、嫁と籍を入れたその日に私と初めてご飯へ行き、一緒に住んでいた家を退去したその日にキャリーケース1つでうちへ転がり込んできていたのです。
これを知った私は、完全に計算して私に近づいたのだとすぐに理解しました。歌手になることが夢のインディーズアーティストなら、簡単に丸め込めさえすれば家に住ませてくれそうだし、応援する側としてファンの中心にいれば手放さざるを得ない人になる。そうなると自分を捨てることはないだろうし、嫁にも一人暮らしを始めたと言っておけばバレない。第一アホそうやし。と思ったのでしょう。簡単に言うと、家を探していたらアホそうな夢追ってる女の子がおったからちょっとその気にさせてとりあえず住まわせてもらおう、って感じですかね。私の推測ですが、ほぼ合ってるとは思います。
でもまさか子供ができるとは思ってなかったから、責任は取れないし少しずつ隠していたことを自らバラしたのかな?1つの嘘が見つかった瞬間にボロボロといろんな嘘が浮き出てきた、という感じです。

この衝撃の戸籍謄本を目の当たりにし、頭の中でぐるぐると今までのことを振り返り、色々推測している間に手続きが終わりました。最後に一言何を言ってやろうか考えていたけど、それも全部飛び、頭の中は真っ白でした。
彼は最後に「身体に気をつけて」と一言だけ言い、私を見ずに歩き出して去って行きました。私は結局何も言えずでした。


忘れかけた頃に届いた1通のDM


それから数ヶ月、彼から一度もお金は振り込まれることはなく、連絡も全くないまま時は過ぎ、子供が生まれました。
こんなことがあったので初めは心から喜べなかった子どもでしたが、胎動を感じるたびに愛おしさが増しました。自分のお腹から出てきた子どもは、私の遺伝子しか入ってないんちゃうか?!ってレベルで私に似ている女の子です。可愛いっていうより、生まれた瞬間の動画なんで撮ってなかってん!!!って一生後悔するレベルの面白い顔をしながらこの世に誕生しました。

子供が生まれてから毎日癒される平和な日々の中で、1通のDMが届きました。嫁からです。内容は、謝罪の言葉でした。
「落ち着かない感情のまま怒りをぶつけてしまってごめんなさい。だいぶ経ってから後で謝ろうと思ったけど、このまま接さないのがあなたにとっていいのかもしれないと思い今に至ります。」
「彼の居場所を突き止めました。会う約束ができそうなので、もしもう一度彼に会いたいと思っているなら場所と時間を伝えます。いい人のフリしたまま逃げられて悔しいという気持ちは同じだと思うので」
彼女も、彼のいろんな嘘や裏切りが浮き掘りになってきて、私に起こった出来事も客観的に見て冷静に考えてくれたのかなと思いました。結局返信は送らず、そっと閉じました。


4年経った今…


この出来事から、4年が経ちました。
現在は、彼の居場所や、嫁が彼と離婚できたのかどうかもわかりません。子どもは可愛く、彼に似てると思う場面もあまりないので心も平和に過ごしています。私は、たまにフラッシュバックで動悸が止まらなくなる時もありますが、そんな私を受け入れてくれる彼氏もでき、来月には結婚の予定もあって幸せに暮らしています。

そんな中で昨年10月に突然私の銀行口座に、彼の名前で3万円の入金がありました。久しぶりに名前を目の当たりにし、生きているのかというショックと突然の関わりに動悸がしましたが、もらえるお金はもらっておこう精神で受け取りました。それから毎月3万円が今も振り込まれているのですが、毎月入ってくると、取り決めた養育費は4万円やし返済必須なお金は全く返してもらってないのになんの3万やねん、という不満も出てきますが、関わるだけ心が乱れそうなのでただただ受け取ります。
今後も払い続けてくれることに期待しつつ、早くポックリ逝ってしまえという感情に蓋をし、今日も強く生きていこうと思います。


最後に

私が体験した人生が一変するこの出来事は、なかなか起こりうるものではないと思います。でも、世の中には実際に独身になりすました既婚者だったり、不倫している人、嘘が上手い人、結婚詐欺師など、いろんな人が存在します。あなたの身の回りにももしかしたらいるかもしれません。そういう人に引っ掛かってしまい、私と同じように苦しんだ人や、私よりも辛い経験をした人、今も辛い思いをしている人もいるかと思います。裏切られた時、嘘をつかれた時、辛い目に遭った時、「なんで自分がこんな目に遭うんだろう」「私が何をしたんだろう」「私の人生なんて所詮こんなもの」「死にたい」誰もが一度は考えますよね。

私は、過去の私と、今辛い思いをしている人に伝えたい。
そして、これから先辛いことがあった時に思い出してほしい。
あなたは絶対に何も悪くない。って言っても自分を責めてしまうよね。でも、今が不幸のどん底なら、これから先はこれ以上不幸になることは絶対にないし、この先の人生は幸せな方にしか進まないから大丈夫

私にとってのこの出来事は人生のどん底なので、これから先の長い人生でこの出来事以上に不幸になることはないと思っています。
だからこそ、今は笑い話にすることができました。今でも当時を思い出してパニックになったり動悸がすることもあります。たまに思い出して泣くこともあります。そういう時はしっかり泣いて、「でも今はあの頃よりは幸せだ」と笑顔に戻ります。
こんな話を聞くと、今そばにいてくれている人を疑ってしまうかもしれません。でも、その人が本当に自分を大切にしてくれている人なら、言葉、行動、態度であなたを安心させてくれるはずです。そんな人を信じ、愛し、大切にしていきたいですね。

この出来事を経てただ一つ、可愛い可愛い娘と会わせてくれたことだけは、最大の幸せだったなと思います。今のパートナーと子どもを今まで以上に大切に、愛して生きていこうと思います。

最後まで読んでくださった方、少しでも興味を持ってくださった方、本当にありがとうございました。

次回投稿からは普通の日常的な投稿に戻りますので、またご覧いただけると幸いです♪

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