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べビー・キッズブランド、認知度が高いだけじゃダメ?愛される最強ブランドになる秘訣

子供がいる家庭なら必ず必要になるベビー・キッズ用品、たくさんのブランドがあるけど結局どこがいいの?と購入するにあたって悩んだりしませんか?

よく知られている有名なブランドでも実は好感度はそんなに高くなかったり・・・
世帯、年代、性別によって選ばれているブランドに偏りが出ています。

そこで今回は、ベビー・子供用品業界におけるブラント認知度と好感度を基に、それぞれ高い位置にいるブランドの特徴とマイナス要因、さらに改善点について分析します。

認知度が高ければいいわけではない?よく知っているあのブランドの意外な事実も・・・
この記事で、ベビー・キッズ用品ブランドの新しい発見があることを願っています。

認知度・好感度を基にした
ベビー・キッズ用品ブランドのポジションマップ

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圧倒的な認知度があるのは【西松屋】、子育てをするママなら一度は聞いたことがあるブランドかと思います。

年代別で見ても、50~60代以外の全世代から【西松屋】が認知度一位という結果でした。
※50~60代は【ミキハウス】が認知度高め。

また、好感度の軸で見ると【エルゴベビー】が一位に。
こちらは男性からの支持が多く、女性からは僅差で【ピジョン】の方が好感度が高いようです。

【西松屋】
安さが最大の魅力。足りないものは・・・

ポジションマップから、認知度が突出している【西松屋】について分析していきます。

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上の図は全ての性別・年代の消費者行動データです。
性別別に見ると、男性の「ロイヤル層」は少なく16.5%、女性は22.5%と6%もの差があります。
なぜこのような差があるのでしょうか。

ベビー服は『質より量』な女性と『量より質』な男性

上述のロイヤル層の差は、女性の方がベビー用品を購入する機会が多い為というのもあるかもしれませんが、そもそも女性と男性では求めているものが異なるようです。

以下【西松屋】に対する女性視点での肯定的な消費者の声です。

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肯定的な意見として、誰もが『安さ』を支持しています。
成長が著しく早い赤ちゃん、公園に行ってはすぐに服を汚してしまう子供には、より多くの服が必要なので、商品の価格は大変重要になります。

また、店内が広くベビーカーでも買い物がしやすいことも支持されています。子連れにとっては、店内通路の広さは入店のしやすさに比例するかもしれません。

【西松屋】は都心や郊外を問わず多数の店舗があり、車で行ける場所だけでなく、駅直結の大型ショッピングモールに入っていることもあるので、誰もが行きやすく馴染みがあることが認知度を上げている最大のポイントです。

以下男性視点での否定的な消費者の声です。

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女性の意見とは反対に、安いが故に『品質がそれなり』『安っぽく見える』等といった男性の意見が目立ちます。

また、『店内が無音』という意見も。全ての店舗に対してではないかもしれませんが、BGM、接客は購買意欲を上げる要素でもあるので、積極的に取り入れた方が良いでしょう。

認知率と購買率の差を埋める為に

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上の図は、世代及び性別別に見た認知率と購買経験がある消費者、継続的に購買している消費者の割合を表したものです。

全世代で高く認知されていますが、中でも購買したことがある消費者は約半数、現在も購買している消費者はそのさらに半数以下になっているものがほとんどです。

では、過去/現在購買している消費者はそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。

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上の図は、現在購買している消費者の消費的価値で見た特徴度分析の結果です。
”価格重視””実績重視”等、コストパフォーマンスを重視している消費者が多いようです。

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過去購買していた消費者の特徴としては、”性能重視””企画モノ好き”等です。

消費者の声にもあったように、安さなりの品質と感じ、購買するのを辞めてしまった消費者が多いことが伺えます。

また、どの店舗でも同じようなラインナップでベビー・キッズ用品全般が手に入る【西松屋】ですが、新しいものを発見するという点では魅力が不足しているかもしれません。

価格に関しては申し分なく全世代から支持を受けているので、【西松屋】でしか買えないオリジナル商品があれば、過去に購買していた消費者の巻き戻し及び新規顧客も更に増えるのではないでしょうか。

【エルゴベビー】
男性からの好感度高いが女性からは意外にも低め!

続いて、好感度が最も高いブランド【エルゴベビー】について分析します。

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上の図は全ての性別・年代の消費者行動データですが、性別別に見ると「ロイヤル層」に大きな違いがありました。
男性からの場合26.8%と高い支持があるのに対し、女性は15.9%と低めという結果です。

商品の強みとなるものが女性にとってはウィークポイントに!

では、男性と女性で選ぶポイントがどのように異なるのでしょうか。

以下【エルゴベビー】に対する男性視点での肯定的な消費者の声です。

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『信頼感がある』『頑丈な作り』の他、『少し大きめの作りが良い』との意見もあり、男性でもフィットしやすい形になっているのも男性からの好感度が上がるポイントになっています。
確かに、街中で見ても【エルゴベビー】の抱っこ紐を使っているパパが圧倒的に多いように感じます。

以下女性視点での否定的な消費者の声です。

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『大きめの作り』というのは海外ブランドが故というのもあるかもしれませんが、頑丈が故に『かさばって持ち運びしにくい』というのが女性からの好感度を下げている原因のようです。
また、他の抱っこ紐ブランドに比べ値段が高く、手を出しづらい傾向もあるようです。

男性は認知率を上げることが戦勝!では女性は?

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上の図は、世代、性別別に見た認知率と購買経験がある消費者、現在も購買している消費者の割合を表したものです。

女性の方が認知率は高いのですが、実際に購買する消費者が少なく、
反対に男性は、認知率と購買率にさほどギャップがありません。
つまり男性においては、認知率を上げれば必然と購買率も上がるのではないでしょうか。

上述した【西松屋】と違い、【エルゴベビー】は実店舗ではなく取扱い店にて商品が並べられる形なので、他ブランドの競合が存在します。
その為、商品が埋もれてしまわないよう目立たせる工夫が必要です。

例えば、ブランドイメージに合う有名人を起用した広告を打ち出す等も効果的であると感じます。(下図、Knowns Bizが分析したブランドイメージに合うタレントランキング。男性有名人一位は桐谷健太、女性有名人一位はギャル曽根という結果でした。)

また、【エルゴベビー】は男女兼用の抱っこ紐が主力商品であるブランドですが、他国と比べワンオペ育児が多い日本では、女性専用の「軽量かつ安価」な新商品があると女性の購買率が上昇するのではないかと思います。


まとめ

【西松屋】に関しては、全国的に店舗を展開しており、扱う商品もベビー・キッズ用品全般と幅広いジャンルを扱っている為、馴染みがあることが認知度が高い最も大きな理由です。
商品の価格に関しては大変高評価ですが、反面”質””真新しさ”に劣っていることがマイナス要因となっています。

【エルゴベビー】に関しては、実店舗を持たずオンラインもしくは取扱い店舗での販売になる為、競合が多く認知度が低めです。
好感度はベビー・キッズ用品ブランドの中では高いのですが、男女で意見が割れており、性別別に上述したような改善策を練る必要があります。

必ずしも認知度が高ければユーザーが多いわけではなく、認知度と好感度は比例していません。
しかし、マイナス要因を改善できれば、どちらかを上げることで必然と一方も上がる可能性が大いにあると考えます。









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