あしたからの演劇は
港谷順と申します。
舞台で俳優と劇作演出をしております。
2020年2月以降。
演劇、と言いますかいわゆる「観客の目の前で行われる芝居」というものの形が変わっていくことになるよなぁと日々感じております。もしかしたら変わらないかもしれないとも少しだけ期待して…笑。
それでも今まで通りでは通らないことが多々出てきているので、変革は余儀なく行われるべきだとも思っております。「劇場の集客人数の削減」「館内消毒などによる人件費や雑費の増加」「劇場という閉鎖空間での衛生面」などなどが主な問題点として上がります。
公演の可否
そして第一に。
このコロナ禍において、公演の可否が問われています。公演を行う場合、どのような形で公演を行うかというのはそれぞれの団体でテーマになっているかと思います。
現状のコロナ感染予防対策のガイドラインに則っての公演(http://jpasn.net/stage_guideline0630a.pdf)*PDFファイルは2020年6月30日のもの。
もしくは新しい方法を組み込んだ上での公演を模索しているかと思います。
ZOOMでの公演
緊急事態宣言中、ZOOMを使った演劇公演をいくつか観劇しました。
この非常事態の中、こうしてひとつの形として作品を創り上げている方々を見るとその行動力や、思い、強い意志にすごいなと感動こそしたものの、僕が演劇に求めていた「生感」とは違ったものでした。
リアルなのだけれど…
「肉体から発する熱量」や「伝わってくるエネルギー」は舞台で味わうものとは違っておりました。
自宅という自分自身のパーソナルエリアなのでいつでも席を立つことができてしまうし、飲み物を取りに行っている間に他の作業が目に入ったりして集中力が切れてしまったり。全身で作品を楽しむことがどうしても出来ませんでした。
緊急事態宣言発令から1ヶ月が経ち
自粛が開けて少しずつ舞台公演が行われるようになってきましたが、7月20日現在、東京では本日も150人以上のコロナ感染者が出て、自分の知人やもしくは自分がコロナに感染してしまうということもありえるなと思えてしまうようになりました。
舞台演劇は「物語を体験する媒体」だと思っております。今、目の前で行われることに意味がある。
僕もその信者です。
フィクションとノンフィクションの境目が目の前にあり、客席の空気と舞台上の空気が混ざり合い、劇場がひとつの「異空間」になっていくのが僕は大好きです。
しかし、新しい価値を生み出す必要があり、今がそのタイミングなのかもとも思っております。
生感を残し、劇場の熱量を映像に乗せる方法。
逆に遠く離れた画面の先の観客から演者も影響を受ける方法。
もしかしたら
思いもよらない新しい方法があるかもしれません。
理想と、そして今すべきこと
劇場でたくさんのお客様の前でお芝居をすることが理想ですが、今はそれは叶わぬものとなってしまっています。ですので、今すべきことは新しい方法を考えていくことなのかなと思っております。
このタイミングで来年の2021年3月に自身の主宰団体による舞台の告知をしたのは、意思を表明するような意味合いがございました。
これから来年の3月までの半年間。
関わってくださるスタッフの皆さんや出演して下さるキャストの皆さん。演劇仲間や様々な所で出会った方々と色んな話をしながら、面白そうな形を模索していきたいと思います。
その際はよしなに。
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Ayuka Project#2
『Illya and Roy』
僕は君と出会って
生きていてはいけないと知った。
《キャスト》
竹内心
zizi
新井裕士
大河内一樹
《あらすじ》
17世紀イギリス。
深い森の中に佇む塔にイリヤが幽閉されている。
そこにパンを盗んだロイが逃げ込んでくる。
やがて2人は友人となり、ロイは町のことを話し
イリヤはロイにこの世界には
神に定められた天命があるということを語る。
しかしある日、
ロイはイリヤが幽閉されていることを知る。
ピューリタン革命時のイギリスをモチーフに
キャスト4人で贈る塔の物語
2021年3月下旬公演
劇作・演出 港谷順
竹内心
zizi
新井裕士
大河内一樹
港谷順
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