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農スクール卒業生インタビュー4

【鎌倉市 就労特化コース】2022年度受講生募集中★参加費無料★
引きこもりの方や働きづらさを抱えた方々、一緒に野菜を作りながら農家を目指しませんか?
鎌倉市民向けの就農・就労に向けた講座、受講生募集中です。
https://know-school.org/kamakura.html

N さん(仮名)
2016 年に藤沢市で開催される農スクールに参加し、導入編・基礎編を修了。農スクール卒業後は農家法人でのアルバイト、農業アカデミーを経て独立就農。現在は独立農家として農業を生業にしている。また、農家実習の際の農スクール生受け入れ農家として受講生のサポートに携わっている。

叔父に勧められ、渋々農スクールの話を聞きに・・・
高校卒業後、大学に進学しましたが、中退してしばらくの間家にこもっていました。親や親戚には色々と行動してみることを勧められていましたが、自分自身のやる気は起きませんでした。ある日、叔父が小島さんの講演を聞いて、私に農スクールでの活動を勧めてきました。 「人と会うのが怖い。できるだけ人のいるところに行きたくない。 」というのがその時の気持ちでしたが、叔父がそこまでして勧めてくれたので、通ってみようという気持ちになりました

農スクールに参加してみたら自分のような状況にある人は他にもいることに気づいた
農スクールには、社会の流れに入っていくための方法、リハビリの一つだと思って参加しました。自分が農業をやるということは想像したこともありませんでしたし、人と会うのも怖いと思っていましたので、参加することには勇気がいりました。参加してみると自分の置かれた状況と同じような方もいたのと、周りの方も自分のことに関して踏み込んでくるような方はいませんでした。最初は一歩下がって、なるべく目立たないように参加していましたが、同じく農スクールに通う方たちの中には、引っ込み思案の方も結構いらっしゃったりして・・・自分が積極的に声を出さないと集団として機能しないような状況だったので、それが気になって自分自身が積極的に声を出していくようになりました。

農家見学や農家アルバイトを通じ「独立」
就農をしたいという思いが明確になった農業を生業にしていきたいと考え始めたことには、農スクールで行う農作業が楽しかったこと、また農スクールの活動で参加したイベントを通して知り合った千葉の農家さんに見学に行った際にいただいたお土産のトマトやインゲンがとてもおいしかったことが関係しています。スーパーに流通している野菜は収穫してから市場を通して流通してとなると数日経っている物がほとんどだと思うので鮮度も落ちてしまいます。ですが、農家さんの収穫したての野菜は本当に美味しいんです、 「こんなに美味しいものを食べられるんだ、面白いなあ」と感じたことが大きなきっかけかもしれません。農スクールを卒業した後、知人の紹介で農家でのアルバイトをさせてもらうことになりました。アルバイトでの経験を通して、部分的な農業の仕事よりも、野菜を育てるための一連の作業を全て自分で行った方が自分にとっては面白いのではないかと思い、独立就農という選択をすることに決めました。

農業アカデミーでの出会いで視野が広がった
独立就農を目指すため、農業アカデミーの専修コースに1年間通い、それから農地を借ることに決めました。 農業アカデミーではバックグラウンドの異なる方にお会いする機会が多かったです。例えば、お子さんがまだお金がかかる時期にも関わらず、50代になってから大企業を辞め就農を目指す方もいらっしゃっていました。それまでの感覚だと50代まで一般企業で勤め、一度辞めてもう一度現役に戻るというのは少し難しい印象があったと思います。ですが農業界では、50代はまだまだ若手なので挑戦ができるんです。そのような方たちを見て、色々な生き方があるんだということを改めて感じ、視野も広がった気がします。

農業委員会の審査を経て独立農家に
農業委員会の方の審査を経て、畑を借りることができ、活動を始めてみると、思い通りにいかないことも多かったです。特に、始めた頃は力の入れどころがイマイチわかっていなくて、失敗の連続だったこともありました。今は、手をかけるところ、手を抜けるところを見極めて試行錯誤しながら農業をしています。現在は農家として生活をしていくことがまだまだ道半ばなので、なるべく草を出さないように畑をうまく回し、ものを売って収益をあげる、という農家としての生活を送り、安定した収入を得られるようにすることが目標です。全て自分で行うのはなかなか体力のいることなので、体調管理をしっかりとする、休む時はきちんと休むという方法もとっています。今も試行錯誤を繰り返しながら、改善できるところを改善していこうと取り組んでいます。

農業を始めると繋がりが生まれてくる
農業と出会う前と比べて、変わったことといえば「何もかも」という答えですね。ただ一番は人との繋がりが増えたことが大きな違いかなと思います。 「農業は挨拶から」と言いますが、このような意識を持つことでも繋がりは増えていくと思います。また、農業をやっているお陰で話題ができ、人と話すことが苦ではなくなりました。引きこもっていた時は特に何をしているわけでもないので「いつもどんなことをしているの?」という問いに答えることができませんでした。ですが、農業を始めたことで、自分が自信を持って取り組んでいることができたので、自然と話題も生まれ、人と会うのが怖く無くなりました。

サポートされる側からサポートする側へ
現在は農スクールを受講している方たちを受け入れて、農作業を手伝ってもらうという取り組みもしています。人手があることはありがたいです。また自分自身のような独立就農を目指す方や、農業で生計を立てていくつもりだと考えている受講生には、 「私はこんな感じでやりました」 「農業アカデミーに行くといいよ」など分かることはお話しするようにはしています。ただ、農スクールに来ている方たちのモチベーションはそれぞれ異なると思うので、自分の経験をどこまで話していいのかは受講生に応じて変えています。

農業はいつ始めてもいい
農業は他の業界よりも比較的入りやすい世界なのではないかと思います。例えば、一度ドロップアウトをした方たちの中には、仮に企業に入ったとしても10年遅れとかを気にしてしまう方もいらっしゃると思います。農業界では50代はまだまだ体力のある若手として扱われるんです。そのためもし、他の方々と比べてしまったり、遅れを気にしてしまうような方にも農業はいいと思います。また、これまで関わってきた農家の方たちは気持ちがおおらかな方が多い印象があります。これは長いスパンで成果を出していく農業のスタイルが関係しているのかなと思います。たとえば、種まきから収穫までは3ヶ月ぐらいかかるので、一度失敗してしまうと3ヶ月間何もないという状況にあったり、 「1年後何を作るか」とかを考えていることも多いと思うので、細かい目先のことでイライラしたりしないのかもしれません。そのような意味でも農業の世界は踏み出しやすいと思います。

一歩踏み出すことを迷う方へのメッセージ
踏み出すことには勇気が必要ですが、踏み出してみるとそこから状況が大きく変わることもあると思います。農業に限らず何か一歩踏み出してみることから、人と話してみることから始めてみるといいと思います。

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